なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

痒みに新薬

2017年04月22日 | Weblog

 消化器病学会のモーニングセミナーで経口そう痒症改善剤の話を聴いた。販売準備中のナルフラフィン塩酸塩(レミッチOD錠2.5μg)。適応は血液透析患者のそう痒症慢性肝疾患患者のそう痒症の改善。

 もちろん消化器病の話なので、慢性肝疾患で使ってくださいという内容。慢性肝疾患(慢性肝炎・肝硬変)の4人に1人が痒みを訴える。痒みに対しては、まずは保湿剤を処方する。次に、「末梢性かゆみ」に効く抗ヒスタミン薬・抗アレルギー薬を処方する。

 それでも症状が治まらないと、ステロイド外用薬も処方するが、「中枢性かゆみ」に効くレミッチを処方する。オピオイドκ受容体作動薬ということだ。ただし、1Capが1346.30円と薬価は高い。1割負担の患者さんになら出せるか。

 確かに痒みに対しては、あまり本気になって治療していない(というか、よくわからない)。直接診ている肝硬変の患者さんは以前よりぐっと減ったが、痒みを訴えていた。処方は、保湿剤常用+ステロイド外用薬頓用追加+抗アレルギー薬。

 痒みの客観的な評価としては、「川島の重症度分類」とVAS(0~100mmの長さで表現)がある。川島の分類は初めて聞いた。0~4点でスコア化していて、4点が「いてもたってもいられない痒み」、3点が「かなり痒くて人前でも掻く」、2点が「時に手がゆき、軽く掻く」、1点が「時にむずむずするが掻くほどではない」、0点が「ほとんどかゆみを感じない」。けっこう主観的だが、使えそうだ。 

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