CLASSIC ROCKを聴こう! PLUS

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一択の人生、雪列車

2016年12月05日 | 特になし
年を重ねると、昔あったことをよく懐かしむようになってくる。

あの時こうしておけばよかったのになんて、チョット後悔するときも有る。

ところでSFにパラレル・ワールドって言葉が良く出てくる。

過去に普段まったく思いもよらぬ決断や行動を起し、それがきっかけで枝分かれした別の世界が形成されるって概念で、もし本当に存在するのなら野次馬根性でチョイと覗いてみたい気もするのだが…

しかし個人的には、そう言った世界は存在していないと思う。

人生と言うものは一通りしかなく、過去に色々と分かれ道があったように思うのは錯覚で実際は一択しかなかったのではなんて…

生まれたとき既にその人の運命は決まっていて、偶然ではなく予め牽かれた線路の上を必然的に歩いているように時々思う。

前川清がクール・ファイブから脱退し、1982年にソロ・デビューした。

記念すべき初シングルは、作詞糸井重里、作曲坂本龍一の異色コンビによる冬になるとよく思い出す“雪列車”だった。

この歌良く出来ていて、昔懐かしい日本のメロディにのせて感情移入させる詞を前川清が淡々と歌い、なかなか惹かれるものが有る。

マイクが有るなら、マイクを握った手の小指を立ててつい歌いだしてしまいそうな。

サビの部分の、
“サヨナラが夢なら引き返すけど、あの頃が夢ならばこのまま行く
暖かいものを何かください、心も体も寒すぎるので”
という箇所に注目。

夢のようなあの頃は確かにあったのかもしれないが、サヨナラの言葉は夢なんかじゃなく現実で、引き返すことはならず、線路の上を走る雪列車に乗っかりこのまま行くという、心に寒さが凍みる冬の情景が浮かぶ。

なるほど、心も体も寒すぎるってつい言っちゃったから、私の場合、年中暑い南国に島流しされたって訳か!

やっぱり人生って、引き返すことの出来ない一択だったんだ~