09-8-7(立秋)
副題は「アフガンの大地から世界の虚構に挑む」だ。
中村医師(ペシャワール会現地代表、62歳)。すごい日本人が居るものだ。
以前、アフガニスタン問題のテレビ討論会に出ていて、どうも周りの評論家の連中と意見がかみ合
わないなーと感じながら見ていた記憶がある。
この本は、旱魃で苦しむアフガンの地で、農業用用水路13Km建設の戦いの軌跡が描かれている。
先日の西日本新聞夕刊によれば、第2期工事が近いうちに完成し、総距離24Kmに達するそうだ。
しかもこの事業は、個人による寄付や会費によってなされているというのも驚きだ。
同会によると、用水路の建造で、傭兵(ようへい)や難民にならざるを得なかった人々を延べ60万人
雇用でき、3000ヘクタールの田畑がよみがえり、15万人が暮らせるようになったという。
まさに、アフガン復興援助の見本みたいな事業ではないか。
日本国、日本人として誇りが持てる大仕事だと思う。
ところが、大マスコミ、大メディアはこの偉業を取り上げない、取り上げてもベタ記事だ。なぜか?
アフガン用水路が完成へ
[2009年06月06日 19:54]
アフガン用水路が完成へ
アフガニスタンの民生支援に取り組んでいる福岡市の非政府組織(NGO)「ペシャワール会」は6日、
干ばつに苦しむ同国東部で2003年に着工した農業用水路(全長約24キロ)が、今月中にも完成す
る見通しを明らかにした。
水路はペルシャ語で真珠を意味する「マルワリード用水路」と名付けられ、約3千ヘクタールの土地を
潤す。
既設個所の周辺で緑がよみがえり、小麦などが栽培されている地域もあるという。同会は今後、水路の
維持管理を住民へ移譲しながら、現地で医療活動などを続ける。
同会が6日、福岡市で開いた報告会に寄せたビデオレターで、現地代表の中村哲医師(62)は
「出産は終わったが、育てる事業が残っている」と話した。
中村医師らは医療支援の傍ら、00年にアフガンで井戸の掘削事業を始めたが、「飲み水は確保でき
ても、緑の回復には足りない」と用水路建設を決断。独学で土木技術を学ぶところから始めた。
6年間で延べ約60万人の住民が建設事業に参加し、約15億円の費用は会費や寄付で賄った。
昨年8月には、スタッフの伊藤和也さん=当時(31)=が武装勢力に殺害される悲劇もあった。