11-7-29 「原発のウソ」(小出裕章/扶桑社新書/2011/6/1)、(740円)をじっくり真剣に読み終えた。以下、文中より抜粋。
福島第一原発のリスクは継続中、最悪のシナリオ「・・・首都圏はおそらく壊滅してしまうでしょう。・・・この最悪のシナリオが現実になる可能性は今も消えていません。回避する唯一の方法は、原子炉に水を入れてひたすら冷却することだけです。・・・」
「すでに広島の原爆80発分の「死の灰」が飛び散ってしまったことになります。しかも、まだ放射能は漏れ続けていますから、最終的にはもっと増える可能性を残しています。」
「若ければ若いほど死ぬ確立は高くなる。・・・高齢になると被爆の影響は受けにくい。この事実が子どもたちを守ろうとする時に大きな武器になります。子どもたちの被爆を減らすために私が提案したいのは大人や高齢者が汚染された食品を積極的に引き受けることです。」と。
政府の広報紙的な今の新聞、テレビの情報だけを信じていては、真実がわからない。平易に説明してあって読みやすい。「現実」を知るためには、必読の本だと思う。
[要旨]
“安全な被曝量”は存在しない!原発を全部止めても電力は足りる、福島第一は今後どうなるのか?危険性を訴えて続けて40年“不屈の研究者”が警告する原発の恐怖。
[目次]
第1章 福島第一原発はこれからどうなるのか
第2章 「放射能」とはどういうものか
第3章 放射能汚染から身を守るには
第4章 原発の“常識”は非常識
第5章 原子力は「未来のエネルギー」か?
第6章 地震列島・日本に原発を建ててはいけない
第7章 原子力に未来はない
おすすめコメント
危険性を訴え続けて40年 ”不屈の研究者”が警告する原発の恐怖 ”安全な被曝量”は存在しない!原発を止めても電力は足りる! いま最も信頼されている原子力研究者の、3.11事故後初の著書 著者の小出裕章氏は、かつて原子力に夢を持って研究者となることを志した。しかし、原子力を学ぶうちにその危険性を知り、考え方を180度変えることになる。それ以降40年間、原子力礼賛の世の中で”異端”の扱いを受けながらもその危険性を訴え続けてきた。 そんな小出氏が恐れていたことが現実となったのが、2011年3月11日に起きた福島第一原発事故だった。原発は今後どうなる? 放射能から身を守るにはどうすればいい? どのくらいの「被曝」ならば安全? 原発を止めて電力は足りるの? など、原子力に関するさまざまな疑問に”いま最も信頼されている研究者”がわかりやすく答える。
著者紹介
小出 裕章 (コイデ ヒロアキ)
1949年東京生まれ。京都大学原子炉実験所助教。原子力の平和利用を志し、1968年に東北大学工学部原子核工学科に入学。原子力を学ぶことでその危険性に気づき、伊方原発裁判、人形峠のウラン残土問題、JCO臨界事故などで、放射線被害を受ける住民の側に立って活動。原子力の専門家としての立場から、その危険性を訴え続けている。専門は放射線計測、原子力安全(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)