「たぬきせんべい」の山ある記

ニフティの「山のフォーラム」が消滅したのでブログを始めてみました

【北アルプス】徳本峠から霞沢岳

2008-08-12 18:43:09 | 山小屋泊
                 K1ピークから六百山に続く稜線と穂高連峰

いつものグループで徳本峠小屋に泊まって翌日、霞沢岳を往復しました。K1ピークから霞沢岳にかけての穂高連峰の展望は素晴らしかった。花は霞沢岳直下が綺麗なお花畑でしたが、全体にはそれほどではありませんでした。コースはK1ピークへの登りが長く、足元の不安定な急登のためメンバーの一人が足の疲労からペースダウンして、コースタイムをかなりオーバーしました。徳本峠小屋は昔ながらの古い小屋ですが、定員いっぱいと予想外に込んでいました。

【日 程】2008年8月10日(日)~12日(火)2泊
【山 域】北アルプス
【山 名】霞沢岳
【メンバ】6名
【天 候】11日晴のち曇り
【コース】
10日:上高地(11:10)→明神(12:10-13:50)→徳本峠小屋(16:30)(泊)
11日:徳本峠小屋(5:00)→K1ピーク(9:15)→霞沢岳(10:30)→徳本峠小屋(15:30)→明神(18:00)(泊)
12日:明神→上高地
【参 考】北アルプス特選50コース登山案内南部編(山と渓谷社)

始発の新幹線あさま、特急しなの、松本電鉄、バスを乗り継いで上高地に入った。観光客で賑わう中を歩いて行き、明神橋近くの梓川の河原に下りて、焼き肉、焼きそば、ビール、ワインを楽しんでから徳本峠に向かった。ゆっくりし過ぎたので、徳本峠小屋では「もう少しお早いお着きを」と言われてしまった。徳本峠に来るのは12年前に大滝小屋から下ってきて以来で、その時は見るからに古びた徳本峠小屋は避けて明神に下った。見かけは、まだ建て替えないの?という感じだが、中に入ってみれば意外としっかりしていた。一息ついて、小屋から45秒(と書いてある)展望台に登ってみる。穂高連峰は雲の間から一部を見せていた。小屋の夕食のおかずは肉野菜炒めで、昼食とかぶってしまったので顔を見合わせて苦笑い。

翌日は早起きして、小屋で用意してもらった朝食分と昼食分の弁当、水、果物、雨具など最低限の軽装で霞沢岳に向かった。明神に向かって200mほど下ったところに霞沢岳への分岐があるが、「霞沢岳」と書いた道標が壊れて下に落ちている。いかにもマイナーな山に向かうという雰囲気だ。道はやや細くなるがはっきりしている。ところが、少し登ったところに徳本峠小屋への分岐を示す標識があった。帰りにこの分岐を辿ると、前日に登った徳本峠の展望台に通じていたのだが、徳本峠には展望台から霞沢岳に行けるような表示はないし、ガイドブックや市販の地図にも紹介されていない道だった。分かっていれば行きもこの道を使った方が良かった。

スタジオ・ジャンクションと表示のあるところで、朝日を浴びた穂高連峰の展望が得られた。ジャンクション・ピークで朝食としたが、虫がうるさかった。ジャンクション・ピークから少し長い下りがあり、初めの小ピークに着いたところでメンバーのAさんが待っているという。Aさんはいつも一番遅くなるので、長いコースの今回は最初から無理をしないつもりだった。「みんなが戻るまで相当長い時間待つことになるから、もう少し先まで行ったらどうか」と勧めたが、Aさんはこの場所が気に入ったと言って動かない。

Aさんを置いて進んでいくとやがて左手に乗鞍岳と遠くに雲に浮かんだ御嶽、近くに目指す霞沢岳のピークと思われる展望が得られた。左手が登山道の傍まで崩壊している鞍部に出て、長い登りが始まる。花はこれまでのカニコウモリやカラマツソウ、ゴゼンタチバナに加えて、ハクサンフウロやクルマユリ、マルバダケブキが出てきてカラフルになる。また、このあたりでは綿毛のような白い虫が大発生していた。K1ピークに近づくと右手の穂高連峰の展望が良くなってくるが、急登の上に不安定な浮き石が多く、メンバーのM氏のペースが落ちる。ピークに着くと六百山に続く稜線の向こうに見える穂高連峰が素晴らしい。反対側はK2ピークから霞沢岳山頂に続く稜線、また焼岳、雲のかかった笠ヶ岳、眼下には小さく帝国ホテルの屋根が見える。ここで、Aさんをあまり待たせるのも心配なので、メンバーの二人に先に行ってもらい、M氏と私を含む3人は後からゆっくり行くことにした。

K2ピークを越えて行くと焼岳の全体が見えてくる。霞沢岳山頂直下には、ハクサンフウロ、シナノキンバイ、ハクサンイチゲ、ウサギギクなどのこのコース一番のお花畑がある。山頂は狭く、「霞沢岳2645.6m」と書かれた紙をビニールで覆った物がハイマツにくくりつけてあった。先に来ていたグループの一人も「苦労して来たのにこれだけじゃあ」と不満そうだった。この時間ですでに雲が出てきたせいもあるが、穂高連峰の展望はK1ピークが一番のようだ。記念写真を撮ってから下山する。K1ピークに戻って昼食をとってから、いよいよ急な下りにかかる。メンバーのM氏のペースはますます落ちて、私と二人だけでゆっくりと下っていく。途中で後から登ってきた人にも抜かれて、最後になって徳本峠小屋に到着した。

徳本峠小屋は意外に人気があってこの日も20人ほど泊まるということだった。少し休んで明神に下って山のひだやに宿泊し、翌日は明神池を見てから上高地バスターミナルへ戻った。ジャンボタクシーと交渉して2万円で松本に出て、帰路に就いた。


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