すがわらの工房日記

東北は岩手県一関市の呉服屋。こつこつと友禅染めをしています。

振り袖友禅の中間報告ですよー

2010-10-27 20:12:07 | 友禅

こんにちは

何だか急に寒いですね

ついこの間まで猛暑に喘いでいたのに

本当に寒い。

我家では耐え切れず、ストーブ様にお出まし願いました。

Pa270017

おお、凛々しいお姿。赤く揺れる炎が頼もしいです

  

  

さて、先週から取り掛かっていた振り袖の友禅ですが、

Dsc_0155

着々と進行中です

  

両袖を挿し終り、あとは裾と

ここまでくればあと一息です

一応、中間報告ですよ

  

まずは右袖の前の部分から挿し始めました

Dsc_0134

様子を見ながらちょっとずつ…

模様も大きいし、色も鮮やかだから挿しながらすごくドキドキします

そう、これは振り袖!振り袖なのだ!!

  

Dsc_0139

全体の印象をつかむため

早めに黒を挿してみました

やっぱり黒は挿すまでにすごく勇気が要りますね

こうして見ると挿し色の黒には限界がありますね

もっとバチッとした黒が欲しいので

蒸した後もう一回挿すことにしました。

  

今度は左の前袖、

Dsc_0143

うひょー、大胆

薄い黄色の部分は箔を押す予定ですよ

  

左前袖、右後ろ袖です

Dsc_0142

  

裾と合わせて並べてみます

Dsc_0140

地色は丹波色ですから、だんだんイメージが明確になってきましたね

  

Dsc_0153

地紋がしっかりしているので

泣かないように細心の注意を払います

Dsc_0145

さあ、もう一息

頑張るぞう

  

  

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西陣袋帯織り上がりましたよー

2010-10-20 22:53:49 | 手機

こんにちは

振り袖は順調に進んでいますよ

  

とこで本日はお久方

会長が織っていた帯

「茶屋辻紋」の袋帯がようやく織り上がりましたよー!

私用で多忙な会長は毎日は機に座れません

今回のは特に注文でもないので、のんびり織ったようです

とは言え、間を置くと経糸の張りや何やらが狂うので調整も面倒で

それなりに大変だったようです。

何はともあれ、

織り上がった帯を織機から巻き取りますよー

まず織り終わりのトコ、スジが見えますか?

Pa200018

アップで見るとほら

Pa200019

緯糸の間がちょっと開いてるんです

ここにムカデを通します

  

ムカデというのはこんなの

Pa200034_2

足がいっぱいあるからムカデなんでしょうね多分

左の針金もセットですよ

これをですね

こんな風に、

Pa200020

下から入れて、

Pa200022

針金を通すと、ほら、止まります。

良く出来てんなー

  

そしたらほら、

もう鋏を入れても大丈夫。

Pa200023

じょきり、

Pa200024

じょきじょきじょき

  

じょきーん!、ほら切れた

切れちゃった

Pa200025

  

あとは巻き取ります

Pa200027

出来はどうかな

Pa200028

おお、良さそうですな

良し、善し、

全部巻き取るとほらムカデさんたちがいた

Pa200030

ここにさっきのムカデを繋げます。

これで経糸が繋がって、次のをまた織るわけですよ

いやー、ホント良く出来てるなー!

  

さて

肝心の帯ですが、この通り

Pa200031_2

うん、

Pa200032

あら、きれい

  

いいじゃない!

Pa200033

イカスじゃない!!

  

これはこれから裏をつけて仕立てます。仕上がりが楽しみですね

  

  

こちら京呉服すがわらは岩手県一関市の呉服店

工房名は

「工房らくぜん」ですよ

工房では色々なものを作っています

だからみんな何でも注文すればイイと思うよ。

僕はそう思うな

  

  

   

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振り袖、友禅開始

2010-10-19 23:24:42 | 友禅

「匠の祭典」はおかげ様

大盛況の大入りで、成功の内に無事終了しました

いらして下さった皆様、有難うございました。

関係者の皆様、お疲れ様でございました。

私におきましては、普段お会い出来ない、色んな方々の意見を聞けて今後の参考も得ました。

帰り道には道の駅かわさきで原木しいたけも買えたので

全てにおいて何より何より、良かったです。

  

さて

早速友禅の準備に取り掛かりましたよ

制作真っ最中の振り袖です

今回の振り袖は一つ一つの模様が大きいので

一色一色の役割と影響力が何しろ甚大です

きちんと計画計算を立てて進めないといけません

まずは色を作ります

Dsc_0129

  

とりあえず33色作りました

これだけあれば足りるよなぁ、と思いつつ、

図案におおまかな配色のメモを書き入れて

完成のイメージを具体的にしていきます

Dsc_0125

普段はやらないんですけど

今回はビビットな地色に、黒の挿し色も大きな面積で入れるので

全体の印象を捉えるために図案の黒の部分を鉛筆で塗りつぶしました

今回使うのは黒、真っ黒。

この黒のバランスが物を言います。すごく大事

仕上げには金箔も使います。

黒と金が今回の友禅の色の中心軸になりますね

Dsc_0124

  

さて、

始めましょうか

ドキドキ…

まずは帯有りきの今回の友禅

肝心の帯の色彩を確かめつつ、いよいよ開始です。

  

生地と染料のファーストコンタクト!

ぺちょり…

Dsc_0132

うひょー

大緊張です!

ここでこの生地の特性を探りつつ進めます

Dsc_0133

どうやらこの生地はかなり泣きやすい生地のようですね

地紋がしっかり入ってるので、その所為です

立派で豪華な地紋の生地は大体そうですけど

これは腰を据えてかからないといけないな

さあ、腕が鳴ります

がんばるぞうー!!

  

  

  

  

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実演

2010-10-16 22:43:33 | お店の紹介

こんにちは

岩手県は一関市の呉服店 京呉服すがわら でございます

本日「匠の祭典」に実演に行ってまいりました

 

今回そろった匠は

彫金、岩谷堂箪笥、秀衡塗り、建具師、指物師、手漉き和紙、刀剣研ぎ師と錚々たるメンバーで、

何で私が呼ばれたのかよく分かんないです

  

去年に劣らずものすごい人出で、会場は人の渦でしたね

私の隣がちょうど刀の研ぎ師で、シュコシュコ刀砥いでたんですけど

無理言って写真撮ってもらいました

  

友禅の実演をする私 

Pa160017

隣の刀研師に撮ってもらった貴重な一枚

日本ひろしといえど、刀の研ぎ師に写真撮ってもらう事はそう無いんじゃないでしょうか?

そんなふうに思う研ぎ澄まされた私の妄想

迷惑な角度でミーハーな私。

  

会場は色んな展示物があって楽しいですよ!

どうぞお近くの方は寄ってみて下さいね

明日17日もよろしくお願い申し上げます。

  

  

  

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糸目糊引き終わりました

2010-10-15 19:38:32 | 友禅

こんにちは

この間の連休に子供を連れて

東北ニュージーランド村に行きまして

天装戦隊ゴセイジャーショーを観てきたんですが、すごくエキサイトしました!

もちろん子供がですけど

それとテレビでは気づかなかったけど、ゴセイブルーのお腹がちょっとぽってりしてました。

何か、宇宙守られてるなって感じしました。よく分かんないけど、確かにした。

  

はい、そんなわけで

皆さんお元気ですか?

本日もフルスロットル!岩手のすがわらですよー

  

振り袖ですが、ようやく糸目も引き終わり、

先ほど地入れを終えたところです

  

このように絵羽を解いて分解しながら縫込みの中も糸目を引いていきます

Pa080025

  

私は横で小下図を描いています

図案のメモとか描きかけのイメージが散乱して訳分かんなくなっています

Pa140028

  

その間にも着々と進む糸目糊置き

Pa140029_2

この様に

作業が進めば進むほど絵羽がばらばらになっていきます

ミス出来ないので凄く緊張しています

Pa140032

襟のところは特に緊張しますね

  

終了したようです

Pa140031_2

うまく出来た。

思わずもれるニヤリとした安堵の笑み…

ようやく緊張から開放されました

  

今度はバラバラの生地を再び縫いつないで、反物の状態に戻します

こうやって合わせて…

Pa150035

ロックミシンでつなぎます

Pa150038

 

一本になったら

張って地入れです

Pa150043

うりゃ! ゴシゴシ~

Pa150042

うりゃうりゃ

Pa150040

返し刷毛も丁寧に入れて

Pa150045

地入れ出来上がり!

これで色挿しの準備が出来ました。がんばるぞう!!

  

  

ところで明日、明後日

16日と17日、千厩と言う所でイベントがありまして

名工・技能者の実演と作品展示、訓練生作品展示即売、くぎ打ち大会、大抽選会などが行われるけっこう大きなお祭りで、地元の名工や職人の方々が実演をなさったりするんです

その名も

  匠の祭典

~磨かれた技・今ここに輝いて~

うわ、サブタイトルかっこいい! ロマンチック!!

大尊敬する職人の方々に混じって、私も実演でお邪魔させて頂きます

若輩者の私などが本当に恥ずかしい限りなんですが、

どうぞお近くの方は遊びにいらしてみて下さいね~!

  

  

   

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鈴の附下げ

2010-10-07 13:51:02 | 友禅

こんにちは

振り袖は順調に進行中ですよ

今 糸目は主に妻の担当なので

私はその間に進めておいた附け下げを手掛けています。

Dsc_0099

  

図案は紐に鈴

紐は長くて結ぶとか繋ぐとか

鈴は「よくなる」で とっても嬉しい模様です

全体としては柄を小さく少なくし、すっきりした印象の附け下げです

  

それにしても

うーん、細かい…

Dsc_0102

  

何年か前、細かい図案を描いているときに

いちいち鉛筆を削るのが煩わしくなったもンですから

思い切って製図用の0.3ミリのシャープペンシルを買ってみたんですけど

これが大層具合が良いモンで、いくらでも細かく描けちゃうんですね

調子に乗ってちょこちょこ描くもんだから糸目を引くのも大変でした

模様もこまごま描いたので色数も多いです

生地も地紋が入ってて泣きやすいですね

意外と大変な友禅です

細かいよー

Dsc_0104

筆の毛先をきちんと揃えないとえらいことになります

以前は100%刷毛で友禅してたんですが、最近は半々ですね

どちらにも一長一短があるので品物で使い分けています

  

妻がすごく大きく大胆な模様の仕事している横で、ちまちまと微細な友禅をする私

0098

豪胆なばかりが男じゃない、繊細な心も何時だって忘れてはいけないのだ

  

Dsc_0106

出来た!

  

友禅が終わったら蒸して色をとめて

糊伏せですよ

Dsc_0111_2

ちまり

 

ちまちま…

Dsc_0107_2

ちまちまちまちま… 

  

この附け下げは着ると とてもすっきりして綺麗なんですよ

仕上がりが楽しみです

  

これが終わったらいくつか別に注文の小下図を描き上げます

制作って楽しいな~♪

 

工房らくぜんは岩手県一関市の呉服店

京呉服すがわらの工房です

きものやがきものを作っていますよー

どんな注文にも誠心誠意応じます

だからみんなどんどん注文すれば良いと思うよ

  

工房らくぜん では美しい仕上がりのために

一点一点、丁寧に手仕事をしていますよー。

  

  

  

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振袖ときどき キノコ

2010-10-06 14:36:43 | 友禅

こんにちは

秋になりましたね。

いまこちらは外に出ると、どこからとも無く金木犀の香りがしてきます

ここは東北なので少し早めです

東京に住んでいた頃、この香りはすごく印象的でした。

夜、仕事を終えて帰宅の途中、暗くてどこで咲いているのか分からないけれど香りがしてくるのは何ていうか、艶っぽいですね

  

東京ではもっと年が押し迫った頃に咲いていたので

今でもこの香りがしてくると年末って気がします。

とても艶っぽいなんて言ってられなかったんですけどね

師走の街に漂う漠然とした殺気… 

だからなのか どうもこの香りがしてくると、今でもそわそわと落ち着きがなくなり

「今年ももう終わりだ、早く何とかしないと。」と何だか精神的に切迫逼迫してきます。ドキドキ。

と言う訳で今年ももう10月、あと僅かですね。時間が経つのが年々早まるわー!

  

さあ、バリバリ行きますよ

工房では現在、振袖制作真っ最中です。

今やっている工程は糸目糊置き

Dsc_0114

このように下から光をあてつつ、図案用紙の上に絵羽を乗せて

うちでは直接糸目糊を引いて行きます

Dsc_0112

うおお、アクロバティック!

直接いきなり糸目糊置くなんてアクロバティック!これは絶対失敗出来ないです

ゴム糊だからこそ出来る離れ業です

合い口(縫い合わせの部分)に注意しながら丁寧に進めます

Dsc_0113

絵羽を解きながら、縫込みの中にもしっかり糸目を引きます

この糸目の工程は後の作業の全てに影響しますし、

仕上がりにも大きく関わります

最も重要な工程の一つです。

  

季節の変わり目、寒暖の差が激しいので、健康にも注意が必要です

実りの秋ですから何でも食うのが楽しいですね

私はキノコが大好きで原木シイタケとか香茸とか見るとテンション上がるんですが

先日、うちの両親が庭に生えてた知らないキノコを食べたそうです

美味しかったらしいんですけど、程々にしといた方が良いと思います。

っていうか、そういう時は僕にも分けてくれれば良いんじゃないかと思いました。

皆さんも栄養をしっかり摂って風邪を引かないようにしましょうね。

  

   

 

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振袖製作中

2010-10-01 00:00:12 | 友禅

こんにちは

こちら岩手県一関市の呉服店「京呉服すがわら」でございます。

工房名は「工房らくぜん」

きもの屋がきものを作っていますよー

  

というわけで

現在 振袖製作真っ最中な訳ですが、

  

今回作られるお客様は

お婆様から帯を譲られたという事で

こちらがその帯

Dsc_0093

おお、立派な佐賀錦の帯ですね

かれこれ40年くらい前の物だそうですからすごい値打ち物です

Dsc_0094

うわーすごい立派!

縦涌紋(たてわくもん)に蝶と桐。何て完璧な図案

縦涌紋は まるで湧き上がる湯気のように生命力が立ち昇る様子を図案化しています

蝶や桐に至っては今更言うまでも無いです

こりゃ、振袖にもってこいですね。

しかも御祖母さんから渡されて、こんなの締めたら絶対幸せになるわ!

そこで、

是非その帯を締めたい、その帯に合わせた振袖が欲しいというご要望。

了解しました!

そんじゃせっかくなので、この帯からそのまま模様を頂いて

トータルコーディネートにしましょうね、って事になりました。

  

工房らくぜんでは何時でも何でもお誂えのご注文にお応えしています

その都度そのお客様の意向合わせて全て一からデザイン致します

  

さて、基本的な製作の流れですが、

まずご予算を決めて頂きます。

予算によって出来る加工が変わってきますが、

決めて頂いた予算の中で最大限の仕事をさせて頂きます。

次は生地と地色を決めていただいて…

今回は膽礬色(たんばいろ)に決定。

銅鉱石の色です。振袖らしいビビットな色ですね。

  

その上でようやくデザインです。

私の場合、こんな風に着た姿を紙に描きながら

お客さんと相談します。

Dsc_0086

ほら、こうするとお客さんも分かりやすいんです

「大胆なカッコいい雰囲気で」うんうん、イメージ入力完了!

描いたり消したりしながら、よし決定。

  

さて

こっからは私一人の仕事ですね、展開図を描いて身長に合わせながら大体の柄置きを確認します

そしていよいよ図案起こしです。

Dsc_0087

着物の原寸大で描いていきます

Dsc_0017

とにかくイメージをまず合わせないといけませんね

勢いでどんどん描きます

大体決まったら今度はきっちと線を決めます

Dsc_0084

ちまちま

Dsc_0083

かきかきちまちま…

  

そうこうしている間に絵羽の方も上がってきました。

仕事がしやすくなるようにアイロンをかけて生地を整えます

Dsc_0015

よし、準備完了!

Dsc_0089

ジャーン!

これが絵羽。下絵羽とも言います

着る方の寸法に仮縫いしてあります。これに柄を写していくんです

こうすれば縫い目の柄の合口がきっちり合うわけです。

生地に織り込まれているのはこんな地紋

Dsc_0091

おお、すごい豪華!

ほら、桐の模様もあるでしょ、柄に合ってて完璧ですね。

そして図案も完成!

Dsc_0092

蝶と桐だけでは画面がもたないので

作業は増えるけど勝手に藤を描き込みました。よし。

この勢いで桜の花びらで柄をつなごう、うん、うん、豪華になった、よし。

藤は藤娘で知られますが良縁、桜は美しさ誠実さを表します。日本の文様です。

橘も描こうとしたんですが、印象が変わってしまったら一大事なのでやめました

図案だけは絶対にきちんと出来上がっていないと品物が出来上がりませんから

一部の迷いも許されません。

この感じで両袖、胸肩、全て描き上げました。

よし、準備完了!覚悟完了!

  

さあ、いよいよ作業開始です。

糸目の糊置きに入りますよー!

がんばるぞう!

  

  

  

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