(前回からの続き)
つい先日、最高値を付けた仮想通貨「ビットコイン」(Bitcoin)について思うことを綴ってきましたが、あらためて痛感させられるのは、その高騰の真因であろう(?)投資家の中央銀行の金融政策に対する不信感の高まりです。「通貨の番人」と呼ばれるように、通貨の信認≒価値を保つのが中銀そもそもの役割のはず。にもかかわらず世界の主要中銀―――米FRB、ECBやBOE、そしてそんな必要から一番遠いはずの(?)日銀までがこぞってこれに背を向けるかのような通貨増刷(インフレ)政策に走りました。「これでは世界のどの通貨の価値も時の経過につれて劣化してしまう、よってこれら以外に価値保存に適した何かに資産を振り分けよう」・・・で、ビットコインが買われる、といった感じでしょうか。
まあビットコイン・・・を含めたあらゆる仮想通貨には先述したことを含めてさまざまなリスクが想定され、実際にドルとか円に代わる通貨になり得るのか、現時点では不透明過ぎて、個人的にはいまの価格には相当にバブリーな印象を受けます。いっぽうで、ビットコインの人気ぶりに各国中銀は危機感を持っていただきたいとも思うわけです。それだけ中銀の政策と通貨に対する信頼が広く低下していることの表れですからね。だからといってビットコインの使用を「市場を混乱させるもの」(本音を代弁すれば、自身の独占的な通貨発行権を脅かすもの?)などといった名目で一方的に禁止したりするのには賛成できません。そうではなく中銀には「物価の安定と金融システムの安定を目的とする」(日銀HP)本来の姿に戻ってほしいと願うわけです(とりわけ日銀には)。そうすれば通貨の信認(価値保存機能など)が回復し、ビットコインに流れたマネーが当該通貨に回帰するので、仮想通貨の広がりは自ずと収束すると思いますよ・・・(?)
・・・って書いたところで、いまの中銀にはそんなこと無理でしょうから、やはりインフレに対する備えはしておかないと・・・って、いつもの結論、ここはやはり「金」(ゴールド)の保有がいちばん無難かと・・・(投資判断は自己責任でお願いいたします)
(「『ビットコイン』高騰で分かる既存通貨への不信感の高まり」おわり)
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