山梨のワインのブログ

山梨の酒屋の4代目が、ワインを中心に、山梨の酒を、愛を込めて書き溜めます。

ベルギービール試飲3

2006-10-07 18:53:15 | 新商品インプレッション
アダムとイブ

思い出深いビールです。
約10年前、たくさん借金をして、新しい店をオープンさせた時。
以前の店より、5倍ほど売り場が大きく、当然商品数も多くなりました。
そこで商品知識もないまま、直感でたくさんの商品を仕入れたのでした。
今思い返すと、大変恐ろしい・・・。

その直感商品の1つがこのアダムとイブでした。
仕入れた理由はラベルの奇抜さでした。
一般に売り出されている商品のラベルに、男女の裸体が・・・。

あの当時は若かった。芸術も判らず、ベルギービールの味も知らず。
ぼちぼち売れました。買ったのは、ほとんど僕の友達ですが。
売り切ってからは、仕入れませんでした。
売れるとは思えない味でした。
あの頃は、日本のビールが一番うまいと思っていました。

そして10年後。
世界のいろいろなビールを売ろうと決まり、部下に候補を幾つか探してきてもらいました。その中になつかしいアダムとイブが入っていました。
久しぶりに飲みました。
昔とは違った味です。
多分味は変わっていないと思いますが、僕の舌が変わりました。
いろいろなビールを飲んで、ベルギービールも知って、このビールを飲んでも納得です。
褐色の色、アルコールは8,5度ととても高い。
そしてコリアンダーとオレンジの香り。
アルコールが高いのでシャープな味わい。ただしぐびぐびは飲めません。

ここまで読むと、アレ、と思われる方もいるでしょう。
ベルギービールで最も売れている「ヒューガルテンホワイト」のことではないかと。
そうです。ヒューガルテンと同じ醸造所なのです。2つのビールとも、コリアンダーとオレンジの皮が使われています。大きく違うのは、色合いとアルコール度数。
ヒューガルテンホワイトは名前の通り、淡い黄金色。アルコールは約5度。一方、アダムとイブは、黒ビールにも似た味わい、アルコールはおおよそ倍。日本人にはヒューガルテンのほうが馴染みやすいです。でも、慣れるとアダムとイブはくせになります。別名、禁断の果実。その名の通りでした。

実はこのビールは売っていません。今回のラインナップからは落ちました。
ヒューガルテンホワイトともう1つ、ヒューガルテングランクリュとダブるのです。価格もその2つと比べ、100円ほど高い。
でもいつの日か、また売りたいビールです。

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