どんまい

いろいろあるけれど、それでいい。

美しき落ちこぼれ達

2009年11月28日 | movie
以前から観たかったDVDをやっと観た。
ビューティフル・ルーザーズ”。

ものづくりをしている人には、ぜひ観てもらいたい。
作りたい気持ちが沸いてくる。
熱いものが込みあげてくる。

一度観て、好きな映画がまたできたと嬉しくなって、
そのまま返すのはもったいないから、返す前に、もう一度観た。
つまりは一週間で二回観た。

この映画は、ニューヨークの手作りのギャラリーの話。
そのギャラリーには、若いアーティストが集り、
ギャラリーで、飲み会をして、刺激し合い、それぞれがそれぞれの表現手段で作品をつくる。
絵であったり、写真であったり、映画であったり。
絵を描いている人の中には、ちゃんと絵を習っていない人もいる。
小さなギャラリーから、大きなムーブメントが起こり、
アーティストは、次々に有名になっていく。
そんな話。

実際に、そこに集ったアーティストが、インタビュー形式で出てきたりする。

”恵まれていない連中だから、
クリエイティブな才能があるんだ。
恵まれていたらアートをやる必要がない。
もし疎外感がなく、
人生に満足していたら、
何かを創って、
自分自身を救う必要はないんだから。”

-マイク・ミルズ

なんか、この人の言っていること好きだなぁって、
マイク・ミルズをちょっと調べてみたら、
俺が、好きな映画、”サムサッカー”の監督でもあった。
そりゃあ、この人の言っていることが、良いなぁと感じるわけだ。
ちなみにマイク・ミルズは、X-girlのロゴ・デザインも手がけている。

そこで、ふと気づく。
この話、前にも聞いたことがある。
友達にサムサッカーの話をした時に、マイク・ミルズの話を聞いた。


この映画を観ているとね、
俺が新潟で出逢った手作りのギャラリー、
このブログで何度となく書いている”GALLERY N7”を思い出すんだよね。
若いアーティストが集まり、飲み会をし、刺激をしあい、それぞれの表現手段で、作品を創る。
今は、遠く離れているけれど、それぞれの活動を知り、今でも刺激をうけている。

そういえば、N7には、バリー・マッギーの絵があったけ。
バリー・マッギーも、この映画に登場する一人。

N7で出逢った人達が、バリー・マッギーやシェパード・フェイリー、マイク・ミルズを好きな理由も繋がった。



ビューティフル・ルーザーズ スペシャル・エディション [DVD]

角川エンタテインメント

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海賊のおじさん(3)

2009年11月23日 | rakuunanzyuku
パチンコ会館玉将は、昭和の空気が漂う店構えをしている。

時代遅れで、みんなから忘れ去られたような、
こんな建物が俺は好きだ。
なぜ好きかと聞かれてもうまくは答えられないが、
なぜか惹かれる。

パチンコは勝つために行くわけだから、
俺も含めてみんな、出そうな店に行く。
みんなが出そうだと思う店は大型店。



確かに大型店には、何箱も積んでいる人がいる。
ただ、何人もの人の財布から金がなくなる。
何十人かから集めた金の何割かを店がもらい、一部を、何人かに分ける。
所得の再分配。
吸い取られる確率が高い所得の再分配。

まぁ、やる前から負けることを考えている奴なんていない。
勝つために店の中に入っていく。

パチンコ会館玉将は、
外見だけでいけば、出そうにない雰囲気を醸し出している。
ただ、大型店が建ち並ぶ今も生き残っているだけあって、それなりに人がいる。
俺にとっては、ちょうど良い塩梅だ。

大型店では、打ちたい台も座れない時があるけれど、
玉将は、ほどよく座れる。

3日間の当たっている回数、
現在の回転数を見て、
どれが当たりそうな台かを考える。
インスピレーションも大切だ。

俺は、出そうだと思う一台を決め、
松葉杖を隣の人の邪魔にならないように置き、
一万円札をパチンコ台に投入した。

”貸”ボタンを押すと、500円分の銀色の玉が、
ぶつかり合いながら出てくる。

一回も当たらなければ、一万円は一時間程でなくなる。
今は、1円パチンコってのもあるから、
1円パチンコだったら、当たらなくても何時間か遊べるのだろう。
俺は4円だ。
やるかやられるかだ。

一回当たれば約5,000円。

まぁ、そんな簡単には当たらない。
簡単に当たる時もあるけれど、大抵、当たらない。

一万円、二万円と、機械は、お札を飲み込んでいく。
二万円から三万円にさしかかるあたりから、
今日は、当たる気すらしなくなってくる。

店に入る前のテンションは、どこへやら。
やらなければ良かったと後悔の念すらよぎってくる。

パチンコは諸刃の剣みたいなもんだ。
落ちている気分は、
勝てば気分が上がる代わりに、
負ければ更に落ちる。

自己嫌悪に陥り、帰りの車のハンドルを握った。
泣きそうだ。

大切な人が、言っていた言葉を思い出す。
「嫌な思いをしながら働いた金を、パチンコに使うなんてもったいない」

三万円は、何日働いた分なんだろう。

もう辞めよう。
こんな無駄な過ごし方は、もう辞めよう。


つづく。



※今回の話はフィクションです。


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海賊のおじさん(2)

2009年11月20日 | rakuunanzyuku
左足切断の手術をして日常に戻り、1ヶ月ばかりが過ぎた。
今年は何て最悪な始まりなんだ。

俺は、銀色の松葉杖を助手席に立てかけて、車のエンジンをかけた。
チェンジレバーを”D"に合わせる。


医者に聞き慣れない病名を告げられてからの日々も、
なかなか最悪だったけれども、
左足を失った今は、もっと最悪な気分だ。
そりゃあ、そうだ、病名を告げられても左足はあった。

運転する車の窓から、歩いているおばさんを眺める。
無意識に足の部分に目がいく。
当たり前のようにあったものがなくなるのは、これほどまでに辛いのか。

病気になる前も一度は考えたことがある。
もしかしたら、事故にあって障害が残る可能性もある。
自分に障害がないにしても、子どもが障害を持って生まれてくる可能性もある。
年をとって認知症になる可能性は結構あるかもしれない。

そうは、考えてみたものの、その時の俺は20代だったし、
何か、別の世界の話のような感じもした。


何で俺なのよ。


この1ヶ月、何度となく振り返った過去は、
楽しかったことばかりだった。

その時には、その時なりの悩みがあり、
嫌なことも結構あったはずなのに。
人間の記憶は、都合の良いようにできているみたいだ。


家で、じっとしていると気が滅入ってくる。
そんな時は、外に出る。
外に出ると言っても、ここのところは同じ場所に向かう。


車のチェンジレバーを”P"にし、エンジンを止め、ドアを開けた。
足をドアから出し、体を伸ばして、助手席の松葉杖に手を伸ばす。


パチンコ会館”玉将”。
何ヶ月もの間、パチンコはしていなかったけれど、俺は、ここにきて再び、パチンコを始めた。


王将ではなく玉将と書き、”おうしょう”と呼ぶ。
将棋の駒みたいな店の名前だ。



※今回の話はフィクションです。

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海賊のおじさん(1)

2009年11月19日 | rakuunanzyuku
信号のところで子ども達の登下校の安全を守る女性のことを、
”緑のおばさん”と愛称で呼ぶように、
子ども達は、俺のことを”海賊のおじさん”と呼ぶ。

そう、俺の左足は義足だ。
木の棒が、俺の左足だ。

もう20年前になるのか、
俺が左足を失ったのは31歳の時だった。

今日、買い物に行った店で、たまたま流れていた曲を聴いて、
俺は、ふと20年前を思い出した。
音楽は、時として、過去に俺を誘う。


これから話す話は、君にとっては、つまらない話かもしれない。
そりゃそうだ、俺が最悪だった一年の話だからね。

どうも、年をとると過去の話をしたくなる。
思い出したついでだ、まぁ、適当に聞いてくれ。


それにしても、何で、緑のおばさんは、緑なんだ?
信号の青からきているのか?
緑のおばさんて、どうやって採用されるんだ?
時給で働いているのか?

ん~、なんか、緑のおばさんのことが気になってきたなぁ。
直接聞くのも、怪しい人って思われるだろうなぁ。

いや、いや、緑のおばさんの話じゃない、
これから話す話は、俺が、左足を失ってからの一年の話だ。



※今回の話はフィクションです。



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今夜、すべてのバーで

2009年11月17日 | book
この本はおもしろかったなぁって思った作家は、
たいてい他の本も読む。

最近、数冊の”中島らも”の本を読んだ。
今日、紹介する本は、その一冊、”今夜、すべてのバーで”。

本屋で”中島らも”の本を眺めていると、
主人公がドラッグをしていたり、アルコール依存症だったりが多い。

この前、紹介したガダラの豚の主人公もアルコール依存症だった。
そして、今日、紹介する”今夜、すべてのバーで”の主人公、小島容(いるる)もアルコール依存症。

酒浸りの日々を送っていた小島容の肝臓は悲鳴を上げ、病院に入院することになる。
その入院した数日間が、この本。
入院した数日間で、一冊の本を書けるってのもすごい。
入院した数日間を、飽きることなく読者に読ませるのもすごい。

本を読んでいると、
ただ明るい、暗いって話じゃない、
もっと、深くにある、それは経験したものしか伝えられない言葉を感じた。

中島らもが躁鬱病だったって話は聞いたことがあるけど、
ドラッグをやったり、アルコール依存症でもあったのかと、
中島らものことをちょっとだけ調べてみた。

”今夜すべてのバーで”は、自身の体験をもとにした小説だった。

”バンド・オブ・ザ・ナイト”って小説も読んだけど、
この本も、自伝的小説だということにはたまげた。
この本は、ドラッグの話。


中島らものことをちょっとだけ知って、
今度は、エッセイも読んでみたくなった。



今夜、すべてのバーで (講談社文庫)
中島 らも
講談社

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もはやコーラではない

2009年11月13日 | little story
一気に6キロ太った俺は、どこまで太っていくんだという危機感から、
9月、コーラ禁止令を自分自身に発令した。

お前からコーラを無くしたら、何が残るんだ?と思ったか、どうかは定かではないが、
周囲からは、「ダイエットコーラにすれば良いよ」と言われた。結構な人に。

「俺は、そんな中途半端なことはしないのですよ」と言葉を返した。

ダイエットコーラの味が好きだって、
ダイエットコーラを飲んでいるのならまだしも、
コーラを飲みたいけれども、太っちゃうから、
ダイエットコーラを選んでいるなんて、
ダイエットコーラに失礼じゃないか。

まぁ、ただ単にダイエットコーラよりもコーラが好きなだけなんだけどね。

そんな訳で、コーラを1ヶ月経つ。
ただ、コーラには、ゴールデンコンビというものがあって、
その相棒は、ポテトチップスであったり、ケンタッキーフライドチキンなわけだけど、
その相乗効果により、お互いが、お互いを高め合い、さらに旨く感じるから、
そこは、コーラを飲むしかない。

ただ、何せ、コーラ禁止令を発しているにもかかわらず、
コーラをがぶがぶ飲んでいたら、それは、禁止令でも何でもなくなるから、
そこは、ポテトチップスもケンタッキーフライドチキンも控える。
あくまでもベンチスタート。


あれから1ヶ月。
1ヶ月経ったから、どれほど変わっているかな、まぁ3キロは減っているだろうなと、
体重計に載り、その数字を見て驚く。

1956年に流行語になった「もはや戦後ではない」という言葉を思い出しながら、
心の中で「もはやコーラではない」と呟いた。


1ヶ月が経ち、1キロしか変わっていなかった。


少しばかりコーラ禁止令を発令しているのが馬鹿馬鹿しくなった。
我慢はなるべくしたくない。
ゴールデンコンビもスタメンとして、その機会を少しずつ得る。

ただ、さらに半月後。
つまりは最近の話になるけれども、コーラ禁止令を発令してから1カ月半、3キロ減量した。なぜか。

そもそも、1キロ痩せただの、6キロ太っただのと一喜一憂するのも、
何だかなと思うこともあり、
本日をもってコーラ禁止令は解除することとする。


以上。



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巨人の背番号18

2009年11月11日 | book
今年の巨人は、20数年見てきた中で、最強かもしれない。

ただ、先発陣では、三本柱と言われていた、
斎藤、槙原、桑田の頃が、最強だっただろう。

その三本柱を擁して優勝した1994年。
ペナントレース最終戦までもつれた中日との決戦。
通称、”10.8”。

興奮してテレビに齧りついて観ていた。
記憶に残る試合。

翌年、桑田はダイビングキャッチをした際に右肘を故障する。

そして2年後の復活。
先発のマウンドに向かった桑田は、
左膝をマウンドの土につけ、プレートに右手を置いて、
野球の神様に感謝した。
あの姿も、桑田らしく印象深い。

桑田は復活するまでの間、ひたすら走り込んだ。
走りまくって、ジャイアンツ球場の外野の芝生は、
フェンスと並行して禿げている。
通称、”桑田ロード”。

俺はその”桑田ロード”を一目見たくて、
ジャイアンツ球場に足を運んだことがある。

桑田ファンはたくさんいるだろう。
俺もその一人だ。


本屋で、”Number PLUS 完全復刻版 桑田真澄”を買って隅々まで読んだ。
まさしく完全版。
PL学園時代から巨人、そしてメジャーに渡った桑田が、そこに載っている。

その本の中のインタビューで、こんなことを桑田は言っている。

”人生は辛いことの連続。そうは言っても、楽しいことを求めたくなる。だから、挑戦する。上手くなれば楽しいし、上手くできなかったら悔しい。だから、また挑戦する。この繰り返しが、人生の楽しみと相通じる”


巨人の背番号18。
桑田ほど巨人の18番が似合う投手もいないだろう。



Number PLUS 桑田真澄 完全復刻版

文藝春秋

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イチローに、松井に、世界一に、日本一

2009年11月09日 | baseball
イチローのメジャー初の9年連続200本安打も嬉しかったけれど、
松井のMVPもかなり嬉しい。
MVPに輝いた翌日、スポーツ新聞を買って浸った。

今シーズンでヤンキースとの契約が切れる松井は、
もういらないんじゃない?という逆風の中、スタートを切って、結果を残した。
だから、なおのこと嬉しいし、凄いな、松井と思う。
松井は、日本を代表するスラッガーなんだぞ、この野郎と思いながら、
松井の活躍を願い応援していた。

7年目にして悲願のワールドシリーズ優勝。
(ちなみに、メジャーリーグが最高峰のリーグだっていうのは認めるけれど、
ワールドシリーズ優勝が世界一ってのはちょっとばかし嫌いだ。
それは、ラーメン屋がうまいラーメンというのぼりをあげているのとどこか似ている。
最高峰のリーグだけれど、世界一ではない。
世界一を名乗るなら、それぞれの国の優勝したチームが激突するべきだ。
サッカーでいうトヨタカップみないにね。余談だけど。)


松井が巨人にいた最終年、巨人は日本一に輝いた。
あれ以来の優勝か。
巨人7年ぶりの日本一。
巨人が優勝した翌日、スポーツ新聞を買って浸った。

今年の巨人は、今まで見てきた巨人で一番強いんじゃないかと思いながら見ていた。
第5戦、9回裏の亀井、阿部の立て続けのホームランは、本当、痺れた。
プロにしかできない、プロでもなかなかできない、まさしくプロだなという逆転劇だった。


今年の野球シーズンも、11月14日からの日韓チャンピオンシップを残すだけとなった。
今年は、WBC世界一に始まり、イチローのメジャー9年連続200本安打、松井のMVP、
巨人の日本一と感無量です。



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