すがわらの工房日記

東北は岩手県一関市の呉服屋。こつこつと友禅染めをしています。

引き裾の黒留袖に金箔仕上げ

2015-03-15 11:12:30 | 友禅
皆さんこんにちは!

こちら岩手県一関市の京呉服すがわらでございます。

東北にある小さな呉服屋ですが、店内の工房らくぜん

きもの屋がきものを作っているんですよー!


さてさて、
引き裾の黒留袖が染め上がって来ました。
立派な品物ですし、お舞台での着用ですから、
ここはひとつ仕上げのお化粧を施したいと思います。

まずは金箔を押しますが、

本日はせっかくなので箔押しの工程を少しご紹介いたします。
普通の方はあまりご覧になる機会が無いんじゃないでしょうか
自分の吐息にも気を遣う工程なんですよー


道具はこちら

箔ばさみとバレン、天花粉の「汗知らず」等です

そして肝心の箔は

ババーン!!
本金箔ですよ!

普通、箔はお互いが張付かない様に一枚づつ和紙に挟まれています。
中でも本金箔は非常に薄く柔らかくデリケートなので、もちろん素手では触れません。
箔ばさみを上手に使って、扱いには細心の注意を払います。

まずは箔の上の和紙をそぉー、と取ります。


この和紙は油をとても良く吸う良質な和紙でして、
よく「舞妓さんの脂取り紙」なんかに使われているのと同じ様な紙です。


そこでバレンに油を含ませて、

ゴシゴシ、ゴシゴシ、

その和紙に軽く刷り込みます。



そしたらその和紙を 再び箔の上にそぉー、っと乗せます。


乗せたら箔ばさみで軽く撫でてやると、


ほら、

ぺら~

箔が和紙に張り付いて扱いやすくなりました。

これを何枚か作りまして
貼る面積の大小に合わせて箔を切ったりして
これで箔押しの準備完了です。


そこでいよいよ、箔を押したい箇所に糊を塗って、
そっと箔を置きます。


生地に塗っている糊の方が和紙の油より接着力というか保持力が強いので
生地上には和紙から離れた箔のみが残ります。


糊が乾いたら余分な箔を払って
出来上がり。



同じようにして波頭をいくつか拾って銀箔を押してありますよ。


ようやく形になってきましたが、まだもう少し手を入れてあげましょう。

という訳で続きは次回



京呉服すがわらは東北の小さな呉服屋ですが、

着物が好きな方、楽しくお召しになりたい方のお手伝いを一生懸命しています。

気になった方はどうぞお気軽にお問合せ下さいねー。


★ 京呉服すがわら ホームページ ★

http://kimono-sugawara.jp/
コメント (2)
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