世界的なギタリスト、福田進一さんが、クロマティックハーモニカ奏者・和谷泰扶さんをフィーチャーしたCD『Japanese Guitar Music・3(日本のギターコレクション第3集)』が発売されました。
試聴はNAXOS MUSIC LIBRARYで。
http://ml.naxos.jp/album/8.573595
1~3曲目の武満徹さんがギターのために編曲した3つのアメリカの歌「サマータイム」「シークレット・ラブ」「オーバー・ザ・レインボー」はほれぼれする演奏です。試聴時間が短いのでよく分からないというかたはぜひお買い求めください。
NAXOSはグローバルなレーベル。世界中で聴けるということですね。
輸入盤の新譜CDは、日本と違って驚くほど安いのです。
吉松隆さんはブログ「隠響堂日記」2016年1月8日付けのブログに、
「ハーモニカ(崎元譲サン)とギター(芳志戸幹雄サン)のために書いた〈忘れっぽい天使 Ⅱ〉は、私の最も初期(デビュー前の1979年26歳頃) の作品の一つ。 ハーモニカは笙+ヤンガルバレクで、ギターが武満徹+ラルフタウナー、拍子のない半図形楽譜ながら音はドーリア旋法…というわけの分からないコンセプトで書かれていて、自分の曲の中でもっとも良く分からない曲のひとつ(笑)でもある。」
「ところが、今回のお二人の演奏、実に愛おしくも美しい。自分の曲ながら一瞬聞き惚れてしまった。」
と書いております。
作曲家にこう言わしめたら演奏者冥利に尽きるでしょうね。
このCD、録音場所であるカナダの教会の音場がいいのか、ギターとハーモニカの響きがすばらしいのです。
ハーモニカについて言うなら、たとえば一つの音が2小節くらい一直線に伸びていくときの、ハーモニカの音色は和谷先生ならではとしかいいようがない、のびやかで、つややかで、確かな音なのです。そして音と音の繋がりのなめらかさ、表現の完成度の高さに溜息が出ます。
笙などを起源とするハーモニカは、息を吹き吸いしたとき金属のリードが震えて鳴るわけですが、不協和音だとすごい緊張感を醸し出します。この響きは現代音楽に合うと思います。
実は、今から約1ヵ月前の11月20日(日)、東京オペラシティ・リサイタルホールで、大竹紀子企画コンサート「ヘンリー・カウエルが出会った日本」がありました。
ヘンリー・カウエルはアメリカの作曲家で前衛音楽のパイオニア。ジョン・ケージの先生として知られる有名な方とのこと。(あいにく現代音楽には疎いので、初めて知った次第...。)
このコンサートは、ヘンリー・カウエルが日本の音楽家と出会って、箏、尺八、ハーモニカのための曲を作曲しており、それを検証するための学術的なもの(JSPS科研費助成事業)。
尺八は藤原道山さんですし、ハーモニカは和谷泰扶先生。当代きって名手が演奏する現代音楽は緊張感あふれるスリリングなものでした。ハーモニカ・コンチェルトは笙をイメージしてつくられたようなので、抑揚のない旋律が延々と続いて僕の期待とはだいぶ違ったのですが、ハーモニカは現代音楽に合うという印象は改めて持ちました。
話は飛びますが、2002年か2003年頃、崎元譲先生が所沢市民文化センターホールで、ギタリスト荘村清志さんと共演して、日本の作曲家によるハーモニカのために書かれた曲を本邦初演したのを聴いたことがあります。これはすばらしい演奏でして、ステージのすぐ下で聴いていた私に「どうだ」といわんばかりの満足感たっぷりの顔を見せて(という気が私にはしました)袖にさがっていきました。このときギターとハーモニカ、現代音楽との相性はいいのだと思った記憶が蘇ってきました。
試聴はNAXOS MUSIC LIBRARYで。
http://ml.naxos.jp/album/8.573595
1~3曲目の武満徹さんがギターのために編曲した3つのアメリカの歌「サマータイム」「シークレット・ラブ」「オーバー・ザ・レインボー」はほれぼれする演奏です。試聴時間が短いのでよく分からないというかたはぜひお買い求めください。
NAXOSはグローバルなレーベル。世界中で聴けるということですね。
輸入盤の新譜CDは、日本と違って驚くほど安いのです。
吉松隆さんはブログ「隠響堂日記」2016年1月8日付けのブログに、
「ハーモニカ(崎元譲サン)とギター(芳志戸幹雄サン)のために書いた〈忘れっぽい天使 Ⅱ〉は、私の最も初期(デビュー前の1979年26歳頃) の作品の一つ。 ハーモニカは笙+ヤンガルバレクで、ギターが武満徹+ラルフタウナー、拍子のない半図形楽譜ながら音はドーリア旋法…というわけの分からないコンセプトで書かれていて、自分の曲の中でもっとも良く分からない曲のひとつ(笑)でもある。」
「ところが、今回のお二人の演奏、実に愛おしくも美しい。自分の曲ながら一瞬聞き惚れてしまった。」
と書いております。
作曲家にこう言わしめたら演奏者冥利に尽きるでしょうね。
このCD、録音場所であるカナダの教会の音場がいいのか、ギターとハーモニカの響きがすばらしいのです。
ハーモニカについて言うなら、たとえば一つの音が2小節くらい一直線に伸びていくときの、ハーモニカの音色は和谷先生ならではとしかいいようがない、のびやかで、つややかで、確かな音なのです。そして音と音の繋がりのなめらかさ、表現の完成度の高さに溜息が出ます。
笙などを起源とするハーモニカは、息を吹き吸いしたとき金属のリードが震えて鳴るわけですが、不協和音だとすごい緊張感を醸し出します。この響きは現代音楽に合うと思います。
実は、今から約1ヵ月前の11月20日(日)、東京オペラシティ・リサイタルホールで、大竹紀子企画コンサート「ヘンリー・カウエルが出会った日本」がありました。
ヘンリー・カウエルはアメリカの作曲家で前衛音楽のパイオニア。ジョン・ケージの先生として知られる有名な方とのこと。(あいにく現代音楽には疎いので、初めて知った次第...。)
このコンサートは、ヘンリー・カウエルが日本の音楽家と出会って、箏、尺八、ハーモニカのための曲を作曲しており、それを検証するための学術的なもの(JSPS科研費助成事業)。
尺八は藤原道山さんですし、ハーモニカは和谷泰扶先生。当代きって名手が演奏する現代音楽は緊張感あふれるスリリングなものでした。ハーモニカ・コンチェルトは笙をイメージしてつくられたようなので、抑揚のない旋律が延々と続いて僕の期待とはだいぶ違ったのですが、ハーモニカは現代音楽に合うという印象は改めて持ちました。
話は飛びますが、2002年か2003年頃、崎元譲先生が所沢市民文化センターホールで、ギタリスト荘村清志さんと共演して、日本の作曲家によるハーモニカのために書かれた曲を本邦初演したのを聴いたことがあります。これはすばらしい演奏でして、ステージのすぐ下で聴いていた私に「どうだ」といわんばかりの満足感たっぷりの顔を見せて(という気が私にはしました)袖にさがっていきました。このときギターとハーモニカ、現代音楽との相性はいいのだと思った記憶が蘇ってきました。