昨日、TVで『やってきたゴドー』を観ました。
作:別役 実 演出:末木利文
美術:石井みつる
照明:森脇清治
音響:小山田昭
衣裳:樋口 藍
舞台監督:小笠原 響
制作担当:松井伸子
制作:木山 潔
出演:山崎清介、内田 稔、楠 侑子、三谷 昇
林 次樹、 内田龍磨、橋本千佳子
木村万里、千葉綾乃、女部田裕子
別役さんの、強烈な『ゴドーを待ちながら』へのオマージュ、リスペクトが
たっぷりつまった作品のはずです…。
いや…それが、あなた…
私は、あのサミュエル・ベケットの『ゴドーを待ちながら』を
ただの一度も観た事がないのですよ。ええ。
それなのに、先に『ゴドー』がやってきちゃった方を観ちゃったんですから(笑)
たくさんの方が『ゴドー』とは何者なのか?何の象徴なのか?
長年の議論となっている事も知っていますよ、はい。
なので、『ゴドー』がゴッド、神であるのか、なんなのかは
私が考えるこたぁございません。
結局夜中の25:30頃までTVを観てしまいましたが
言わずと知れた不条理劇…最初は難解かなぁ…と思いつつ
私が大人になったせいでしょうか、
随所にふっと笑いがこみあげてくるものがありました…。
あのブラックな感じ、やはり嫌いではありません。
************以下はTV中継舞台を観た感想****************
別役さんお得意の電信柱。
あれはベケットの『ゴドーを待ちながら』も同じで
舞台には木が一本あるだけ、なのだとか。
三方を壁で仕切り、イメージの空間を作り上げる従来の手法から脱出し
空間を大きく開放したのが、あの一本の木、一本の電信柱だったのだそう。
…なんにせよ、本当に『ゴドー』がやってきた時の
人々の反応がおもしろい。
そうなのだ。
『ゴドー』は待つものなのだ。
『ゴドー』がやってきてしまっては
『ゴドー』を待つ事ができなくなるのだ!!!!!
ああ、なんてこった!!!!!
とうとう『ゴドー』はせっかくやってきたにもかかわらず
人々は去り、そして『ゴドー』本人も去らなければ収集がつかなくなるのだ…。
そうして、今日も明日も、あの二人は永遠に『ゴドー』を待っている事だろう。
ああ、そうして永遠に『ゴドー』に会う事なく、
いや、もうすでに会っているかもしれないのだが…
とにかく『ゴドーを待ちながら』今日も明日も私達は生きていくのだ。