なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

自衛隊員のミオパチー

2017年02月03日 | Weblog

 昨日は感染管理の相互評価で、隣の市にある小規模な病院(2に相当する病院)に出かけた。係りの先生は外科医だったが、療養病床を担当していて、内科的な診療もされている。誤嚥性肺炎でも重症ではない時は、口腔ケアや喀痰吸引などを行って、最初から抗菌薬を投与しないで経過を見ることにしているという。感染管理の指導を受けるために、大学病院の感染症科の先生を呼んでいるという感染症・感染管理に熱心な病院だ。

 培養結果を見せてもらうと、MRSAやESBL産生菌(大腸菌、プロテウス・ミラビリス)が多いようだ。この病院の1/3は地域の基幹病院からの転院で、散々抗菌薬を使った後の患者さんが回されてくる。当院からもそこまで多くないが、療養病床へ転院させてもらっている(胃瘻造設による経管栄養や高カロリー輸液の高齢者)ので、申し訳ありませんというしかない。

 出かける前に、救急室の前に迷彩服を着た3名の自衛隊員が待機しているのが見えたので、自衛隊員が外傷で運ばれたのかと思った。戻って来てから聞くと、内科に入院したそうだ。担当医の話では、今日雪の中をスキーで訓練していたという。当然滑って遊んでいたのではなくて、スキーでの行軍だ。全身のしびれを訴えて、救急搬送されてきた。

 しびれというが、四肢が動かしにくくなったということのようだ。CK4591・AST63・LDH362と筋原性酵素が上昇していた。BUN・血清クレアチニン・電解質は異常なく、尿潜血陰性で、心電図も異常なしだった。2週間前に風邪症状があったが、ここ数日はない。訓練の程度は普段通りというが、スキーでの訓練は久しぶりということだった。

 念のために?とった頭部MRIでは、拡散強調画像で5mmのラクナ梗塞が淡く出た。他の画像でも出現していて、少し古いfresh?。今回のエピソードとは直性関係ないと思われるが、1週間くらい脳梗塞急性期の治療をしながら、筋原性酵素の推移をみることになった。

コメント
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