逝きし世の面影

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通産省「原子力安全基盤機構」7mの津波高で電源喪失、炉心損傷

2011年05月02日 | 放射能と情報操作

『通産産業省の報告書』

昔から『目明き千人に目暗千人』と言われますが、知識が無い素人が判らなくても専門家なら良く知っている。
今テレビなどで平気で福島第一原発事故が『想定外だった』なんて喋っているのは専門家でもないし、目も見えていない。
実は原発の過酷事故でも本物の専門家はやっぱり知っていた。
通産省独立行政法人『原子力安全基盤機構』が去年の10月の段階で原発の全電源が喪失した場合には、たったの3時間でメルトダウンすると報告している。
何と、去年の12月に出した『地震に係る確率論的安全評価手法の改良. に関する報告書』には今の福島第一原発事故を想定していて、その報告書の中で今起きている恐ろしい結果が正確に書かれているのですから驚きです。
報告書によると、原発敷地高さが10メートル(福島第一の1~4号機と同じ)と想定した場合には、波高3~23メートルまでの想定値で、波高7メートルの場合には100%の頻度で炉心損傷が起きると書かれているのです。
この条件では、通産省の独立行政法人『原子力安全基盤機構』は、ほぼ確実に炉心損傷に至ると判断しいるのです。
また高さが13メートルの防波堤があった場合では波高15メートルで一番被害が大きいとしていますが、福島第一ではこのような防波堤は存在していません。
この想定が正しいなら、矢張り原発を襲った津波の波高は当初報道のとおりで、7メートルが正しいでしょう。
福島第一原発の南50キロの福島県いわき市では4メートル弱(小名浜で3・3メートル)程度の津波高です。

『東北電力女川原発との違いとは』

福島第一の北120キロに位置し大震災の震源地に一番近かった東北電力の女川原発は敷地高が14メートルで、東北電力が発表した津波高が13メートル。
原発敷地の方が1メートルも高かったのですが、海側にある取水口から海水が逆流して炉心格納容器ビルが浸水して非常用デーゼル発電機が水没して機能せず、全電源喪失の東電の福島第一と全く同じ損傷を受けているのですよ。
ところが大きく結果が違って仕舞った。
福島第一では地震で敷地内の鉄塔が倒れた為に外部電力が絶たれたが、東北電力の女川ではこの外部電源が維持されたのです。
福島第一と女川原発の違いは、基本的にこれだけですね。
直接的な津波被害と言うよりも、安全神話に惑わされて、対策を惰り津波に対する基本的想定をしていないのですね。
『想定外』どころか、非常用の発電機が両方ともが、取水口から逆流した海水で浸水して動かないお粗末過ぎる無責任事故です。
津波高ですが、これを計る潮位計は海の側にあり津波の高さを測定するもので、押し寄せた津波の高さは海底地形に影響されます。
ところが上陸してからの津波は地形によって影響され数十メートルの高さまで遡上するのですが、これは遡上高で、沿岸に設置された潮位計とは大きく違ってきます。
それなら東北電力女川原発は潮位計の津波高を発表している。
ところが東電は『遡上高を発表した』と善意にも解釈出来ます。
しかし、その東電も津波到来時(地震直後の当日)には東北電力と同じ潮位計の基準で7メートルと発表している。
原発事故の深刻化で、当初の潮位計での測定値を黙って『遡上高』14メートルと2倍に大き目に修正している形跡が残っている。
これは実は気象庁も同じで地震のマグニチュードの計測方法を、当初の気象庁マグニチュード8・4を、原発の深刻化が明らかになると数値が大きくなる様にモーメントマグニチュード9・0に変えている。(KM8・4とMM9・0は同じ数値)
何も基礎知識が無いと、数値が大きくなった理由が『計測方法が違うから』だとは普通判りません。
想定外の未曾有の『トンデモナイ大きな地震や津波だった』と誰もが思います。
ですから発表するときに、前の低い数値と現在の高い数値は『計測方法が違う』と明らかにしないと、絶対に駄目でしょう。不真面目すぎる。
別の『物差し』を途中から変えて使った理由ですが、『想定外だった』との言い訳の為の印象操作疑惑が濃厚である。

『1999年の東海村臨界事故後、新宿思い出横町に張り出された落書』

日本の放射能は安全です! 
いくら漏れても大丈夫。
原子力への信頼回復にとって大事なことは国民の皆さんが『とにかく信じること』です。
大丈夫!何度事故が起ころうとも
原発開発は揺らぎません!
原発の必要性確保のためにも、電気温水器をよろしく。
元気を大切にね  東京電力

過去のブラックジョークの『落書』が今現実化するとは。唖然呆然。
絶句するしかない。
3・11当日は、巨大地震でも大津波でも『原発は安全で何の心配も無い』と繰り返すばかり。
原発爆発事故当初は、『爆発したけど放射能漏れの危険はありません、安全です。』
汚染物質の大量放出が明らかになると、『放射性物質漏れたけど、水や食物の汚染はないので安全です。』
放射能汚染が明らかになると、『胸部レントゲンと比べたら安全です。』『大量に食べ続けない限り安全です。』『ただちに影響は出ない。』
原発事故の収束の目途が立たない現在は、首相も官房長官もマスコミも口を揃えて自信満々で『大丈夫、大丈夫。』『放射能は安全です。』と繰り返す。
まさか自分が生きている間に、『放射能は安全です』の品の無い悪いジョークを政府やマスコミが繰り返す世の中が来るとは、幾らなんでも思っていなかった。
この何年も前の落書が丸々今、そのままの形で実体化しているのです。この未曾有の無責任の連鎖反応『日本国』の不幸はまだまだ続く。
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4 コメント

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東京電力の事故責任 (もえおじ)
2011-05-02 13:51:25
東京電力の清水正孝社長は『事故原因は未曽有の大津波だ』と述べましたが、実際には、津波の及ばない地域にあった「夜の森線の受電鉄塔1基が倒壊して全電源喪失した」ことが事実だったことが暴露されました。 経済産業省原子力安全保安院の寺坂信昭院長も、4月30日に、この鉄塔が倒壊しなければ電源を融通しあうことで全電源喪失に至らなかったことを認め、全電源喪失の原因が津波にないことが明らかになりました。

東京電力は、事故原因を津波のせいにして国民を騙して責任逃れをしようとしたことを謝罪し、事故の責任を取る必要があります。 放射能健康被害の可能性についても、避難区域のすべての胎児(妊婦)、乳児・幼児に対して、診察と経過観察(および、治療)を東京電力の負担で行なう義務があると考えます。
異常に巨大な天災地変による損害は例外 (宗純)
2011-05-02 17:18:32
もえおじさん、コメント有難う御座います。

米倉弘昌経団連会長は、『原発は国策だった。安全基準は国が定めたもので東電はそれに則って正しく行っているから、責任は無い』とまで言い切っている。
経団連や東電ですが、未曾有の大災害であり想定外で、東京電力自体が被害者であるとの余りにも厚かましくもあり、究極のモラルハザードの無責任な態度の様です。
自分が原発事故の加害者ではなくて、大震災の『被害者である』と主張したいのですよ。
本当に腹が立ちますね。
だから今まで不思議な隠蔽工作や巨大津波であったとの印象操作に励んでいる。
そしてこの東電の犯罪行為に、政府やらマスコミやらが全面的に応援しているのです。
だから、何倍も腹がたつ。
原子力損害については電力会社の無過失賠償責任が定められています。
これは当たり前で、長年国民に『原発は絶対に安全です』『放射能は絶対に漏れません』と今まで大嘘を言い続けていたのですよ。
ですから原発からの放射能漏れに対しては、たとえ無過失でも厳しい賠償責任が生まれるのです。
これは個人の失火などの火災での延焼では、重過失で無い限り『賠償責任が無い』のとは大きな相違です。
この原子力災害の損害の『無過失賠償責任』には例外規定が予め定められていて、未曾有の予想不可能の『異常に巨大な天災地変』による想定外の損害は例外とされています。
今、経団連や東京電力は『未曾有の天災で想定外』を主張していて、電力企業ではなくて国家による賠償を期待しているのですよ。
しかも困ったことに国は、この東電のインチキの色々な嘘やハッタリ、印象操作を暴く代わりに協力さえしている節があるのです。
今回の経済産業省原子力安全保安院の寺坂信昭院長の発言も4月30日以前の遥か前から判っていたことですよ。
吉井議員に追求されたので仕方なく、今回渋々本当のことを明らかにしただけです。
巨大地震や津波ですが、この地域は100年ごとに確実に繰り返し起きている。
1000年に1度の大地震も繰り返し起きていて前回のは1100年前に起きているのですから、それなら、時期的に1000年間も間隔があいているのですから、
今すぐにも大地震や大津波が起きると想定するべきだったのです。
電力会社の未必の『過失』(怠慢による過失)は明らかですよ。
しかも、ここで言う『異常に巨大な天災地変』というのは、一般的な意味の『不可抗力』のレベルを超えた『通常では想定できない特別な事象』のことで、例えば恐竜を絶滅させた巨大隕石の落下ような『例外』のことです。
そして、その例外の場合には当たり前ですが、電力会社など企業責任どころか、国家であれ誰であれ、賠償責任は無いとされている。
考えて見れば当然で、賠償したくても賠償のし様が無いのです。

今回明らかになるつつある子供に対する文科省の罪は重大であり、許可した原子力安全委員会の承認なるものも、文科省の要請からたった2時間で出されていて会合も無ければ議事録も無い、
単に安全委員会事務局の官僚が勝手に出した可能性が高いでしょう。
いったい委員の内で誰が賛成したかを明らかにする義務があるでしょう。
この20ミリシーベルトの上限枠には斑目安全委員会委員長までが何やら不服であるらしいですよ。
無情 (紫煙)
2011-05-03 01:06:38
毎々の鋭いご批判に感嘆いたしております。
今も現場には女性の作業員があるようで、成人男子に限られた被爆量の作業環境のはず。警察も検察もいったい何をしているのでしょう。フクシマはまさに無法地帯と言えます。
福島市に友人がありますが子供に対する20ミリシーベルトの要請は福島県サイドからあったとの情報に「さもありなん」とあきらめ顔。。。竹やりでB29を突き落とす思想は変わらないようで、何よりもやるせない思いをします。
破壊からすら何も生まれないのではないか?そんな無力感に犯されています。
チェルノブイリでは10日間で収束 (宗純)
2011-05-03 15:07:36
紫煙さん、コメント有難う御座います。

福島第一原発の事故から50日ですが、何時収束するのかの『見込み』程度さえさっぱり判らないのが現状です。
管直人首相が『10年から20年』と口を滑らした後で飯舘村村長から批判され、必死になって否定して見せましたが、
政府やマスコミは緊急避難で原発事故はレベル4程度であり大したことはないし『直ぐ収束する』(短時間で住民が帰れる)とのニセ情報を流したのです。
だから住民達は全ての持ち物を置いたままで着替えさえ持たずに大慌てで避難した。
避難は数時間か最悪でも数日だと思ったので、ペットの犬は鎖につないだままで置いてきたので多くが餓死したらしい。
この事実を知っている福島県の飯舘村の村長が首相の『10年~20年』発言に強く反発した。
最初からレベル7ならこんな不思議な失態はそもそも絶対に起きていないのです。
チェルノブイリでは25年経っても放射能の汚染程度はそれほど下がらず30キロ圏内は未だに立ち入り禁止です。
ですから管首相の発言さえ安易に過ぎる、短い甘すぎる見通しでしょう。
事故の収束(原子炉の冷温停止)さえ数年間はかかりそうだと、福島第一原発4号機を造った日立の社長が語っているのです。
事故の収束には年オーダーであり、住民の避難は数十年では無理でしょう。
今政府が一番緊急に行うべきことは、汚染地域からの全住民の疎開が必要なのです。
汚染レベルが低くて我慢できる地域と、そうでない地域との線引きが必要になる。
住民ですが原発から3キロ圏に居住していた人々でさえ、『早く帰りたい』と思いながら毎日避難所で暮らしているらしいのです。
何とも痛ましい話ですね。

私のアルカイダでは無い友人の友人の話なのですが、末期癌で到底助からないことが判るが、本人には知らせずに極身近な少数の人たちだけにはコッソリと知らしたのです。
『このごろ女房が急に優しくなった。
前から欲しかった大型二輪を買うことが出来た』と嬉しそう語るのを聞いているのは辛かったそうです。
これは何とも切ない話ですね。私の連れ合いが少しも優しくないのは、本当はこれ以上無い、良い兆候であり『実は幸せなことなのだ』と日々毎日自分自身に言い聞かせて納得しております。

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