goo blog サービス終了のお知らせ 

毎日HAPPYDAY

いくつになっても人生これから

死ぬならボケずにガンがいい―読書メモ

2015-04-22 09:41:59 | 読書メモ

 

新潮社

新見正則著

死ぬならボケずにガンがいい

2014年出版

 

最近、無意識に今後の生き方を考えているようで

(↑ 意識が無い所がコワイ)

図書館の 医療関係の棚をよく見ます。

その中で 今回目に付いたのが この本。

著者は医師で、2013年の「イグ・ノーベル賞」を受賞した方です。

 

この本、とても気に入りました。

というのは まず結論を述べてから各章で説明しているところ。

長く臨床医として患者さんに関わったあげく 「運」に左右される なんてことを

さらりと述べているところ。

 

この本を読んでいると

たとえ、病気にかからなくても事故に合うなど不運にも人生が

終わってしまう場合もあり、本当に今生きているのは運がいいとしか

思えなくなってきます。

ちょうどうまい具合に治療法が見つかるとかね。

 

急死は、周りの人にお礼も言えない、長患いはつらい

ガンなら 治療方法を選べるし少し治療して、周りの人に

お礼も言えるし・・・ということでガンがいいとなったようです。

ただし、抗がん剤による治療は避けるみたいです。

ガンは死ぬ直前まで比較的元気でいられ、急激に悪くなり

お迎えがくるそうです。理想的です。

 

著者のお母様はボケの症状が進み息子を認識できないそうです。

家族で介護をしていますが、大変そうです。

本人のライフスタイルが大きく影響するようで、周りでは

ボケの進行は止められないみたい。

 

本ではボケずにガンにかかっても生きている高齢者にコツを聞いて

参考にしようということですが、驚愕の実例がたくさん出てきます。

超メタボでも元気にボランティアをしている人、がんを抱えながら

なぜか元気な人を筆頭に 人間て奥深いなと感心するばかり。

 

高齢で元気な方に秘訣を聞くと、いろいろですがなにか「これ」というものが

それぞれにあるようです。

「生かされていること自体がありがたい」というものもあり、高尚なことでなくて

いいみたい。

 

それと、一つ参考にできそうと思ったのがもし、ボケの症状が

出てしまったら少しボケても続けられる趣味があるとボケの進行は

止まるそうです。少しはしょうがないということですね。

そうなると難しいことはできないので、カラオケとか老人会でのおしゃべりとか

そのようなものがいいそうです。簡単な料理もいいそうです。

しかし、それも「運」じゃないかと締めくくられています。

 

健康診断の数値のこと、免疫力のこと、高血圧認定のしくみ、薬の認可、

専門用語を減らして、わかりやすいですが結構医学界の奥深くまで

踏み込んで書かれています。

 

図書館にこのような本がたくさんあります。

また、借りてきます。

 

***イグ・ノーベル賞***

人々を笑わせ、そして考えさせてくれる研究。

マウスの心臓移植でオペラ「椿姫」を効かせると生存期間が延びる

という研究を発表した。ほかの曲では効果なし。

8日で止まる心臓が平均40日、最長90日延びた。

 

 


長寿と性格ー読書メモ

2015-04-17 09:53:49 | 読書メモ

 

長寿と性格

ハワード・フリーマン

レスリー・マーティン

清流出版社 2012年出版

 

性格診断付き

 

図書館で借りてきました。

「長生きの秘訣の常識は実は間違いだらけだった」

という帯を見ておもしろそう!と借りてきました。

 

アメリカで 1500人を80年にわたって追跡調査した結果です。

最初の研究者は無くなってしまい、後輩に引き継がれて結実したものです。

 

健康長寿の人の性格がほんとうにわかるのかってことですが

ほぼわかります。でもすごく普通です。

結論から言うと、健康長寿の人の性格は

誠実・勤勉性

社会的ネットワークの広さ

身体活動

生涯現役・生涯活動

ということです。

中でも「勤勉性」というのがもっとも重要な特徴です。

 

アドラー心理学では 「性格」を「ライフスタイル」と言っていたので

ここでも、「長寿とライフスタイル」とするとわかりやすいです。

 

勤勉で思慮深い人は 強制されなくても自分で健康的なライフスタイルを

選ぶということらしいです。

男性と女性の差、ストレスやトラウマの影響、社交性など

あらゆる面から分析されていて、日本の医師の解説によると

自身の著書を差し置いて健康書籍ではベストワンだと言っていました。

 

今まで常識とされていた

明るく社交的な人が長生き

ストレスのない人が長生き

オタクより体育会系が長生き

などの事はすべてまちがいでした。

 

また、多くの人が悲惨な体験を潜り抜けてもやがて

立ち直っていくのも 同じライフスタイルの問題でした。

(アメリカの研究なので、兵士の過酷な体験がある)

 

一つ一つの項目に自己診断テストがあって

私もやってみました。健康長寿になれるだろうか?

 

出てきた結果から判断すると、

①社交ネットワークを広げる

②女性らしさをもっと身に着ける

③生涯学習に取り組む

この3つが私の課題です。

 

ちょっと前までは、サークルに入ったりするのが苦手だったのですが

最近は 仲間がいるのもいいなと思えるようになってきました。

社交的な明るい性格というのと社交ネットワークが広いというのは

別の事で、明るくなくてもいいみたいです。

(↑ よかった・・・・・すごくほっとしました。オタク気質なので)

 

でもね、長寿といっても平均寿命との比較なので

平均より5年くらい延びるということです。

日本は平均でも相当長生きですからね。

 

本の中でも強調されていましたが、医療費は膨らむ一方なのに

国民全体の健康は特に向上していない。

ある特定の病気に焦点を当てた研究ばかりで、全体としての

幸福や健康が忘れられてしまっている。

 

健康長寿は 健康的なライフスタイルからってことですね。

それも意外と普通です。

当たり前ですけど、これを100年近くかかって証明したことがすごい!

 

 

 

 

 


STAP細胞に群がった悪いやつら

2015-04-13 07:22:52 | 読書メモ

 

STAP細胞に群がった悪いやつら

小畑峰太郎著 新潮社  2014.11.25出版

 

図書館の「話題の本」コーナーで借りてきました。

ヤクザなタイトルとは裏腹に、丹念に調査し時系列に沿って

丁寧に書かれた本でした。

 

私がSTAP細胞を知ったのはあの衝撃の会見でしたが

あれが始まりではありませんでした。

あの時はすでに巨額の裏金が動いており、もう止められない事態に

なっていたようです。

 

私の頭で理解するのはむずかしいところがありましたが、

「じゃ、発端はなんだったのか」というのが気になりまして

繰り返し読み、はっきりは書いていないけれど私なりに考えました。

 

発端は バカンティ教授が株で一儲けしようとしたことだと思う。

というのは、アメリカで一時期 ねつ造された科学論文をもとに

インサイダー取引まがいの手口で、株価操作をして金儲けをするという

事件が多発し、現在のアメリカではこれを厳しく監視する機関が出来ている。

しかし、日本ではまだ知られていないので、通用すると思った。

 

日本の最高の科学機関に持ち込まれた「あやしい細胞」はは

再生医療産業や理研、政治家に火だねとしてともり、

思いもよらない大爆発を起こしてしまった。

 

たぶん、会見に踏み切ったのは

「STAP細胞は研究する価値がある」ということを認めさせるだけでよいと

考えたのではないか。

巨額の金を手にしてからなんとでもなると。

ところが、小保方がニセモノの科学者だったことから、自体は急変してしまって

どうにもならなくなってしまった。

 

と、私は考えました。

 

 

一方私は、小保方がニセモノだったのがいけなかったとばかり思っていましたが

違う見方もありました。

小保方は「研究者ではなく技術者であった」という見方です。

技術者であれば、目指したものができればそれでいい訳で

真理の探究まではする必要がない。

出来るまで、ひたすら実験を続けるというのも、

ノートも何もないというのも技術者としての

訓練しか受けていなかったとしたら、うなずける。

 

ここにもう一つの発端がありました。

科学と科学技術は別のものであり、今回はこれがごちゃごちゃになっていたのも

このような事態になってしまった原因と書かれています。

もし、STAP現象、STAP細胞と言う物があるならそれは

すでに「科学技術」のテーマになってしまっていた。

 

読めば読むほど、迷宮の奥に入り込んでしまいました。

この本で知ったのですが、政府の方針が再生医療に向いているので

政府の予算、株、など巨額の資金が動いているようです。

記者会見で理研を批判したあの人も、小保方を未熟と言ったあの人も

裏でやってることはひどい!

それを元によく考えてみれば、特殊な事件ではなかったのかも。

私の知らない世界ではよく起こっていてバレちゃった時だけ

ニュースになって忘れられていく今までの事件と基本は同じかも。

 

 

 

 


おばあさんの本2冊

2015-03-28 08:01:55 | 読書メモ

 

図書館で借りてきました

 

老けない 生き方暮らし方

吉沢久子著

 

60歳からのシンプル満足生活

三津田富左子著

 

二人とも なんと94歳

(まだ生きているのかはわからない・・・失礼)

 

これからどのくらい生きていくことになるのかわからないな~

などとぼんやり考えていたら、長生きのモデルというものが必要な気がして

図書館で本を借りてきたという訳です。

義母は90歳で、足は悪くなっているけれどもその他はほぼ元気。

デイサービスに週3回楽しく通って、ヘルパーさんと子供たちに

助けられて暮らしている。

実母は85歳で 妹と同じマンションに住みぴんぴんしている。

ほとんど人付き合いはなくて、出かけるのは週に1度くらい。

 

では、私はどのように暮らしたいのかというとまったくもって

イメージがわかない。80歳以上生きている自分が想像できない。

できれば、人付き合いは多くしていきたい。一人でもフラフラ出かけて

写真の一枚も撮ってくらしたい。レース編みは細い糸はさすがに無理に

なるだろうから、太い糸でもがんばっていたい。

と、まあそのくらいのことしか考えていなかった。

 

94歳の人の書いた本を読んでみると

三津田さんのほうは、週に1度泊りがけで娘さんが来てくれる。

バス旅行の手配をはじめ、様々なややこしいことは娘さんが

してくれる。それを前提にした話なので、ふむふむと真剣に読んでも

条件が整っている人以外には参考にならないこともあった。

ただし、ヘルパーさんという存在があるので近づける。

さすがに完全にひとりで実行していることは少ないが、

楽観主義の考え方はすばらしい。

 

 

吉沢さんのほうは本当におひとりで暮らしているので

非常に説得力がある。

亡くなったご主人が自宅でやっていた勉強会を引き継ぎ

40代50代の友人が出入りしていて、吉沢さんはいまだに

その方たちのお世話もしている。

料理好き(← これ大事)

「若い時にこぼした幸せのかけらみたいなものを拾い上げていく

そんな生活を楽しんでいる」

というところに 老後生活のひとつのポイントがある気がしました。

91歳で脳のMRA検査をしたところ、70歳の脳であることがわかった。

どうやら、左脳生活から右脳生活に徐々にシフトしていったのが

よかったらしいです。(← 一人暮らしで自然にそうなった)

「五感をフルに使って生活する」ということだそうです。

それと、不自由になることは多いけれど、その分知恵を絞ると

案外解決するとありました。必要は発明の母ということですね。

 

おふたりに共通していることがいくつかありました。

一人暮らしの自由を楽しむ

学ぶことを続ける 

老いを受け入れる

フル稼働したのは70代 (← さすが長生きの人は違うわ)

 

お二人とも「ぐずぐずして何もしない人は甘ったれていてキライ」

特に吉沢さんは「過去の辛いことが忘れられないという人がいるけれど

そんなのは甘ったれだと思う」と言っています。

 

アドラー心理学でも「トラウマはない」と言ってたっけ。

あれは 甘ったれだったのか (← 妙に納得)

 

老いていくのは怖くない。

人類が一人残らず通る道。それを私ひとりが怖がってどうする。

と言えるのは、94歳まで大病もしないで暮らしてきた人だからかもしれないが

 

「いくつになっても人生これから」

この吉沢さんの言葉を頼りにがんばっていこう。

 

 

 


想定外の老年

2015-03-24 06:41:39 | 読書メモ

 

図書館で借りてきました。

 

想定外の老年

曽野綾子著

 

2013年出版の比較的新しい本です。

雑誌に2011~2012年まで連載されたエッセイをまとめたものでした。

その時々の大きな事件についても書かれています。

震災、中国新幹線の事故など。

 

震災は別として、それぞれの事件の背景を探っていて

とても興味深い内容です。

 

タイトルの「想定外の老年」は最終章に書かれていました。

思いっきり短くまとめると

「日本は経験のない高齢化社会になり

今まで学んだことのないものが必要になってきた。

それは、年よりの義務、あるいは生き方の技術である」

 

「高齢であること」を絶対の強みにして自分勝手に

してはいけないといっているように受け取りました。

 

その部分ではちょっと実感があります。

以前の職場では訪れる人がほとんど60歳以上という場所でした。

70代後半でもみなさんお元気で、それはいいのですが

「高齢だから仕方ない、高齢だから何とかして」という空気が

蔓延していて、こちらでも「高齢の人にこんなことを言うのはどうか」と

遠慮がちになるものだから、お年寄りのパラダイスみたいになってました。

 

でもね、あえて言わせてもらいますが、

そこまで高齢になったんだから、少しは知恵を使って下さい。

戦争を経験した!と威張るんだったら、その時と今を比べたら

あらゆる面で文句なんかないでしょう。

 

もちろん全員とはいいませんが、 「慎み」というものを

どこかに忘れてきてしまったお年寄りがあまりにも多かった。

というより、年よりだからと開き直ったかのような人が多かった。

 

歳をとっても幸運にも大きな病気がなく多少の趣味を楽しむことが

出来るくらいの環境だったら、「譲り合う」とか「慎む」という

余裕を持って暮らしていきたい。

できれば、病気になってもそのくらいはがんばりたい

(社会貢献もしたいけどね)