豊臣秀吉が、我が子に与えたおもちゃ

2013-08-19 22:46:32 | うんちく・小ネタ
「玩具船 豊臣棄丸所用」 (がんぐせん とよとみすてまるしょよう)




京都国立博物館で開催中の 「特別展観 遊び」 を見てきました。

今回、特に見たかったのは、豊臣秀吉が我が子・棄丸(すてまる)のために作製させた、おもちゃの船です。
おもちゃといっても、長さ202.3cm、幅99.2cm、高さ107.0cmというスケールです。
このスケールで、金を塗った船体は、まさに秀吉のイメージにピッタリな感じがします。


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棄丸は、秀吉が53歳で淀殿との間に授かった待望の男子でした。
このおもちゃの船は、棄丸を乗せて子守用をするために作らせたものです。
そして、子供が喜ぶように特殊な工夫がされていました。

この写真では見えませんが、中央の船体に隠れた部分にひとつ大きな車輪があり、実は五輪車なのです。
下の写真は、その基本構造の復元模型です。


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中央の車輪の軸が、わざと車輪の真ん中からずらした位置に通っています。
そのため、この車輪が回転すると船が上下して、まるで波に揺れているような動きをする設計だった。
そうした可能性が考えられています。

ただし、このおもちゃの船は、傷みが少なく、使われた形跡があまり見られません。
棄丸が病弱で、わずか数え年3歳で没したことを考えると、せつなくなってきます。

このおもちゃの船は、「玩具船 豊臣棄丸所用」として、棄丸の葬儀が行われた妙心寺(京都市右京区)に所蔵され、現在に至っています。



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