すがわらの工房日記

東北は岩手県一関市の呉服屋。こつこつと友禅染めをしています。

西陣織の帯、織り始め~

2015-01-26 17:03:33 | 手機
皆さんこんにちは

こちら岩手県一関市の京呉服すがわらでございます。
東北にある小さな呉服屋ですが、店内の工房らくぜんで

きもの屋がきものを染めたり帯織ったりしてるんですよー!


さてさて
準備万端、いよいよ帯を織り始めました

この織機、織手は常に帯の裏面を見ながら織っていくんです。

これちょうど「らくぜん」の名前を入れたところです。
帯の裏側が上になってますね

そうする事で、要所要所で糸の始末とかが容易になるんですが、
表も確認しないといけないですよね、そこで

以前にも何度かご紹介しましたが、
こんな感じになってます。

赤い矢印が分りますか?
これ鏡です。

蛍光灯もあるのがわかるでしょうか?
これで織上がりを確認できるんですよ

ほら、こんな感じ、鏡に映ってます。
「工房らくぜん」が綺麗に織れてますね。


という訳で模様に入ります。


がっちゃん、とんとん、がっちゃん、とんとん、と
ちょっとずつ緯糸を通した分だけ出来ていくんです。




こんな風に店先で織っていますよ

がっちゃん、とんとん、がっちゃん、とんとん、


まあ うちの会長も寄る年波には逆らわず、ゆっくり無理せず進めるそうなので
近くをお通りの方は店に寄ってみてください
織ってるところが見られるかもしれないですよー



京呉服すがわらではいつでも
多数の逸品を取り揃えておりますが

ご要望があれば
白生地からの御誂えも致します。
帯も織ります!

気になった方、欲しいものがなかなか無いという方
無いものは作ります。お気軽にご相談ください

一度遊びにいらしてみて下さいねー!


★ 京呉服すがわら ホームページ ★

http://kimono-sugawara.jp/




ところで
全然関係無いんですけど、

私、この間パン焼いてみたんですよ。
前にも焼いたことあったんですけど

今回はフランスパン!
やってみると案外出来るもんで

上手に焼けたので見てください、ほら。

美味しかった!


・・・パン屋になろうかな?




コメント (4)
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錦織の手機で帯を織る準備~

2015-01-23 18:06:55 | 手機
皆さーん こんにちは!

こちら岩手県一関市の京呉服すがわらでございますよ!
北国の小さな呉服屋ですが、店内の工房らくぜんで
きもの屋がきものを作っているんですよー!

さてさて、
ご存じ工房らくぜんでは機織りもやっておりまして
去年は銀座での展覧会の準備等で織手がお休みしていたんですが
どうやら再開する様子です。


まずは織る図案が決まったら
糸選びです。
沢山の色糸、絹糸独特の光沢が綺麗ですね。




この工程は非常に重要な工程なんですが、うちではいつでも
あれが良い、いやこちらの色の方が~と喧々諤々
皆納得し、ようやく配色が決まったら
糸巻きですよ

この糸巻き器
鋳物の土台と歯車、ハンドルが単純だけど見事な機能美です、イカス!
私、こういう機械大好きでなんですよ!

写真右側の糸車から糸巻きに糸を巻き付けます。

一本ずつ巻いたり三本ずつ巻いたり、織る模様等に合わせて糸の本数を変えたりしながら
一色ずつ巻いていきます。



ぐーるぐーる、ぐーるぐーる

巻き上がった糸を番号をふって並べます。
これは、そうね、パレットみたいなもんなのかな?

綺麗ですね。
これらを一つ一つ「杼」(ひ)と呼ばれるシャトルにはめて緯糸を通すんですよ。

さあ、準備が整ったようですね
いよいよ織り始めますが、続きは次回~


京呉服すがわらではいつでも
多数の逸品を取り揃えておりますが

ご要望があれば
白生地からの御誂えも致します。
帯も織ります!

気になった方、欲しいものがなかなか無いという方
無いものは作ります。お気軽にご相談ください

一度遊びにいらしてみて下さいねー!


京呉服すがわら ホームページ

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手機が復活!

2011-12-07 18:00:20 | 手機

皆さんこんにちは

こちら岩手県一関市の呉服店 京呉服すがわら でございます

東北の小さな呉服屋ですが自前の「工房らくぜん」で

きもの屋がきものをせっせと作っているんですよー!

 

さて、こちら京呉服すがわらには手機があります

西陣織の帯を織るための巨大な織機でして

 以前にも何度かご紹介していましたが、

この織機が 実はあの地震以来止まったままだったのでした。

そりゃもう、とんでもない揺れ方だったものでしたから

あちこち狂っちゃって壊れて織れないでいたんです。

店先で巨大なオブジェにしておく訳にもいかず、かといってまた地震が来たら困るしで何となくそのままにしておいたんですけど、決心しまして

 

それを先日、ようやく修理しました!

織機の専門の職人さんがわざわざ京都から来て下さり

Dsc_0094
上の方に人が居るのがわかるでしょうか?

機によじ登ってあれこれ直しています

くり抜いてさらに高くしてある天井すれすれに体をねじ込んで大変そうです

ホントに大変なんです、あの上。

 

Dsc_0095

グリーンの機械がジャガードと呼ばれる織機の心臓部なんですが

経糸を持ち上げるための針が縦横にぎっしり入っています

それらも全部点検します。

複雑そうに見えますが、原理は案外単純な原始的機械です。

 

ほかにも色んな部分の微調整をして数日掛りでようやく直しました。これで大丈夫。

 

震災当日まで織っていて途中だった帯を織りあげ、

経糸を白から黒に変えました。

写真撮り忘れちゃったんですけど、2千4百本ある糸を

全て手で結んで張り替えるんですよ!

これで織機は大丈夫、完全復活しました!!

 

そんなこんなで新作図案(紋図)と型を新たにおこし、用意して、

色を決めて、いよいよ糸巻開始です

Dsc_0134

「ようやく手機を動かせる。」気持ちをはやらせつつ

慎重に糸を選びます。

織り手は我社の会長、私の親父ですが

あーでもない、こーでもない、織り始めはいつも大騒ぎです 。

目出度く織機が動きだし、ガッシャン、とんとん、と以前のようにリズミカルで賑やかな音が店に響きだしました。

かっこいい帯が出来そうですよ

 

その横で黙々と友禅する私、地味な作業

Dsc_0136

黙々、ちまちま、ちまちまちまちま・・・無音です。

 

工房らくぜん では全て一点一点丁寧に手作業で作っています。

欲しいものがあったらいつでも何でも言って下さいね

きもの屋が精魂込めてきものを作っていますよー!

 

 

 

 

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西陣袋帯織り上がりましたよー

2010-10-20 22:53:49 | 手機

こんにちは

振り袖は順調に進んでいますよ

  

とこで本日はお久方

会長が織っていた帯

「茶屋辻紋」の袋帯がようやく織り上がりましたよー!

私用で多忙な会長は毎日は機に座れません

今回のは特に注文でもないので、のんびり織ったようです

とは言え、間を置くと経糸の張りや何やらが狂うので調整も面倒で

それなりに大変だったようです。

何はともあれ、

織り上がった帯を織機から巻き取りますよー

まず織り終わりのトコ、スジが見えますか?

Pa200018

アップで見るとほら

Pa200019

緯糸の間がちょっと開いてるんです

ここにムカデを通します

  

ムカデというのはこんなの

Pa200034_2

足がいっぱいあるからムカデなんでしょうね多分

左の針金もセットですよ

これをですね

こんな風に、

Pa200020

下から入れて、

Pa200022

針金を通すと、ほら、止まります。

良く出来てんなー

  

そしたらほら、

もう鋏を入れても大丈夫。

Pa200023

じょきり、

Pa200024

じょきじょきじょき

  

じょきーん!、ほら切れた

切れちゃった

Pa200025

  

あとは巻き取ります

Pa200027

出来はどうかな

Pa200028

おお、良さそうですな

良し、善し、

全部巻き取るとほらムカデさんたちがいた

Pa200030

ここにさっきのムカデを繋げます。

これで経糸が繋がって、次のをまた織るわけですよ

いやー、ホント良く出来てるなー!

  

さて

肝心の帯ですが、この通り

Pa200031_2

うん、

Pa200032

あら、きれい

  

いいじゃない!

Pa200033

イカスじゃない!!

  

これはこれから裏をつけて仕立てます。仕上がりが楽しみですね

  

  

こちら京呉服すがわらは岩手県一関市の呉服店

工房名は

「工房らくぜん」ですよ

工房では色々なものを作っています

だからみんな何でも注文すればイイと思うよ。

僕はそう思うな

  

  

   

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織り始めました(茶屋辻紋)

2010-08-25 23:06:08 | 手機

さてさて、

先日 総引き箔の帯を織り上げたばかりのうちの会長ですが

早速次の帯に取り掛かりました

今度は「茶屋辻紋柄」を選んだようです。

P8230047

この設計図、前回も見た方は随分鮮やかだなぁ、と思われたと思いますが、

これは、便宜上こういう色を配しているだけで

つまり、織る人が「あ、ここで色糸変えなきゃな、」って解るようにあえてビビットに描いてあったりします。色糸もそのつど選びますし。

だから実際に作る製品とは違います。

Dsc_0180

Dsc_0441

前回のですが、参考に

  

そして1本しか織りません。

是非にと注文受ければ別ですけど

うちでは量産する意味が無いのでしません。

  

なんて言うか、状況や注文で糸種や色糸を染めたり作ったり、そのつど変えるので

どっちみち同じものは織れないです。

まあ何て言うか、そここそが手機の良い所だと思いますし、同じ物を量産出来ないからこそ、出来る事は何でも出来るのですよー と言う事です。

注文で袋帯一本から織ってるのは、ひょっとしたら全国でうちだけかもしれません。

  

  

さて、今回作る茶屋辻ですが、

これも歴史の有る柄で、一時期は大奥の制服にまでなった由緒正しい文様です。

 

元々派手さの無い、楚々とした柄なので配色は気を配らないといけません

色決めには何しろ総動員ですよ。

Dsc_0447

後ろに色糸がいっぱい見えますね

今回 実際に使う糸は6色か7色ですが

気分で「効かせ」の色を入れたりしますから

実はこれでも足りないくらいで、無い色は染めて作ります。

  

ほら、「あーでもない」「こーでもない」

Dsc_0446

なかなか決まんない、、

  

Dsc_0448

「よし、どうだ、この配色でいくぞ。」

  

決まりましたかそうですか。

Dsc_0455

色が決まればこうやって糸巻きをします。

Dsc_0456_2

巻いたらこうやって番号をふって整然と並べますよ。間違えたら大変。

  

私の友禅もそうですが、色決めは悩みますねー

とにかく悩む。

悩む。

一度取り掛かり、出来上がればそれは私の手を離れて大道をまかり通る作品ですから

一つも間違ってはいけません。

  

ましてや何より着る物、身に着けるものなので、、、着た人が映えないといけないし。

とにかく何よりそこを考えます。

つまるところ、好い物を作らなくてはお客さんにも材料に失礼です。当たり前と思います

それが私の仕事で使命。

「この世に出回る物が、全てが最良品であれば良いのに…」 せめて性能に関しては保障された世界なら…だったら買い物も楽になるんだけどなー。

と、町のスーパーで刺身や旬の秋刀魚物色しながら思うのです。

よし、だから俺頑張る!一所懸命頑張る! 本気で思っているのです。

  

…別に今日、広告で秋刀魚が98円だって言うから喜び勇んで行ったらもう売り切れだったからって言ってるんでは無いです。 そうだ、あのブドウはきっと酸っぱかったに違いない。 

  

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手機のつづき

2010-08-05 16:00:36 | 手機

こんにちは

ここは岩手県一関市のきもの屋

京呉服すがわらです。

  

呉服屋ですが、同時に工房もかかえていて、一つ一つ、オリジナルの一点物を製作しています。

工房の名前は「工房らくぜん」です

田舎で細々やっておりますが、これを機会に皆さんに是非知って頂きたくてブログを始めてみました。

どうぞ宜しくお願いいたします。

 

 

と、いうことで前回の続きです

ウィキペディアに織機の記事が出ていますね。

なるほど、我家にあるのは水平織機に分類されるようです。

そこで西陣織の説明もなされています。

便利だなーインターネット!

ここまで書かれているのなら細かい説明は不要でしょうが、

ここを開いたのも何かの縁かもしれませんよ、せっかくだか見て行ってください

さて

Dsc_0180

これが帯の図案で、設計図です。

勿論オリジナル。手描きでございますよ

図案(デザイン)を型に起こしてもらいました

図案には細かい方眼が引かれていて、何番目に経糸のどれとどれを持ち上げて、緯にどの色糸を通すのかが分かるようになっているんです。

この様な西陣織の草稿が伊藤若冲鳥獣花木図屏風などの参考になったと云われていますね。

 

 

その昔、この織機は上に人が乗っていて、織り手の人がこの設計図を見ながら指示を出して、上の人が経糸を上げたり下げたりしていたそうです。

それで複雑な模様が織り込めるのですが、よっぽど息が合っていないと難しかったと思います。さぞ大変だった事でしょう。

 

現代では人の変わりにジャガードが乗っかっています。

こんな感じ↓

Dsc_0182

だいたい二階くらいの高さがありますから

店の天井をくり貫いて入れたのですよ。

なので故障すると大変です。狭いし暑いし、腰にも悪いです

そしてジャガードと言えば型紙ですね

これです↓

P7270048

短冊状に切った ボール紙で出来ています一枚で足一ふみ、打ち込み一回分です。

それらを糸で繋ぎ合わせてあります

P7270050

このようにパンチで穴が開けてありますね、これを読み取ります

穴が開いているトコ、開いてないトコ、onとoffですね、つまりコンピューターの先駆けですよ!イカス!!

 

 

意外に簡単な仕掛けですけど、これによってものすごく複雑で手の込んだ模様を織れるようになったのです。

  

ですが、簡単な分だけ量が膨大になります

そらもう、大変な量です。

 

柄が複雑になればなるほど型紙が増えるので、現場は型紙なんだか織機なんだかわからなくなるほどです。

なので、今では型の内容はフロッピーに入れています。

ウチなんかは手織りで一本ずつしか作らないのでこれで充分なのです

 

 

今時は自動で動く機械動力の力織機で量産するのが当たり前なのでフロッピーなんか普通使いませんね。

ウチみたいにフロッピー使ってまで手織りという所は本当に少ないです。

 

大体にして、上の人に口で指示を出さなくて良くなっただけで、基本的には原始的な手織りなんです。しかも上の人(ジャガード)はけっこう簡単にへそを曲げますからね、機械のくせに。その度に織機の上によじ登って細かい調整をしないといけません。

日々の気温や湿度で絹糸も機械もコンディションは変わります。人間もそうなんですから当たり前です。

だからといって、上がった品物は織り始めから終わりまでしっかりと同じ条件の糸の張りや風合いで仕上げないといけませんね、当たり前ですが。

経糸と緯糸の絶妙な兼ね合い、折り合い、

職人は人間以外ものとも話せないと勤まりません。

 

 

織機も道具も旧式ですが、その分糸一本一本吟味しながら織れますし、気持ちもこもります

実際、手織りの西陣織など今時そうそうお目にかかれないです

お客様にも大変喜んでいただいております。

今織ってる帯も出来上がったら紹介しますね。

 

 

 

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手機のおはなし

2010-08-03 15:06:50 | 手機

こんにちは
先日手機の写真を載せたので、せっかくだから手機の説明をしますよ
まずは横に張られている白い無数の糸

Photo

これが経(たて)糸。2400本あります。
そんで、上から降りてる無数の紐?みたいのに小さい輪っかがあって、それぞれに経糸が通っています

P7250039

ほらほら、こんな風に全部通っています。うひー
これらを選んで持ち上げる事で緯(よこ)糸を通して模様を織っていくわけです。

P7220004

P7230026

今見えているのは帯の裏面です
織っている人はこのような状態で織っていきます
で、表を見たいときはどうするかというと…

P7230027

わかりますか?
下に鏡が置いてあります
これで織り具合や傷などをチェックしながら進めていきますよ
小さな傷などは虫眼鏡で調べます

P7250034

そして出来た分はこのように巻き込まれれていきます。
一般的な袋帯は大体4m半くらいですか、大変な作業です
緯糸を通した分ずつ模様が織り込まれ、まさに手間を重ねて作られています

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更新してみるよ

2010-08-03 14:52:21 | 手機

練習かたがた早速更新してみますよ
まずは機織り機
職人は手機(てばた)と呼びます。

P7220006

この巨大な織機は店に入ってすぐ、本当に店先に置いてあります。
実際に使用していて、織っているのは店の会長です。

P72200022

実際に京都の機屋で使用していた物で、職人さんが機を畳むと言うので譲り受けました
バラバラにしてこの店に運んで組み立てたのが14年ぐらい前です
会長は直接職人さんに手解きを受けてそれはそれは苦労して身に付けました。今では免許皆伝です。

手織りのものは機械織りと違い柔らかく、手触りや、しめた感じがとても良いのです。
職人はよくそれを”ぬっくら感”と呼びます。
ぬっくら…うん、確かにそんな感じ。

確かに時間はかかるけど、手仕事の物はやっぱり良いですよ


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