こんにちは
こちら岩手県一関市の呉服店「京呉服すがわら」でございます。
工房名は「工房らくぜん」
きもの屋がきものを作っていますよー
というわけで
現在 振袖製作真っ最中な訳ですが、
今回作られるお客様は
お婆様から帯を譲られたという事で
こちらがその帯
おお、立派な佐賀錦の帯ですね
かれこれ40年くらい前の物だそうですからすごい値打ち物です
うわーすごい立派!
縦涌紋(たてわくもん)に蝶と桐。何て完璧な図案
縦涌紋は まるで湧き上がる湯気のように生命力が立ち昇る様子を図案化しています
蝶や桐に至っては今更言うまでも無いです
こりゃ、振袖にもってこいですね。
しかも御祖母さんから渡されて、こんなの締めたら絶対幸せになるわ!
そこで、
是非その帯を締めたい、その帯に合わせた振袖が欲しいというご要望。
了解しました!
そんじゃせっかくなので、この帯からそのまま模様を頂いて
トータルコーディネートにしましょうね、って事になりました。
工房らくぜんでは何時でも何でもお誂えのご注文にお応えしています
その都度そのお客様の意向合わせて全て一からデザイン致します
さて、基本的な製作の流れですが、
まずご予算を決めて頂きます。
予算によって出来る加工が変わってきますが、
決めて頂いた予算の中で最大限の仕事をさせて頂きます。
次は生地と地色を決めていただいて…
今回は膽礬色(たんばいろ)に決定。
銅鉱石の色です。振袖らしいビビットな色ですね。
その上でようやくデザインです。
私の場合、こんな風に着た姿を紙に描きながら
お客さんと相談します。
ほら、こうするとお客さんも分かりやすいんです
「大胆なカッコいい雰囲気で」うんうん、イメージ入力完了!
描いたり消したりしながら、よし決定。
さて
こっからは私一人の仕事ですね、展開図を描いて身長に合わせながら大体の柄置きを確認します
そしていよいよ図案起こしです。
着物の原寸大で描いていきます
とにかくイメージをまず合わせないといけませんね
勢いでどんどん描きます
大体決まったら今度はきっちと線を決めます
ちまちま
かきかきちまちま…
そうこうしている間に絵羽の方も上がってきました。
仕事がしやすくなるようにアイロンをかけて生地を整えます
よし、準備完了!
ジャーン!
これが絵羽。下絵羽とも言います
着る方の寸法に仮縫いしてあります。これに柄を写していくんです
こうすれば縫い目の柄の合口がきっちり合うわけです。
生地に織り込まれているのはこんな地紋
おお、すごい豪華!
ほら、桐の模様もあるでしょ、柄に合ってて完璧ですね。
そして図案も完成!
蝶と桐だけでは画面がもたないので
作業は増えるけど勝手に藤を描き込みました。よし。
この勢いで桜の花びらで柄をつなごう、うん、うん、豪華になった、よし。
藤は藤娘で知られますが良縁、桜は美しさ誠実さを表します。日本の文様です。
橘も描こうとしたんですが、印象が変わってしまったら一大事なのでやめました
図案だけは絶対にきちんと出来上がっていないと品物が出来上がりませんから
一部の迷いも許されません。
この感じで両袖、胸肩、全て描き上げました。
よし、準備完了!覚悟完了!
さあ、いよいよ作業開始です。
糸目の糊置きに入りますよー!
がんばるぞう!