なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

筋炎は筋炎だが、何だろう

2014年04月01日 | Weblog

 昨日79歳男性が左膝の痛みで動けないと救急搬入された。実際に来てみると、膝関節は問題なく、年齢にしてはきれいな膝関節が撮影された。痛いのは左下腿だった。腫脹していて把握痛がある。左大腿は把握痛がない。左上腕に把握痛があった。もっとも、内科の若いが担当んいなったが、その先生が問診をとったり、診察した時は両側大腿部が痛いような話だったらしい。3日前から筋痛がひどくなったが、半年前から左下肢の動きがおかしかったとも言っていた(これも1月からとも言っていたらしい)。

 CKが2万と著しく上昇していて、ASTとLDHも上昇していた。白血球数増加とCRP高値もあって、筋炎には間違いない、外傷はないという。さっそく抗核抗体や抗体Jo-1抗体が提出された。一人暮らしで行政の方で訪問していたということで、痛みがひどくなってから食事をとっていないので、腎前性腎不全も呈していた。ミオグロビンが尿細管に詰まって一気に腎障害が進行するのが危惧された。

 今朝は神経内科医に相談して、基幹病院の神経内科医と相談してもらった。その病院でPCIを受けて通院していたが、1月の血液検査ではCKが正常だったそうだ。検査結果が出そろうまで、点滴で経過をみてほしいということだった。

 今日は昨日より検査結果としては改善していて、CKは8000で他の酵素も下がってきていた。腎機能も少し軽快している。多発性筋炎でなければ封入体筋炎もあるという話になった。先日封入体筋炎で通院していた女性が誤嚥性肺炎で死亡したばかりだった。同じ先生が主治医になった患者さんで、封入体筋炎疑いで大学病院の神経内科に転送した患者さんがいた。その他にも筋炎症状がある膠原病の患者さんもいて、頻度からいえば随分当たるなあと言っていた。ちなみに、私は初診で多発性筋炎の患者さんにあたったのは1例しかない。

コメント (1)
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