旗国主義と沿岸国主義(2005年10月20日)
最近、北海道の「サンマ漁船」の大きな事件で話題になっています公海での「旗国主義」は昔から各国で受け入れられているルールでした。しかし、「沿岸国主義}が海洋法に関する国際連合条約(国連海洋法条約)により国際的にオーソライズされました。テレビでも言っていますが、昔から領海内はそれぞれの国の法律が適用されます。その辺りは従来と余り変わりはありません。しかし、それより遠方の海洋に関しては各国の権益が絡み、扱いがバラバラな部分が多くありました。「国連海洋法条約」が発効したことにより、それらの点がかなり整理され、日本でもそれに伴い、国内法が整備されました。その点で大きく変化したこともあります。
この条約の画期的なことは「経済水域」では、例えば漁業・海底資源等の場合、「沿岸国主義」がオーソライズされたことです。我が国では漁業が海洋利用が現実に行われている経済活動です。日本はその条約が発効する前から、「200海里漁業専管水域」を制定していました。しかしそれは国際的にオーソライズされていなかったために、その水域内でも「旗国主義」が適用されていました。我が国の200海里内でも、日本政府の許可等が不必要であった訳です。取り締まり権限も行使することは出来ませんでした。
更に大きく変わったのは、その条約によって、その国の「経済水域内(200海里の中)」では「資源管理義務」を負うことになったことです。逆に言うと、政府は「資源管理権限」を持ったことになります。国内漁業から見ると、そこが大きく変化しました。
従来から「泳いでいる魚」は誰のものでもありません。漁獲されて初めて、その漁獲した人の所有物になる訳です。その原則は今も変わらないのですが、それに加えて国の「管理義務」が課せられました。言い換えると国は「権利権限」と入手したことになります。従来漁業は「資源保護」の観点から漁船の大きさ、使用する漁具・漁法の制限、漁期の制限等々の規制が行われています。それらは一括して「入り口の規制(漁獲する前の規制と言う意味です。)」と言われます。その「入り口の規制」の下では、船頭の腕次第で、幾ら漁獲しても構わなかったのです。それが入り口規制の限界で有ったのです。
しかし、国連海洋法条約の発効に伴い、毎年資源の動向を把握して、「出口の規制」、即ち「総漁獲量」の規制が行われるようになりました。「クオータ」制の導入です。10年、20年の長いスパンで見ると、これからの漁業は大きく変化していくことが予想されます。
最近、北海道の「サンマ漁船」の大きな事件で話題になっています公海での「旗国主義」は昔から各国で受け入れられているルールでした。しかし、「沿岸国主義}が海洋法に関する国際連合条約(国連海洋法条約)により国際的にオーソライズされました。テレビでも言っていますが、昔から領海内はそれぞれの国の法律が適用されます。その辺りは従来と余り変わりはありません。しかし、それより遠方の海洋に関しては各国の権益が絡み、扱いがバラバラな部分が多くありました。「国連海洋法条約」が発効したことにより、それらの点がかなり整理され、日本でもそれに伴い、国内法が整備されました。その点で大きく変化したこともあります。
この条約の画期的なことは「経済水域」では、例えば漁業・海底資源等の場合、「沿岸国主義」がオーソライズされたことです。我が国では漁業が海洋利用が現実に行われている経済活動です。日本はその条約が発効する前から、「200海里漁業専管水域」を制定していました。しかしそれは国際的にオーソライズされていなかったために、その水域内でも「旗国主義」が適用されていました。我が国の200海里内でも、日本政府の許可等が不必要であった訳です。取り締まり権限も行使することは出来ませんでした。
更に大きく変わったのは、その条約によって、その国の「経済水域内(200海里の中)」では「資源管理義務」を負うことになったことです。逆に言うと、政府は「資源管理権限」を持ったことになります。国内漁業から見ると、そこが大きく変化しました。
従来から「泳いでいる魚」は誰のものでもありません。漁獲されて初めて、その漁獲した人の所有物になる訳です。その原則は今も変わらないのですが、それに加えて国の「管理義務」が課せられました。言い換えると国は「権利権限」と入手したことになります。従来漁業は「資源保護」の観点から漁船の大きさ、使用する漁具・漁法の制限、漁期の制限等々の規制が行われています。それらは一括して「入り口の規制(漁獲する前の規制と言う意味です。)」と言われます。その「入り口の規制」の下では、船頭の腕次第で、幾ら漁獲しても構わなかったのです。それが入り口規制の限界で有ったのです。
しかし、国連海洋法条約の発効に伴い、毎年資源の動向を把握して、「出口の規制」、即ち「総漁獲量」の規制が行われるようになりました。「クオータ」制の導入です。10年、20年の長いスパンで見ると、これからの漁業は大きく変化していくことが予想されます。