すがわらの工房日記

東北は岩手県一関市の呉服屋。こつこつと友禅染めをしています。

黒留袖の最後の仕上げ。

2015-03-21 11:14:44 | 友禅
皆さんこんにちは!

こちら岩手県一関市の京呉服すがわらでございます。

東北にある小さな呉服屋ですが、店内の工房らくぜん

きもの屋がきものを作っているんですよー!


さあさあ、
引き裾の黒留袖、箔仕上げも済みまして

仕上げ作業もいよいよ終盤ですよ。


模様の要所要所を拾って金線を引いてあげます。

ここは鶴の名前の由来にもなっている丹頂の部分ですね
ゆっくり丁寧に金線を引きますよ。



金線を引き終えたら
最後の仕上げ、梅のしべを引きます。


しゅっ、しゅっ、としべを引いて、

金泥で匂いを入れていきます。

てん、てん、てん、と


ふー、これでお化粧は完了です。


最後に落款を押します
緊張しますね、どきどき、

うりゃ


ババーン!

これでもう逃げも隠れも出来ない、私の作品です。

長かったけどようやくここまで漕ぎ着けました。
私の仕事はここまで、次は仕立て屋さんです。

どうか綺麗に仕上がって来ますように!


京呉服すがわらは東北の小さな呉服屋ですが、

着物が好きな方、楽しくお召しになりたい方のお手伝いを一生懸命しています。

気になった方はどうぞお気軽にお問合せ下さいねー。


★ 京呉服すがわら ホームページ ★

http://kimono-sugawara.jp/

 
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引き裾の黒留袖に砂子を蒔くよー

2015-03-18 13:04:44 | 友禅
皆さんこんにちは!

こちら岩手県一関市の京呉服すがわらでございます

東北にある小さな呉服屋ですが、店内の工房らくぜん

きもの屋がきものを作っているんですよー!


さて、前回の続きですよー!

金と銀のベタ箔を押し終えたので、次は砂子を蒔こうと思います。

砂子っていうのは、箔を粉々に砕いたものです。

ほら、笹の葉さーらさらー♪の『たなばたさま』の歌で
お星さまきらきら きんぎん砂子(すなご)♪と歌われているのが
まさにこれ『砂子』ですよ


砂子は普通、程よい密度で霞の様に蒔く事が多いですが
今回はちょっと変わった蒔き方をしてみます。

まず、波のラインの中から選んで糊を塗って、
ポイントに箔を吹き付けます。


「ふっ、ふっ、」っと吹き付けます


すると端が砕けたような箔が乗りますね



少し大きめの砂子で中間を埋めますよ



この砂子を蒔いている道具ですが、これは竹の筒に金網を張ったもので、
この網の目の大きさで蒔かれる砂子の大きさも変わります。

ほら、こんな感じ。右に行くほど細かい網目です。

用途に合わせて使い分けますが、呼び名はそのまま「筒」です。


ある程度の大きさの箔を押したら
一番目の細かい筒で砂子を蒔きます。


しょりしょりと箔を砕きながら
どんどん蒔きます。

とにかく密に蒔きます。

この蒔き方、実は普通にベタで押すより箔を消費します。
倍どころじゃないです、もの凄く消費します。
でもそうしないとどうしても得られない効果があるんです。


蒔いたら生地を箔ばさみで叩いて砂子を集めます。

バンバン、バンバン、糊の上にまんべんなく砂子を行き渡らせます。

同時に舞い散る箔が私を包み込みます。
品物と共にきらきらになる私、
この仕事をするとしばらくの間は鼻をかんでもキラキラしてる。
床屋さんに行っても
「お客さん、何かきらきらしてますね。」って言われるくらいキラキラになる私。

「だからどうなのだ」と言われても「そうなのだ」としか言えないのですが。


蒔き終わるとこんな感じ


糊が乾いたら優しく箔を払って出来上がりです。


ほら、ただ蒔くのと違って見え方が面白いでしょ。

他にも色々な蒔き方があるんですよー!


あともうちょっとだけ続きますよ~
次回に続く



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引き裾の黒留袖に金箔仕上げ

2015-03-15 11:12:30 | 友禅
皆さんこんにちは!

こちら岩手県一関市の京呉服すがわらでございます。

東北にある小さな呉服屋ですが、店内の工房らくぜん

きもの屋がきものを作っているんですよー!


さてさて、
引き裾の黒留袖が染め上がって来ました。
立派な品物ですし、お舞台での着用ですから、
ここはひとつ仕上げのお化粧を施したいと思います。

まずは金箔を押しますが、

本日はせっかくなので箔押しの工程を少しご紹介いたします。
普通の方はあまりご覧になる機会が無いんじゃないでしょうか
自分の吐息にも気を遣う工程なんですよー


道具はこちら

箔ばさみとバレン、天花粉の「汗知らず」等です

そして肝心の箔は

ババーン!!
本金箔ですよ!

普通、箔はお互いが張付かない様に一枚づつ和紙に挟まれています。
中でも本金箔は非常に薄く柔らかくデリケートなので、もちろん素手では触れません。
箔ばさみを上手に使って、扱いには細心の注意を払います。

まずは箔の上の和紙をそぉー、と取ります。


この和紙は油をとても良く吸う良質な和紙でして、
よく「舞妓さんの脂取り紙」なんかに使われているのと同じ様な紙です。


そこでバレンに油を含ませて、

ゴシゴシ、ゴシゴシ、

その和紙に軽く刷り込みます。



そしたらその和紙を 再び箔の上にそぉー、っと乗せます。


乗せたら箔ばさみで軽く撫でてやると、


ほら、

ぺら~

箔が和紙に張り付いて扱いやすくなりました。

これを何枚か作りまして
貼る面積の大小に合わせて箔を切ったりして
これで箔押しの準備完了です。


そこでいよいよ、箔を押したい箇所に糊を塗って、
そっと箔を置きます。


生地に塗っている糊の方が和紙の油より接着力というか保持力が強いので
生地上には和紙から離れた箔のみが残ります。


糊が乾いたら余分な箔を払って
出来上がり。



同じようにして波頭をいくつか拾って銀箔を押してありますよ。


ようやく形になってきましたが、まだもう少し手を入れてあげましょう。

という訳で続きは次回



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「にっぽんの図鑑」のご紹介

2015-03-08 15:59:00 | その他
皆さんこんにちは!

こちら岩手県一関市の京呉服すがわらでございます。

東北にある小さな呉服屋ですが、店内の工房らくぜんで

きもの屋がきものを作っているんですよー!


と、さてさて

今回はきもの関係ないんですけど、

2月の25日に小学館から発売された「にっぽんの図鑑」のご紹介です。



記事の紹介に時差が生じて少々新鮮味に欠けますが大丈夫です、まだまだ新鮮そのもの。


何を隠そうこの図鑑の挿絵には
私が度々お世話になっている kucci様が大活躍しているんですよー!

せっかくなので地元の本屋さんに予約注文しまして
レジのお姉さんにもしっかり宣伝しておきました。

届いたのは一日遅れの26日、流石田舎!

じゃーん!!


すげぇ、
天下の小学館のしかも図鑑に、知り合いが活躍しているなんて・・・!
オラ、ドキドキワクワクする!

その場にいた息子が表紙めくってすぐ「妖怪ウオッチ折り紙」を発見


暫し図鑑そっちのけ
妖怪ウオッチ恐るべし!


しかし何とも
この図鑑はけっこう内容が多彩にバランス良くまとまっていて
和菓子や料理に童謡わらべ歌、礼儀作法や歴史まで網羅しています。
私の大好きな土偶などもこの通り



ところで最近の研究では日本の縄文時代は実は非常に古く長く安定した高度な文化で、
世界の四大文明に新たに「縄文文明」を加えられるんじゃないかとの考察もあるそうで
それはさておき

ほらこのページ

kucciさんの立体イラストですよー!

これ、去年の12月の個展会場で本物を拝見しまして
本当に良く作り込まれていて感激したんですけど、
そうか、こんな風に掲載されるんですねー!
平面イラストも描いてるじゃないですかー!

他にも沢山kucciさんによるイラスト作品が、色々なイラストレーターの方々の作品が沢山載ってます。


うちのちびどもも楽しそうに読んでますよ


この図鑑、私の周りでは非常に評判が良くてですね
大人の皆さんも欲しがるほどでした。

機会があったらお手にとって見てみてくださいねー!





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