伊東良徳の超乱読読書日記

雑食・雑読宣言:専門書からHな小説まで、手当たり次第。目標は年間300冊。2022年に続き2023年も目標達成!

事例から学ぶ住民訴訟

2014-04-14 19:52:02 | 実用書・ビジネス書
 公務員の研修を想定して、住民が自治体(都道府県、市町村等)の違法な公金支出に対して行う住民訴訟の裁判例の事例を取り上げて、どのようなケースが裁判上違法とされ、どのようなケースでは違法でないとされたのかを検討し、日常の行政事務の判断と取るべき手続の参考とすべく説明する本。
 この「著者」の異常に長々とした名称からもわかるように、いかにもお役所の利害だけを考えた本です。
 さまざまな事例が紹介され、裁判所の判断もさまざまで、行政の幅広い裁量を認め行政の便宜と事情に最大限配慮したケースが多々ある一方で、規定の文言を厳格に解して融通を利かせることを戒めるものも見られます。そこは統一的な基準を読み取りにくい感じもしますが、行政に厳しめの判断をしたケースでは、条例の規定ぶりがポイントになっていることが多いような気がします。行政側が周到に条例の文言や制度を作り込んでおけば行政が好きにやれるということなのかとか、また訴訟を起こす場合は地方自治法だけではなくて条例をよく検討しておく必要があるのだなぁという感想を持ちます。


財団法人大阪府市町村振興協会おおさか市町村職員研修研究センター(愛称:マッセOSAKA)共同研究「訴訟対応研究会」編
時事通信社 2008年10月15日発行
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする