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自国優先主義と世界企業

2016-06-24 04:04:20 | Peace Cafe

世界が自国優先主義にかじを切ろうとしていると言われる。同時に国を超えて活動する企業は利益を求めて、国の利害とは別に活動する。両者は相反するもののように見えるが、実は同じく拝金主義に突き進んでいる姿だ。トランプ氏が日本の米軍の駐留経費を100%日本が持つべきだと主張する。アメリカ軍の日本駐留の意味は日本の防衛と、アメリカの世界戦略における基地利用との、比較の結果半々ぐらいだろうと私なら見積もる。ところが、引き上げると言えば、日本はおびえて100%経費を出すだろうと考える、商取引の精神なのだろう。利益を徹底して求める、資本の動きと瓜二つである。この利益優先の拝金主義の行方が問題なのだ。松下幸之助氏は日本の高度成長を支えた経営者であるが、相手側の利益を守ることが、結局のところ自分の利益にもなるという考え方を語っていた。風呂の水をいくら自分の方にかき寄せても多くはならないと。

アメリカの自国優先主義が果たしてアメリカの利益になるのだろうか。アメリカが日本から引き上げ、自国に戻ることは大賛成である。アメリカが沖縄を占領していた理由は何だったのだろう。アメリカに対してアベ氏は日米地位協定の見直しを主張できなかった。同じ敗戦国であるドイツは地位協定の見直しに成功している。アベ氏には米軍の引き上げが恐怖なのだ。どれほど差別的な事態が起きたとしても、地位協定に言及することができない。米軍は再発防止策を何も示さない。アメリカは地域協定の運用の見直しでなどとごまかしている。要するに米軍基地をアメリカ国内と同様に使い勝手良く使いたいからだ。それは沖縄の駐留米軍が、アメリカの為でもあるという事を良く表している。日本の為だけに米軍が駐留しているというのであれば、地位協定などなくし、自衛隊の下部組織として米軍に駐留してもらい、安倍総理大臣の指揮下に入ってもらえばいい。

世界平和に向けて世界は展望を持つ必要がある。G7から排除されている、中国とロシアという大国の立場に対して、敵対ではなく友好的関係をどのように高めてゆくかの道筋を探らなくてはならない。アメリカがトランプ大統領になった時に、世界は戦争の時代に入りかねない。日本は安保条約に基づき、アメリカの戦争を手伝わなければならないのである。日本から米軍を引き上げると脅すことだろう。いよいよアメリカの姿は、中国やロシアと少しも変わりがなくなる。つまり自国優先主義である。自国の利益だけを主張して、相手側の利益が見えなくなるのである。戦争の背景には必ず自国優先主義が存在する。自国民の利益を正義とする。世界企業の姿はまさに自分優先主義そのものである。風呂の水をかき寄せているあさましい姿である。世界はますますせちがらくなり、相手を思いやる余裕を失い自国主義に閉じこもる。

田んぼに水争いが付き物である。足りないものをどのように分け合うかで、常に争い、妥協を重ねる知恵を出して来たところだ。江戸時代は知恵を出し合わない限り、地域では暮らして行けなかった。自分優先だけでは自分も滅んでしまうという事になる。妥協に次ぐ妥協で地域の暮らしは成立する。それが美しい日本の、瑞穂の国の文化である。7対3で相手側から見れば5分5分である。相手を慮ることで自分も生き残れる。富裕層は合法的であるという言い訳の中、タックスヘブンを利用する。こうした拝金主義は資本主義の行き着く一つの岸辺である。自分の国さえ良ければの根底には、自分さえ勝てればいいという事がある。しかし、その先に有る者は間違いなく世界の行き詰まりである。暴力の世界である。どのように資本主義を正すか。自国優先主義が軍国主義に進まないようにできるか。自国優先主義と、拝金主義という危機が迫っている。


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