川塵録

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有田芳生-家庭連合 名誉毀損訴訟(地裁)の論評

2024年03月13日 | 法律・海外法務
有田芳生氏が、2022年8月、情報番組「スッキリ」で、家庭連合について

 「霊感商法をやってきた反社会的集団だと警察庁も認めている」

と述べた。

家庭連合が、「警察庁がそんなこと認めてない。事実無根だ」と主張して、有田芳生氏を名誉毀損で訴えた。

その判決が昨日出た。棄却。名誉毀損不成立。

荒谷謙介裁判長は判決理由で、この発言は「国会議員は今後、教団との関係を持たないと断言すべきだという意見の一部」にすぎず、「一般の視聴者の印象に残るものと認めがたい」と指摘。

有田氏の発言した内容が真実かどうかの判断は示さず、名誉毀損には当たらないと結論付けた。

より具体的には,社会的評価が低下していない理由として、裁判所は以下の5つを述べた:

1 国会議員が家庭連合と関係を持たないと断言すべきという発言の1部分
2 わずか8秒
3 有田はこの発言を強調していない
4 字幕は表示されていない
5 その後、本発言がこの放送で取り上げられていない
(6 だから、独立して印象に残らない)

んー、これを敷衍すると、「目立たずに名誉毀損すればいい」ってことになっちゃいそうです、、

なお、判決書10頁5-7行目で、裁判長は

「本件発言は、一般の視聴者に対し、国会議員は今後原告と一切関係を持たないことを断言すべきであるという被告有田の意見の一部として発せられたとの印象を与えるにとどまり、これを超えて、警察庁が原告は霊感商法をやってきた反社会的集団であると認定している事実が存在するとの印象を与えるものとはいえない」

と判示している。

これはひどい。

 有田の意見の一部として発せられたとの印象を与えるにとどまり、

というところが。日本語として最も意味不明に感じました。

「一部として発せられた」のは事実であって、それが「印象」だというのは、詭弁というか議論のすり替えというか、、 

控訴審に期待しましょう。

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