伊東良徳の超乱読読書日記

雑食・雑読宣言:専門書からHな小説まで、手当たり次第。目標は年間300冊。2022年に続き2023年も目標達成!

情報を活かす力

2017-05-24 01:09:09 | 実用書・ビジネス書
 元NHK記者の著者が情報収集とその評価・活用について論じた本。
 情報収集では、誰かに説明するつもりで(アウトプットを意識して)行うことで、きちんと理解し、知識が自分のものになる(20~22ページ)、取材は現場でどんな原稿になるのかを考えながら行うことで情報の漏れを防ぎ情報の確度(どこまでが確認が取れた情報で、どこからが推測や意見なのか)を判断する癖がつく(194~196ページ)、ネットでの情報収集では信憑性の関係で数をあたる(検索上位の記事数件で判断しない)、自分と同じ意見ばかり見ていないか気をつける(83~85ページ)、ウィキペディアは間違っている可能性を常に考える(85~87ページ)等を頭に置いておきたいところです。
 私には、人から話を聞き出す取材・インタビュー術の第2章が、仕事がら気になるところです。漠然とした聞き方をせずにきちんと検討した上で仮説をぶつける(それに対する反応を見る)、その際にも謙虚な姿勢で聞く:素人なので間違っているかもしれませんがという姿勢で聞く、相手の話を聞きたいという気持ちを態度で示す、目線は相手の目線の高さに合わせる、教えを請うという姿勢で聞くなど。今ひとつ自分には向いていないというか、なかなかできないんですが、頭には入れておきたい。質問をよく練る、みんなが聞きたいことは何かを意識する、聞きにくいことは世間にはそう思っている人がいるがとかそういう意見についてあなたがどう思っているかを聞きたいという形で聞くなども、参考になります。
 情報発信では、書き上げた原稿は寝かせる(226~228ページ:書いた時点では高揚感や達成感でいい文章に見える)、必ず一度プリントアウトして推敲する(230~233ページ)、も鉄則だと思います。「プリントアウトすると、まさにそれは“他人の文章”になるのです。客観的に眺めることができます」(232ページ)といえるかはなんともいえないものが残りますけど。


池上彰 PHPビジネス新書 2016年7月1日発行
コメント
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