(前回からの続き)
仮想通貨「ビットコイン」(Bitcoin)がここのところ急激に注目され出したのは、これが取引の透明性とか匿名性といったリアルなおカネと同等の利点をある程度備えていることに加え、特定の国や中銀の管轄下にはないこと、さらに発行上限(2100万枚)が設定されていることなどの点が評価されたためだと考えています。
前回書いたように現在、世界の主要中銀は通貨増刷(インフレ)策を進めている最中です。米FRBこそQEを停止していますが、こちらの記事等で綴った理由などから、近いうちに4度目のQE再開に踏み切るしかないでしょう(?)。というわけでドルとか円といった既存通貨が今後も無限に(?)発行される可能性が高いなか、一定数以上は作りません!としているビットコインの価値保存力はイヤでも高まるに違いない・・・との憶測につながって投資マネーがビットコインに流れ込み、その価格が高騰を続けている、といった感じでしょう。
通貨と同じような使い方ができて、かつ発行・流通量に限りがある―――このあたりのビットコインの特徴、じつは本ブログで何度も所有を推奨している「金(ゴールド)」のそれに近いものがありますね。金はまさにそうした資産です。世界のどこでも「換金」できますし、紙のおカネと違って新規採掘&リサイクル以外に意図して増やしたりはできないわけだから。そのような意味で金は究極の「安全資産」といわれることが多いですが、これは有事等でも価値が揺るがないという意味と、とくに最近では中銀が引き起こす上記、人為的な通貨の劣化リスクからフリーだという意味と捉えるべきでしょう。
さて、ビットコインが金の上記特性をも備えた「通貨」としてこの先も投資家に支持され、値上がりしていくのか? 正直・・・よく分かりません。というのも以下に綴るようなポジティブ面とネガティブ面とがあって、どちらが優勢になるかによって評価が乱高下しそうな気がするからです。前者で指摘できるのは、何といっても上記インフレリスクで、これは不可避的でしょう(?)。となれば金はもちろん、無限増刷が可能なドル等の通貨に対して2100万枚「しか」発行されないビットコインの希少性もまた、時を経るごとに高まり、その価格が上昇するとの予想が成り立ちます(?)。
他方、後者についてもいろいろと想像ができそうです。たとえば・・・ビットコインを脅威とみる各国の金融・通貨当局が(結託して?)自国におけるその使用を禁止する、なんて展開は十分に想定し得るでしょう。ビットコインを介した取引の広がりを容認したら・・・わが国であれば消費税収が激減してしまうかもしれませんしね(?)。その他、悪意あるハッキングにより先述システムが破壊され、価値交換とか保存の手段としての信認を失ってしまうといったリスクも考えられます(って、この場合のハッカーは各国中銀のエージェントだったりして?)。