すがわらの工房日記

東北は岩手県一関市の呉服屋。こつこつと友禅染めをしています。

お蚕さんから真綿を採るぞ!

2017-08-27 21:37:11 | その他
皆さんこんにちはー!

こちら岩手県一ノ関市の京呉服すがわらでございます。

東北にある小さな呉服屋ですが、店内の工房らくぜんで

きもの屋がきものを作っているんですよー!


さて、お蚕さんですが

洗濯物を乾かす除湿器の横に並べて置いておいたので

とてもよく乾燥しました、振るとカラカラ音がします。

…ミイラになってる!


ごめんよお蚕さんたち・・・

よし、
まず繭の周りのふわふわの糸を取ります


けっこうとれた

これ「毛羽」って言うんだそうです。
質感はガサガサしてます。

蚕が繭になるにあたり体を固定するためにはく最初の糸です
中の繭本体とは糸の質感が違うような気がします

毛羽取ったら中から綺麗な繭が出て来ました

これこれ、見た事ある、まさに繭です。

だいたい大きさは揃ってるんですが、

中にはこんなのも


比べると違いが分かると思いますが、大き目のやつがいくつかあります


これがどうやら「玉繭」というやつです。

「同功繭」とも言うそうで、
一個の繭の中に二頭のお蚕さんが入ってるものです。

二頭の吐糸が不規則に重なり合って糸に節が出来るのだそうで

味のある糸が出来るけど希少な上に紡ぐのが大変なのです

それにも関わらず、わざわざこの玉繭だけを使った織物もありまして

非常にマニアックな世界ですね。

玉繭を使用した製品で有名な所では

「牛首紬」「生紬」等がありますね、いずれも貴重でとても高価なものですよ。


子供と一緒に「なるほどなー。」とか言いつつ

いよいよ糸を取ろうと思うんですが、

よく考えたら
きちんとした糸を取れる自信が無いし、そんな糸では使い道も無さそうなので

いっそ綿を採る事にしましたよ

絹の綿、「真綿」ですよ!フゥー!!

だけどやり方もテレビとか何かの見学の時とかにチラッと見たくらいなんでテキトウです。

これまで同様
とりあえずこのまま 分からないまま行ってみます。


「とにかく煮たら良いんだよね。」

暴走機関車気味な親子。

私が毛羽をむしっている隙に次々鍋に繭を投入する息子


あ、ちょっと、ストップ!ストップ!


ちょっと入れ過ぎじゃない?

あちっ、熱ちちち、取り出せないや

まあいいや、このまま煮ればいいよね多分。

こうして箸でかき混ぜてると
何か料理してる気分だなあ、白玉にも見えなくもないかな

お湯が繭の中まで浸透するまで
挿し水をしながら気長に煮ます、



本当はちゃんとしたやり方があるんだろうけど、

アホな私達がやる事なので けっこうな時間がかかりました。

思ったより大変でした

ミイラが出てきたりとか
色々あったんですけど、写真撮る余裕が無かったです。


そんなこんなで、
とれた綿がこちら

これで繭一個分。

もう、ふっわふぅわです。柔らくてあったかいです。
手触りが素晴らしいです、幸せな肌触り、さすが真綿!


こっちが毛羽


質感の違いが伝わるかなー。


とりあえず今回鍋に入ってた分は全部取り出して干してありますが、
この様な真綿になります。

まだあと100個以上あるので

せっかくだから今度はいくつか糸も採ってみようかな、


京呉服すがわらは東北の小さな呉服屋ですが、

わりと色んな事をやってますよ。

気になった方はどうぞお気軽にお問合せ下さいねー。


京呉服すがわら ホームページ

http://kimono-sugawara.jp/

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お蚕さんを蒸した!

2017-08-19 13:26:36 | その他
皆さんこんにちはー!

こちら岩手県一ノ関市の京呉服すがわらでございます。

東北にある小さな呉服屋ですが、店内の工房らくぜんで

きもの屋がきものを作っているんですよー!



さてさて、繭玉になったお蚕さん達ですが

皆仲良くマンションに入れば良いのに

中には好き勝手にあっちこっち変な所で繭になろうとしている方々もけっこういらっしゃったんですね

「そんなとこじゃなんですから、どうぞこちらへ。」

とか言って場所移しちゃったりしたんですけど

そうするともうそれから繭を作るの辞めちゃうんですよ。

やっぱり繭になるって結構体力が要るみたいで、

一度始めたら途中でやめてやり直しとかは出来ないんですね。

知らなかったとはいえ悪いことしたなあ、と思います。


そんなこんなで、最終的には202個取れました。


百匹以上いるとは思ってましたが、やっぱりそんなにいたんですねえ・・(遠い目)

繭に成り損ねたのも含めると230匹はいたんじゃないでしょうか。・・(白目)


よっし、
よいよ糸を取る段階ですよ!

でもそれには確か

お蚕さん達を釜茹でにしないといけないんですよね!
私見た事ありますよ、あれです。

だけど中のお蚕さん達はまだ生きてるわけで、

だからって躊躇してたら繭を破って出て来ちゃうしなー、

そこで調べてみたら何と

一度「蒸す」んだそうです。

その後乾燥させてから糸を取るのだそうで、

成る程、そうと分かれば早速

蒸し鍋で


蒸します「えいっ!」


何分蒸したらいいか解んないな、適当です。


頃合いを見て取り出して


熱っ、あちゃちゃちゃ、、、お前はもう死んでいる んだろうなあ、


広げます

ふぅ、・・・

これを何回か繰り返して全部蒸したら

乾燥させまーす!

 ~ つづく ~


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着物が好きな方、楽しくお召しになりたい方のお手伝いを一生懸命しています。

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お蚕さんのその後

2017-08-17 15:27:00 | その他
皆さんこんにちはー!

こちら岩手県一ノ関市の京呉服すがわらでございます。

東北にある小さな呉服屋ですが、店内の工房らくぜんで

きもの屋がきものを作っているんですよー!



暑かったり寒かったり、こちら岩手県一関市はここんとこ雨ばっかり、
何とも不安定な今年の夏ですがそれでも夏は夏、
うちの子供等は朝起きて寝るまでハイテンションで大車輪の大回転です。
もう気持ちが「夏!」なので何を見てもやっても興奮状態、楽しさの目盛りが振り切れてます
そんな夏休みもあと数日、秋の背中が見えてきました。

そんな訳で
お蚕さんの続きを書かなくちゃです。

お蚕さんその1
    その2

てんやわんやの中、
お蚕さん達は無事繭玉にお成りになりまして

そう あの日…
蚕さん達が一斉に箱から這い出し始めたんです。

突如天の声でも聞いたかのようなその豹変ぶりに命の不思議を思わずにはいられないわけなんですが

おかげで我が家は、主に私が大混乱で

突貫工事でマンション建設に取り掛かる訳です

マンション竣工を待ちきれない方々の為に
慌てて作ったデザイナーズマンションがこちら。


これが意外に大人気で

次々契約成立です


やがてマンション完成
お部屋に収まるお蚕さん達、見事に繭玉にお成りです。


ご覧の通り一部屋に二人も三人もシェアハウスですよ、トレンディーだなぁ。

そんな今どきのお蚕さん達を
頃合いをみて取り出します。

出来た順に猫による品質検査を通ります


さて、

この繭が絹糸になる訳ですよ。

でも糸を取るにはまた色々な事をしないといけないんですが

長くなったので今日はここまで

次回をお楽しみに~


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白地に墨で龍の御衣裳を制作

2017-08-03 16:55:55 | 友禅
皆さんこんにちはー!

こちら岩手県一ノ関市の京呉服すがわらでございます。

東北にある小さな呉服屋ですが、店内の工房らくぜんで

きもの屋がきものを作っているんですよー!
イエーイ!


さてさて、長らくご無沙汰でございました
東北も昨日、やっとこ梅雨が明けましたよ

ちょっと急ぎの訪問着の制作で更新出来ずにいたのでした
そちらは無事納品出来たので


かねてから準備していた御引きずりの訪問着に取り掛かりましたよ

白地の絵羽に墨で直接描いていきます


しっとりしたとても良い生地で、墨をとにかく良く吸います。
質感は塩瀬の様な感じ、染料が走ります直に描くの怖い。

でもこの時の為にそりゃもう入念に準備と支度をしていたんです。
ここは腹をくくって勢いで描きます。

引き裾、踊りの御衣裳ですよ。
うりゃー!


とりあえず裾はこのぐらいにしておいて、



次はメインの袖から肩ら辺に
龍を描きます


力が入ります、どりゃー!

ぐわーっと、がおーっ!っと、

自分の顔もこの時は同じような顔をしてるんです、多分。


ここまで来たらもうホントに最後まで勢いで描ききります
がおーっ!ギャオー!ぐおぉー!



散々叫びながらようやく全体を描き切り、蒸して洗えば出来上がりです

さてさて仕上がりはどうなるか、私もドキドキです。

後で報告出来るといいなあ。


※お蚕さんの続きもそのうち書きますからお楽しみに! 


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