竹取翁と万葉集のお勉強

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後撰和歌集 巻17 歌番号1205から1209まで

2024年05月02日 | 後撰和歌集 現代語訳 巻17
歌番号一二〇五
原文 多以布可佐宇之尓安徒多々乃安曾无乃毛止部徒可八
之个留布美遠毛天多可部多利个礼八川可八之个留
読下 大輔が曹司に、敦忠朝臣のもとへつかは
しける文を持て違へたりければ、つかはしける

原文 多以布
読下 大輔

原文 三知志良奴毛乃奈良奈久尓安之比幾乃也末布三万与不飛止毛安利个利
和歌 みちしらぬ ものならなくに あしひきの やまふみまよふ ひともありけり
読下 道知らぬ物ならなくにあしひきの山踏みまどふ人もありけり
解釈 文を届ける先への道を知らない訳でもないのに、葦や檜の生え繁る山路を見失うではありませんが、文を届ける先を踏み間違える、そのようなお方がいたようです。

歌番号一二〇六
原文 加部之
読下 返し

原文 安徒多々乃安曾无
読下 敦忠朝臣(藤原敦忠)

原文 志良可之乃由幾毛幾衣尓之安之比幾乃也末知遠多礼可布三万与不部幾
和歌 しらかしの ゆきもきえにし あしひきの やまちをたれか ふみまよふへき
読下 白橿の雪も消えにしあしひきの山路を誰れか踏みまどふべき
解釈 白橿の生える山深い、その山の雪も消えていますので葦や檜の生え繁る山路を、誰が文を届ける道を踏み間違えるでしょうか。(あの恋文は、他でもない、貴女へのものですよ。)

歌番号一二〇七
原文 以飛知起利天乃知己止飛止尓川幾奴止幾々天
読下 言ひ契りて後、異人につきぬと聞きて

原文 与美飛止之良寸
読下 詠み人しらす

原文 伊不己止乃堂可八奴毛乃尓安良万世八乃知宇幾己止々幾己江左良末之
和歌 いふことの たかはぬものに あらませは のちうきことと きこえさらまし
読下 言ふ事の違はぬ物にあらませば後憂き事と聞こえざらまし
解釈 私への恋の誓いを言ったことに貴方が違えることが無かったならば、最初から、結ばれた後のことが不安です、とは言いませんでした。(それが、現実になったようですね。)

歌番号一二〇八
原文 堂以之良寸
読下 題知らす

原文 以世
読下 伊勢

原文 於毛加个遠安飛三之加寸尓奈春止幾者己々呂乃美己曽志川女良礼个連
和歌 おもかけを あひみしかすに なすときは こころのみこそ しつめられけれ
読下 面影を逢ひ見し数になす時は心のみこそ静められけれ
解釈 貴方の面影を夢の中に逢い見た数を、実際に逢った回数に加え為す時、私の心持ばかりは、逢えない淋しさを静められるのですが。(やはり、現実の貴方に逢いたい。)

歌番号一二〇九
原文 加之良志呂加利个留於无奈遠三天
読下 頭白かりける女を見て

原文 以世
読下 伊勢

原文 奴幾止女奴加美乃寸知毛天安也之久毛部尓个留止之乃加寸遠之留可那
和歌 ぬきとめぬ かみのすちもて あやしくも へにけるとしの かすをしるかな
読下 抜きとめぬ髪の筋もてあやしくも経にける年の数を知るかな
解釈 抜いて残してはいない白髪の一本一本を手に取り見ると、不思議なことに、今まで過ごしてきた年の数を思い出されます。

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