どんまい

いろいろあるけれど、それでいい。

河童のかわぐちくん(4)

2011年02月25日 | rakuunanzyuku
川の底が目で確認できた時点で、
俺は河童の肩から飛び降りて、
「グンバズラアアアアア」って、
訳のわからない奇声を発しながら一目散に逃げた。
後ろも振り向かずにな。

そこにTシャツがあることも忘れ、
靴があることも忘れ、
自転車があることも忘れて、
とにかく猛烈なダッシュをかました。
たぶん、今まで、走った中で一番速かったんじゃないかなあ。

人も車も通るような大きな道路まで走って、もう大丈夫だろうと後ろを見た。
河童の姿はなかった。
逃げている時も、もしかしたら河童は追いかけてこなかったのかもしれない。

海パンだけの姿で、家に帰ることにした。
アスファルトを裸足で歩くのは痛かった。

夕飯の頃には、
いつもの夏休みに戻って、
気持ちも落ち着いたけれど、
同時に罪悪感が沸き起こってきた。

俺は命を助けてもらったのに、
化け物を見るみたいに逃げて来ちゃったなあって。
あの河童は、良い奴だったんじゃないのかなあって。

夕飯を食べた後も、風呂に入っている最中も、布団に入ってからも、
あの河童に悪いことをしたなあって、何度も、何度も思った。

川に置いてきた自転車と靴のことも思い出した。
取りに行かないと、かあちゃんにばれたら怒られるだろうなあと思った。
河童から逃げて来たから、自転車をなくしたなんて、かあちゃんは信じないだろうし。

もう一回、川に行ったら河童に会えるだろうか。
明日、川に行ってみよう。
会えたら、河童にお礼を言おう。
そう決めたら眠気が襲ってきた。



※「グンバズラアアアアア」は、実際に友達が発した言葉ですが、その他の物語はフィクションです。


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15杯目のカツゲン

2011年02月24日 | hokkaido
2ヶ月ぶり15杯目に飲む新作のカツゲンはマスカット味。

マスカット?
前に飲んだ気もするなあ。
15杯目にもなると、何味のカツゲンを飲んできたかを覚えていない。
パッケージをよくよく見るとマスカットカツゲン2011と書いてある。
2011年、新バージョンのマスカット味ってことか?
つまりは同じ味の繰り返したか?
そんなことを考えながら、これまで書いてきたカツゲンをブログ上で確認してみる。

ぶどうカツゲンは飲んでいたが、
マスカットカツゲンは、今回が初めてだった。
やるな、カツゲン。

その肝心の味なわけだけど。
まろやかなマスカットジュースって感じ。


果物の数だけ、カツゲンの数もある。
15杯目にして、そんなことを思う。



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河童のかわぐちくん(3)

2011年02月23日 | rakuunanzyuku
まもなく高校生活が終わろうとしていた高校3年の2月。

僕はかわぐちくんと二人で家に帰るところだった。
僕は、何となく、頭に浮かんだ言葉をかわぐちくんに言った。

「かわぐちくんって、自分のやりたいって思ったことをあきらめないよね。今まで出逢った人の中で一番だわ」

かわぐちくんは、少し、何かを考えているようだった。
そして、「こんな話、誰も信じてくれないと思ったから、今まで、話したことがなかったけど、坂本なら、信じてくれそうだから話すわ。あきらめが悪くなったきっかけ」と言った。
きっかけなんてあったんだと思いながら僕はかわぐちくんの顔を見た。



小学生の頃の話なんだけどな。
当時、俺、水泳が苦手でさ。
まったく泳げなかったんだわ。
泳いでいる格好も無様だったらしく、
クラスのみんなは、俺の泳ぐ姿を見て、
「溺れるぅ」って腹を抱えて笑いやがった。

ついたあだ名が『ハンマーブロス』。
スーパーマリオに出てくるだろ?ハンマーブロス。
クッパのちっちゃいやつな。
泳げない人のことを金槌って言うのを知っていた奴がいたんだな。
それから俺は、水泳とともにスーパーマリオが嫌いになった。
俺、クリアしてないからね。スーパーマリオ。

その年の夏休み。
俺は泳げるようになりたくて練習しようと思ったわけよ。
夏休みあけの水泳授業で、また馬鹿にされるのも嫌だろ?
だけど、プールにいくと誰かかれかに会うし、
プールは避けて、川で練習をしようと思ったわけ。
プールより川の方がおもしろそうだし、
川なら、水泳帽も被らなくて良いし。
何せ、馬鹿にされることもないし。
ズボンははかないで、海パンのまま自転車にまたがって川を目指した。

いなかった?
水泳授業があるからって、海パンを履いて学校に来たはいいけれど、
水泳授業が終わって、パンツを持ってくるのを忘れて、帰るまでノーパンだった奴。


まあ、そんなわけで、
川に入って、泳いで、
疲れたら小さい魚を探して、
一人で遊ぶっていうのを何日間か続けた。

ある日、
足が川の底につくっていうのを確認しながら泳いでいたんだけど、
知らず、知らずのうちに、深くまでいっていたんだな。
泳いで、足をつこうと思ったら、川の底に足がつかないわけよ。
もう、その時点でパニック。
やばい、やばいと思いながら、足をバタバタさせるだけでさ。
水は飲んじゃうしでね。


もう死ぬかもしれないと思った、その時、
俺の体が水面から出たのよ。
助かったあって、ふと我に返ったら、誰かが肩車してくれていることに気づいた。
ゆっくり、ゆっくり、川の外に移動しているのがわかった。

川から出てびっくり。
肩車をしている人を見たら、
人じゃなくて河童。

緑色の河童だったわけよ。


またパニックな。




※この物語はフィクションです。




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河童のかわぐちくん(2)

2011年02月22日 | rakuunanzyuku
そういうわけで、僕の友達、河童のかわぐちくんの話なんだけど、
かわぐちくんが河童というわけじゃあない。
かわぐちくんは人間だ。
今まで、出逢ってきた人達の中で、ひときわ、あきらめの悪さにかけては群を抜いている男。
かわぐちくん。

そのかわぐちくんと僕は高校の時に出逢って友達になり、
そのかわぐちくんから聞いた話に、
川で溺れていたところを河童に助けてもらったって話がある。
僕のお気に入りの話だ。

そのお気に入りの話をする前に、
少しばかり、かわぐちくんのあきらめの悪さの話をしたい。
あきらめが悪いというか、粘り強いというか、
僕は、かわぐちくんのそんなところが好きだ。

小学か中学の卒業文集に『世界一周旅行をする』って書いらしいんだけど、
高校の時も、何度か言っていた。「世界一周旅行をする」って。
その時、「やりたいことなんて、そうそう、見つからないからさ。大切にしたいんだよね」とも言っていた。

あと、高校の時に好きになった人ってのが先生だったんだけど、
食事に誘って見事に断られたこともある。
男子生徒から人気がある先生だったんだけど、
食事に誘ったのは、僕の知るところでは、かわぐちくんしかいない。
一年くらい想い続けた結果、その先生には彼氏がいることが発覚。
その時も「別れるってパターンもある」とあきらめていなかった。
さすがに結婚するって退職した時はあきらめたけどね。
その時は、「めっちゃ好きな人なんて、そうそう、いるもんじゃないと思うんだよね」と言っていた。


あきらめないけれど、実現もしなかった。
そんな話の方が実は多い。


そのたびに、かわぐちくんは泣いた。




※この物語はフィクションです。




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今日の塾長

2011年02月21日 | little story
陰で悪口を言うくらいなら、
面と向かって言ってと人は言うが、
面と向かって言われるとむかつくので、
陰で言ってと俺は言いたい。
陰で言う分には聞いていないのと一緒だから。



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河童のかわぐちくん(1)

2011年02月16日 | rakuunanzyuku
君は四季の匂いを感じることができる?


僕は四季の2つの匂いは感じることができる。
実は、別の何かの匂いなのかもしれないけれど、
ああ、春が来るなって匂いで季節の到来を感じるんだ。
毎年のことじゃないし、匂いを嗅いだ、次の日も嗅げるってわけじゃない。
本当に、ふとした時に、季節の匂いがする。
そんな日は、いつも以上に空気を意識的に吸い込んで、
季節の移り変わりを楽しむ。

先日、友達と居酒屋で、ご飯を食べている時にも、そんな話になった。
友達が「私、四季の匂いが4つともわかるんだ」って話をした。

「え?4つとも?」驚きとともに、自分は2つは感じることができるんだって話をした。
2つの季節に匂いがあれば、他の2つの季節に匂いがあってもおかしくない。

「あと、かぜの匂いもわかる」

風の匂い?
僕は、必死で理解しようとした。

「かぜって、くしゃみとかの風邪ね。ばい菌の匂いって言うのかなあ。風邪をひいていない人でも、あっ、この人、風邪をひきそうだっていうのがわかる」

友達は、信じてないでしょ?って表情で僕の顔を見たから、
「信じてるよ」と答えた。

「インターネットで調べたら、風邪の匂いを感じることができる人は私以外にもいたんだ」
他にも、同じ人がいるのが嬉しそうだった。

「そういえば、俺の友達に、テレビの電源がついているのがわかる人がいる。テレビは暗いのに、電源がついているのがわかるの。ゲームをした後にテレビの電源を消し忘れてテレビが真っ暗になるでしょ。あれがわかるの」

「私にもいる!」

お互い、同じいる人がいるのが嬉しくて話は盛り上がった。

「私、霊感もあるみたい」

「いや、霊感があるのは信じるけど、その話は良い」
即答で答えた僕を見て、友達は微笑んだ。


そんな話で盛り上がった、その日の帰り道。
僕は久々に高校の時に出逢った一人の友達のことを思い出した。



河童のかわぐちくん。



かわぐちくん、元気だろうか?
今も、あの口癖は変わらないのだろうか?



これから、話す物語は、そんな河童のかわぐちくんの物語だ。




※この物語はフィクションです。




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今月のポジティブ(1)

2011年02月15日 | little story
今月のアンラッキーから始まり、
今月のうっかり、
そして第三弾。
何ら、反響がないけど第三弾。



今月のポジティブ。




先月は、2週続けて、同じ場所で警察に捕まったけれど今月は捕まっていない。
よって、スピード違反で捕まったらとられる1万円をもうけたこととする。






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やるな!ブルック!

2011年02月14日 | little story
ルフィの仲間にブルックって音楽家の仲間がいるんだけど良い歌、歌ってるんだわ。
その歌の歌詞は、人が見れば、何ら、心にとまることもない、
何ら、感動的な場面に歌っている歌でもなく、
ある意味、どうでも良い場面の歌なわけなんだけど、
その時の俺には、妙に心に響いた歌なんだわ。
ああ、良い歌だって、その一コマだけを二回読んだ。

あんまりひっぱると、どこが?ってなるから、早速、紹介する。



なんとかなるさ。
なんとかさるさ。
なんとかならなくても、
いつか死ぬのさ。



どうでも良い場面だけあって短いセンテンスなんだけど好きだなあ。
読む人によっては悲観的な言葉かもしれないけど、
俺は、そうは感じなかった。


ちなみに、画像はブルックなんだけど、現在は骨。
キン肉マンでいうところのガイ骨マンみたいな感じ。






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拝啓 赤おにくん

2011年02月09日 | little story
拝啓 赤おにくん

先日は節分おつかれさまでした。
毎年、毎年、人間に豆をぶつけられ、さぞかしテンションも下がることと思います。

テンションが下がるといえば、あの日に勝るものはないのではないでしょうか。
青おにくんがいなくなった、あの日。

あれから、青おにくんとは会えたのでしょうか?
あれから、青おにくんから連絡はあったのでしょうか?
非常に気になります。
気になって仕方がないから、こうして赤おにくんに手紙を書くことにしました。
申し遅れました私、楽雲庵塾塾長と申します。

お二人の話を初めて聞いたのは小学生の時でした。
あれから、4,5回はお二人の話を読んでいます。
先日も読みました。
『泣いた赤おに』。

先日、読んだ時に、あれから赤おにくんは幸せになれたのだろうかと気になったのです。

赤おにくんは、人間と仲良くなりたいと望んでいました。
青おにくんの考えたアイディアにより念願が叶いました。
ただ、友達の青おにくんは、赤おにくんのことを考え旅に出てしまう。
赤おにくんは、泣いてあの話は終わります。

あの涙は後悔の涙なんだろうなあって感じたんです。
人間と仲良くなることよりも、青おにくんを失うことの方が悲しいんじゃないかって思ったからです。

後悔って辛い。
後悔しないように生きようと思っているのに、私もやっぱり後悔してしまいます。
しゃあない、しゃあないと何度言い聞かせても、感情が言うことを聞きません。

赤おにくん。
もし、今も泣いたまま生活をしているのなら、青おにくんを探しに行ってください。
たぶん青おにくんは待っていると思います。


追伸
私も旅に出ることにしました。





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BOX!

2011年02月04日 | book
『永遠の0』を読了し、
もっと、この人の本を読んでみたいと
早速、次なる本を買った。

それが、今日、紹介する『BOX!』

ボックス!
百田 尚樹
太田出版


『永遠の0』は戦争の物語だったけれど、
今回の本は、ボクシングの物語。

高校生2人が主人公。
一人は、ボクシングの才能溢れる少年。
もう一人は、勉強ができる少年。
勉強ができる少年も、あるきっかけを期にボクシングを始め、
二人は相まみえることになる。

俺、こういう2人が主人公の話好きなんだよね。
格闘技を活字に起こすってのは難しいと思ったけれど、
すごい読みやすくてあっという間に読んだ。

百田尚樹の本、また探してこよっと。



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