こんな天気だというのに春光台公園まで行ってきました。
目的は他ならぬ「櫻子さんの足下には死体が埋まっている」第3巻「雨と九月と君の嘘」より
第三骨「託された骨」に登場する、寄生木の碑を見に行くためです。
旭川が舞台の小説で、かつて旭川の第七師団にいた青年・小笠原善平が自らの半生を綴り、
東京の作家徳富廬花に託した、そうして生まれた小説「寄生木」ですが、
それがどう関わるかは櫻子さんを一読いただくとしまして…
作中の流れに従い国道12号線からアンダーパスの所で春光台に上がり、最初の駐車場はスルー、
その後アスレチック公園の辺りで右に入り、住宅街と公園の間を進む。
しばらく進んで、かつて浄水場として使われた、かの春光台配水場脇の駐車場へ。
ここでミスを犯す、そこから寄生木の碑まで公園内を行く舗装路を進んでしまった。
起伏もT字路右折もない道で作中と違うのに気付いたのは碑にたどり着いたあとで、
そこで本を読み返し(当然持って行きました、持って行って正解でした)答え合わせするように、
櫻子さんと正太郎が通ったルートを逆向きにorz進んで駐車場に戻ったわけです。
作中にあった看板などはちゃんと見つかりました。
以下、作中の時系列に沿って進めていきます、自分は逆向きに辿ることになりましたが。
この看板の所から2人は森に入っていったわけですね、ここからしばらく下っています。
坂をちょっと下がるとミズバショウ群生地があります。この時期は当然花が咲いているはずもなく。
確かにここで二手に分かれてましたが、ちゃんと碑への誘導はされています。
恐らくこのあとの登り坂で正太郎がコケたんだろうなw
坂を登ると舗装路に出て、ここを標識に従って右へ。
自分が通ったルートはここに左側から合流します。すぐ左に春光台スキー場のスロープがあります。
ちっちゃくてリフトもないスキー場だけど楽しそうなスキー場だな。
春光台の住民だったらここで沢山滑ったかも知れません。って脱線してもたw
ここから自分が辿った時系列に合流します。
舗装路を進むと、そこにそれはあります。
赤ん坊の骨が入ったオルゴールが埋まっていた白樺は、根本から二股に分かれ、と言う文章からして
石碑の両側にあるうち、右側のだろう。
旭川の街並みも木の間から望める丘の上にぽつりと立ったその碑の在処は
作中での正太郎の感想として書かれていたとおり、まさに「すごく静かで、寂しい」、
あるいは「きれいだけど、寂しい」そんな場所で、この雨模様もあり
(作中で正太郎達が行ったのも雨上がりだったようですが)何だか泣けてきました。何でか知りませんけど。
この感覚を持ったまま改めて「託された骨」を読んでみると所見の時以上に寂しさ、悲しさが
伝わってきます。
作中にもあったとおり、故郷の宮古で自殺した善平の断腸の思いに胸を痛め、蘆花はこの碑の場所で
春光台 腸断ちし 若人の 偲びて建てば 秋の風吹く
こう詠んだそうです。そう言う感情をかき立てる何かがこの場所にあるのだろうか…
寄生木の方も一度は読んでみたいものです。
他のも含め、春光台で撮ってきた写真一覧はこちら。