どんまい

いろいろあるけれど、それでいい。

「ズームイン服!」を読んだ

2016年07月06日 | book
最近、坂口恭平さんが気になる。
今回、読んだ本は雑誌「POPEYE」で連載されていた記事をまとめたもの。


ズームイン、服! (POPEYE Books)
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マガジンハウス



服を切り口に、著者が興味を持った人に生き方や働き方をインタビューしていくといった内容。
途中からは、服の話すら関係なくなる。
よくもまあ、こんなに、いろんな生き方をしている人がいるんだな、と思った。
しかも熊本ばかり。

感じている違和感に蓋をしちゃならんよ。


本から、そう言われている感じがした。
自立した生き方をしている人たちはかっこいい。

「絶望読書」を読んだ

2016年06月19日 | book
絶望読書――苦悩の時期、私を救った本
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飛鳥新社



タイトルが良いよね。
絶望読書。

帯には、「悲しいときには、悲しい曲を。絶望したときには、絶望読書を」と記されている。
著者は、絶望している時は、絶望している本を読み、少し立ち直ってきた頃に、前向きな本を読むのが良い、と言っている。

私もそう思う。
傷を舐め合うことで救われることもある。

著者は、絶望している時には、カフカとドフトエスキーを薦めている。
別に絶望しているわけではないけれど、読んでみようかなあと思ってカフカとドフトエスキーを買った。


最初の数ページで、すでに挫折しそうだけど。

強くあろうとする者

2016年05月21日 | book
バガボンドおもしろいなあ。
改めてバガボンドを読み返した。

本位田又八と母との最期のやりとりが好き。
又八みたいな、弱い人が、徐々に、自分の道を見つけていくのを見るのが好き。


「この世に強い人なんておらん。強くあろうとする人。おるのはそれだけじゃ」


「弱い者は己を弱いとは言わん」


「ただ真っ直ぐに一本の道を進むは美しい。じゃが普通はそうもいかぬもの。迷い、間違い、周り道もする。それでええ。振り返って御覧。あっちにぶつかり、こっちにぶつかり。迷いに迷ったそなたの道は、きっと誰よりも広がっとる」


バガボンド(31)(モーニングKC)
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講談社

ガケ書房の頃

2016年05月17日 | book
私が好きだった本屋さん。
札幌のくすみ書房。仙台のあゆみBOOKS仙台店。鹿児島のBooks Smile&CD's。
今は、どの本屋さんもない。


どうして好きだったのだろうか。


その店に行かなければ、その店と出会わなければ、出会わなかったであろう、本と出会えたから。


たぶん、この本屋さんもそうだったんだろうな、と思った。
紙面上から、それが伝わってきた。



ガケ書房の頃
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夏葉社



ガケ書房。


タイトルのとおり、店主の山下さんがガケ書房をやっていた頃の話なんだけど、どのように働いてきたか、働いていく上で考えてきたことの話だったりするので、私にも相通ずるところがあるな、と思って読み終わった。


例えば、こんな話。

お客さんからお金をもらって、店という場を続けていくためには、綱引きが求められる。お客さん側の引き。これは、ニーズだ。そして、店側の引き。これは提案だ。綱引きは綱引きでも、引っ張りすぎては店を支えている普通のお客さんの絶対数を失う。逆に、引っ張られ過ぎると、店のアイデンティティを失う。たまにクイッと引っ張ってみたり。そのパワーバランスが最終的にお客さん側からは店の魅力になり、店主側からは店を経営する醍醐味になるのだと思う。


私にも相通ずる。


現在、ガケ書房は、場所を変え、店名もホホホ座に変え、継続している。
いつの日か、京都に行った時に、行きたいなあ。


そういえば、大学の後輩が、今、京都に引っ越したみたいだな。
羨ましいなあ、すぐ行けるなんて。

何者からかの手紙

2016年05月16日 | book
先日、読んだ本の中に書かれていたものが欲しくなって買いに出かけた。
欲しいものとは、手紙。


なかなか店が見つからなくて、同じ場所をぐるぐる回る。
3度目か4度目に、その店が2階にあることに気づいた。
うっすらと灯りがついている。


ビルは、どこかタイムスリップしたかのような佇まいで、誰かはよくわからない胸から上の銅像が入口で出迎えてくれた。
トイレを済ませ、2階に上がる。
何をやっているか、よくわからない店がいくつかあって、その中に私が探していた店があり、扉をゆっくりと開けた。
客は誰もいない。
探し物の手紙が置いてある店の雰囲気にぴったり。





手紙はいくつもあって、封筒に書かれているタイトルを見て、おもしろそうだと思ったものを買った。
5通。こんなに買うはずじゃなかったのに。
私のお気に入りは応援団長からの手紙。


BOOKSOUNDSが発行しているみたいなんだけど、
男性なのか、女性なのか、全く情報がなくて想像を駆り立てられる。


それにしてもこの発想がすばらしい。






いちばん多いのはいつも、いちばんつまらないって決まっている

2016年05月09日 | book
どんな仕事をしてきたか?
その中で、何を大切にしてきたか?


そのようなテーマの本を立て続けに読んでいる。
今日、読み終わった本は、都築響一さんの本。
すごいおもしろかった。


都築さんは、「POEPEYE」、「BRUTUS」で、現代美術、建築、デザインなどを担当してきた編集者。
現代美術、建築、デザイン、写真、文章を書くことを専門的に学んできたわけではなく、自分がおもしろいと思うところに飛び込み、体験し、記事を書き、本を作ってきた人。「POEPEYE」、「BRUTUS」の後の「アートランダム」や「ヒップホップの詩人たち」などの仕事もすごい魅力的。


この本で、編集会議のムダについて書かれたページがある。
私も、今年度に入って、週1回ペースで行ってきた会議を無くすことにした。
時間の割に成果が薄いから。
検討することがあれば、その都度、検討すれば済む話だから。
ただ、1ヶ月に1回程度は、振り返る日を作ろうとは思っている。
日々の業務に忙殺されて、気付いたら1年終わっていたね、ということがないように。
議題なし、時間制限なしの会議の体をなしていない会議。


あと、雑誌を作る上で、大切なことや、嗅覚を養うための方法なんかの話も興味深かった。
ここのところ全くやっていないものづくりもしたいな、と思わせてくれた本。


圏外編集者
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朝日出版社

やりたいから、やる。やりたいことを、やる。

2016年05月07日 | book
みうらじゅんさんの「ない仕事」の作り方を読み終わり本を閉じた。
この前、読んだ佐渡島庸平さんの本と、大事なことは共通している感じがするな、と思った。



「やりたいから、やる。やりたいことを、やる」



と、同時に、ここ最近、出会った魅力的な人は、なぜ魅力的なのかが、わかった気がした。
主体的がキーワード。




「好きなことをしている人は一握り」という言葉。
あれは、誰かがかけた呪文だな、とも思った。






「ない仕事」の作り方
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文藝春秋

「ぼくらの仮説が世界をつくる」がおもしろかった

2016年05月04日 | book
テレビを観ると日本ハムファイターズが1点リードで最終回を迎えていた。
また、もつれているな、と思った。
昨日の試合も、最終回にソフトバンクに追いつかれ、まさかの逆転負け。
守護神の増井の姿は見当たらない。最終回のマウンドに立つのは、マーティンという外国人。
ノーアウト1塁。どこか昨日の試合を彷彿とさせる展開。
マーティンが投げた。審判が手を挙げる。ストライクのコールだと思いきや、まさかのボーク。もはや同点は免れない。まさしく昨日と同じ雰囲気。ノーアウト2塁。バッターの本多はバントの構え。
そして、再び、マーティンが投げた。再びボーク。珍しく2球続けてのボーク。マーティンはマウンドの周りを苛立ちながらぐるぐる回っている。感情を露わにして何度となく吠える。
そこでテレビを観るのをやめた。


時間がたってから、ふと、カリカリしている人は、かっこ悪いなと思った。
すごい、と思う人達は、イライラしているのを表に出さない。
穏やか。組織の良い空気を作るのは、そんな穏やかさかもしれない、とここのところ思っている。


そういえば、昨日も、本を読みながら、自分の実力が伴っていなうちは人を批判しない方が良いな、と思った。どんなに嫌なことをされても。いや、人を評価すること自体、やめた方が良い。
本を読みながら、いろいろ考えた。その本には、こうも書かれていた。


嫉妬心や怒り、悔しいという気持ちをモチベーションにして働く人も多いと思いますが、ぼくはそういう「負の感情」はなるべく長時間抱かないようにしています。なぜなら、そういうマイナスの感情を使って立てる目標は、どうしても小さいものになってしまうからです。


考えもしない考え方だった。私は見返してやるが、モチベーションだったことが多い。
目標の立て方の話も良かったなあ。


本の著者は、佐渡島庸平さん。
株式会社コルク代表取締役社長。1979年生まれ。「宇宙兄弟」「ドラゴン桜」を育てた編集者の仕事論が、こちらの本。


ぼくらの仮説が世界をつくる
クリエーター情報なし
ダイヤモンド社