すがわらの工房日記

東北は岩手県一関市の呉服屋。こつこつと友禅染めをしています。

桜の振り袖経過報告2

2011-01-26 18:36:19 | 友禅

こんにちは

岩手県一関市の呉服店 京呉服すがわら です。

現在制作中の振り袖もいよいよ佳境でしょうか

雪輪のふちに色が入りましたよー

ほら

Dsc_0401

中に色を挿したときに全体がボケないように

しっかりめの色で模様に締まりを与えます。

この振り袖のデビューは卒業式なので、その時は袴と共に着用します。

袴の色は濃くて深い緑色、鉄色です。なのでその鉄色も雪輪のふちに挿しましたよ

これで袴との相性もぴったり。

だいぶ印象が小下図に近づいてきました。

完成も見えてきましたね。

この後雪輪の中の景色を染めていくんですが、色を調整します。

Dsc_0404

一つ一つはしっかりしていても、全体ではやさしい感じに仕上げたいので、

慎重に色を選びます。

  

このまま一気に染めようかとも思ったんですが、

雪輪の中で色をぼかし合わせたり、色々したいので

大事をとって糊伏せする事にしました。

大事な模様の中をワックス糊で伏せていきます。

Dsc_0408

糊伏せしながらも傍らには図案用紙を置いて、

思いついた小下図を忘れないように描いたりするんですが

気が付いたら手が勝手にガンダム描いたりしてて、「はっ」と我に返ったりします。

すごくカッコいい竹の図案が描けた時も

竹薮の中にマジンガーZが佇んでいたりとか、

阿呆な自分にため息が出ます。

ですから恥ずかしくてとても小下図は人に見せられないです。

でもご心配無く、大丈夫。基本真面目ですから。

一所懸命仕事してますから

作品は真面目ですから!大丈夫ですよー!!

 

そんな真面目な私が上手に描けたロボコンをあわてて消してる横で

妻が黙々と糸目を引いています。

Dsc_0406

青海波をただ淡々と黙々と…

私が描いた図案ですが、ちょっと気の毒になるくらい密度が濃い模様です。

ちょっと大変かも知れないけど、出来上がったらすごく素敵な模様なので頑張って下さい。

ああ、こうしちゃいられない

作りたいものがまだまだ控えているのです。

手を動かさないと、体力つけないとなー。

  

工房らくぜん では色々な品物を全て手作業で丁寧に一から作っています。

どんなものでもお客様のご要望をお聞きして、相談しながら進めます。

興味のある方はどうぞお気軽に、一度工房をのぞきにいらして下さいなー

   

  

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桜の振り袖友禅、中間報告

2011-01-19 18:57:51 | 友禅

皆さんこんにちは

毎日寒いですね。全然暖冬じゃなかった。

朝起きると窓の縁がびっしり凍り付いています。

こんなに寒いけれど、今私の心は春模様。

桜満開です。

S0389

まずは全体の桜の花から友禅することにしました。

S0396_2

ほら、綺麗でしょ

私的にはもう既に季節は春です。

寒いけど春!来たー!!

  

私がすっかりホンワカ気分で友禅している横では

妻が糸目糊引いてます。

S0387

桜の糸目が終わってすぐ、今度は

青海波に波濤、宝尽くしの訪問着です。

昨年の暮れに何度も描きなおしていたあれです。

0388

この図案はとにかく カッチリ、キッチリ とした線を引かなきゃならないので

ものすごい緊張感です。

確かに私も緊張感を持って作業しているんですが、

漂う雰囲気が対照的ですね。

手掛ける品物の世界を心に映して作業する。んんん、イカス。

「絵は念力で描くものだ。」というのは私の持論です。

必ずや良い物に仕上げたいです。

  

ここは岩手県一関市の呉服店 京呉服すがわら です。

きものやがきものを作っているんですよー

すがわらの「工房らくぜん」ではお客様のご要望に合わせて

色々なものをお誂え致しております。

ものは試しなので、皆さんも一度私に注文してみることをお勧めします。

わりと良い仕事するかも知れないですよ

  

  

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桜の振り袖、友禅開始

2011-01-12 18:32:11 | 友禅

こんにちは

こちら岩手県一関市の呉服屋

京呉服すがわら の「工房らくぜん」ですよ

  

桜の振り袖ですが、ようやく友禅の作業に入ります。

地入れも終わったので、色を作ります

こうして火にかけながら染料を溶いて、

Dsc_0351

付け身と呼ばれる生地の切れ端にちょいちょい付けながら

色を合わせていきます

Dsc_0354

本当に微妙な加減で出来上がりの印象が変わるので

丁寧に作ります。

色が出来たら

生地を伸子(しんし)に張ります。

Dsc_0359

よいしょ、

Dsc_0361

張りを調節して、生地が歪まないように張ります

小張りを張って…

Dsc_0362

ほい、出来上がり

色んなやり方が有りますが、うちではこのやり方です。

場所をとらないのと、絵羽物は身頃の模様を並べながら進められるので便利です。

  

染料を調整しながら少し挿してみました

Dsc_0363

あらー、いいわー

素敵だわー!!

これは、予感がする!

良く出来る予感がする!!

地紋の桜と友禅の桜の大きさも合わせたので柄の奥行きが出てますね

糸目も生地もとてもコンデディションが良いです。

さあ、バンバンいくぞ!

たぁ~のしぃ~な~♪

  

  

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地入れをしたよ

2011-01-11 17:50:11 | 友禅

こんにちは

岩手県一関市の呉服店 京呉服すがわら でございます。

工房名は「工房らくぜん」です

きものやがきものを作っていますよー

 

と言う訳で、

本日紹介する作業は

桜の振り袖の地入れです。

この振り袖は白地なので汚れが付かないように特に細心の注意を払っています。

白地というのはつまり絹のそのままの色です。

ですからなるべく不純物が染まり付かないように気をつけないといけません

ふのりの地入れ液も特に丁寧に濾しました。

さて始めます

Dsc_0343

ゴシゴシ、シャワシャワ

刷毛が生地を擦る音が心地良いです。

良い生地ですね

Dsc_0345

ごしごし、

Dsc_0347

シャワシャワシャワ~

んん、糸目糊の食いつきも申し分無いようです。

順調、順調、

  

Dsc_0351

はい、地入れ終了。

ここまで全てにおいて問題無し。

全て順調。

さあ、このまま上手く進みますように。

友禅頑張るぞう!!

  

  

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桜の振り袖、糸目引き終わり

2011-01-10 18:16:02 | 友禅

こんにちは

工房らくぜんです

式典は先日行った所が多いようですが、本日は成人の日ですね。

私の町でも式典は昨日で、

晴れ着の新成人の皆さんが嬉しそうに歩いているのを見かけました

中でも振り袖を纏ったお嬢さん方は一際鮮やかで美しく、こちらも晴れやかな気持ちになります。

そう、ハレの日に着るから晴れ着です。

そんな人生の節目の大切な儀式の日に纏う衣裳を手掛けさせていただくのは

呉服屋として、職人として、とても誇らしい気持ちです。

何はともあれ

新成人の皆様、おめでとうございます。

少しでも世の中が良い方向に向かうように共に頑張っていきましょう。

  

  

さて、

こちらも晴れ着です。

桜の振り袖の糸目が引き終わりましたよー

Dsc_0327

この様に縫込みの中まできちんと糸目を引くのは

将来 体の寸法が変わってもある程度対応できるようにする為です。

丁寧に引きましたよ。

そして生地は紗綾形(さやがた)に桜の地紋です。

紗綾形とは卍の字を崩して組み合わせ、連続模様にしたもので、

桃山時代に明から伝わった織物、紗綾の地紋に使われていたためにそう呼ばれます。

端正で品格のある模様ですね。

その生地に桜の友禅ですから、これはもう完璧です。

あとは友禅次第ですから私の双肩にかかるプレッシャーは相当なものです。

心を落ち着けつつ、

生地を全て解き、一本の反物の状態に戻します。

Dsc_0330

生地のは縫いの為だけに使っている このおもちゃの様なロックミシンは、

本当におもちゃみたいで、

これでよく縫えるなぁ、といつも関心しながら使っています。

Dsc_0335

ほい、出来ました。

  

この後は生地を張って地入れですが、

その前にちょっと、本日は私の道具の紹介をします。

大きい作業机は私の大尊敬する指物師の方に作って頂いたんですが

この小さい方の作業机。

これ、実は私が作ったんですけど

Dsc_0336

帯の図案制作や糸目作業等に使っています。

これのガラス板をはずして

Dsc_0337

コンロを置いて

Dsc_0338

このコンロを入れてる箱も私が作りました。

車輪が付いてて動かしやすくなっています。

Dsc_0339

天板をはめると…

Dsc_0341

ほら、簡単だけど友禅台の出来上がり。イカス!

友禅台ってなかなか使いやすいのが無いので自分で作ったんですけど、

他の職人の方はどうなさってるんでしょうか?

地方にいると、道具屋も近くに無いし、

無い道具なんかは自分で作っちゃう事が多いんですけど、

こういうの何ていうんだっけ?

え?器用貧乏?ギャー!!

  

工房らくぜん は 京呉服すがわら の工房です

田舎でも工夫しながら頑張って制作していますよ。

無いものは作る!がモットーです。

着物の事なら どうぞ何でもご相談ください。

あなただけの、本当の逸品、一点ものをおつくり致します。

  

  

  

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製作中ですよ

2011-01-07 16:50:21 | その他

こんにちは

工房らくぜん です。

岩手県一関市の呉服店 京呉服すがわら の工房ですよ

きものやがきものを作っていますよー

  

というわけで

年が明けるなりバリバリ制作中の工房です。

桜の振り袖の糸目はもうすぐ終わりそうです

Dsc_0304

去年、と言っても先週ですが、

柄の位置をきちんとお嬢さんの体に合わせたので もう大丈夫。って事で

絵羽を解きながら糸目を置いていきます。

Dsc_0327

もうバラバラですね

縫い合わせの合い口、柄がしっかり合うように丁寧に進めています。

もう一息、もう一踏ん張りです。

この調子なら来週には友禅に入れそうですね。

  

私はその隙に名古屋帯の図案を制作。

友禅を始めたら図案を描けないので、こういう時に作っておきます

Dsc_0307

今描き上げたのは菊の図案。

この後もう何枚か描けそうです。

っていうか、いっぱい描かなきゃ

もっと沢山描かなきゃ

あ、それと

欲しいものがあったら何時でも何でも言って下さいね

頑張って描くので

だからみんなもっとバンバン注文すれば良いと思うな。

  

  

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明けましておめでとうございます!

2011-01-01 03:45:15 | その他

H23nenga

さて、無事年も明けましたね

何てめでたいことでしょう!!

そして本年の干支は「卯」

暦でいえば4月、時刻にすれば午前6時くらいでしょうか

芽吹きの季節、目覚めの時刻ですね

「兎の上り坂」の諺は兎がたくみに坂を登る事に喩えて

得意な分野で力を発揮することを意味するそうです。

  

平成23年「卯」年は、得意部門を頑張って、

何とか躍動の機運を掴みたいですね

どうか皆さんに良い年でありますように。

私もより一層精進致す所存でございます。

本年も 京呉服すがわら と共にこのブログを

どうぞ宜しくお願い申し上げます。

  

  

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