伊東良徳の超乱読読書日記

雑食・雑読宣言:専門書からHな小説まで、手当たり次第。目標は年間300冊。2022年に続き2023年も目標達成!

21世紀の脳科学 人生を豊かにする3つの「脳力」

2016-06-03 23:49:59 | 自然科学・工学系
 人間が進化の過程で、一人では生きてゆけない故に保護者から放置されることを苦痛と感じ他方保護者(親)は我が子の世話をすることを報酬(喜び)と感じ社会的つながりを持つという「つながる」脳力、他者と協力し集団をスムーズに運営するために他者の心を理解し共感する「心を読む」脳力、自分自身が外部の価値観や信念に従って考え行動することで社会の調和を作り上げる「調和する」脳力という人間が社会を形成し協力することに資する3つの脳力を獲得してきたということについて、心理学の実験等を紹介しながら解説する本。
 人間が何もせず休んでいるときに、「脳は空き時間を使って、もっぱら社会について考えているのだ。私たちが意識するしないにかかわらず、脳は社会から受け取った情報を処理(そしておそらく再処理)して、社会的に考え、社会的に行動する準備をしているのかもしれない。長年の知識に新しい体験を組み込んで、友だちや友人どうしの関係や、自分と彼らとの関係について考え直したり、いろいろなやりとりから新しい情報を引き出して、他者の心の状態を読み取る法則をアップデートしたりする」(31ページ)、このような脳のデフォルト・ネットワークを働かせることで人間は社会性を獲得し高め、社会生活をうまく行えるようになるのだそうです。ボ~~ッとしている時間が大切だということですね。電車の中でも寸暇を惜しむように読書にいそしむ私は…ましてや電車の中でも寸暇を惜しんでスマホをいじり続ける人々は…


原題:SOCIAL : Why Our Brains Are Wired to Connect
マシュー・リーバーマン 訳:江口泰子
講談社 2015年5月20日発行(原書は2013年)
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