股間の解放記

普通の社会人PEKOの、日々思うことをつづっていきます。

明日の食卓

2022年01月22日 23時35分21秒 | 映画評論ア行

製作年:2021年
製作国:日本
日本公開:2021年5月28日
監督:瀬々敬久
出演:菅野美穂,高畑充希,尾野真千子,外川燎,柴崎楓雅,阿久津慶人,和田聰宏
映画『明日の食卓』公式サイト

神奈川でフリーカメラマンの夫と10歳の息子・悠宇と暮らすフリーライターの石橋留美子(菅野美穂)、大阪でアルバイトを掛け持ちしながら10歳の息子・勇を育てるシングルマザーの石橋加奈(高畑充希)、静岡でサラリーマンの夫と10歳の息子・優と共に何不自由なく暮らす専業主婦の石橋あすみ(尾野真千子)。同じ名前で同じ年齢の息子を持つ3人の母親たちは、多忙ながらも充実した日々を送っていたが、その生活はささいなきっかけによって崩壊していく。
家族の光と闇を描いた椰月美智子の小説を映画化。それぞれに「石橋ユウ」という名前の息子を育てる3家族の幸せな日常が、ささいなきっかけから思いも寄らぬ方向に向かう。住む場所も環境も全く異なる3人の母親を『ジーン・ワルツ』などの菅野美穂、『ヲタクに恋は難しい』などの高畑充希、『そして父になる』などの尾野真千子が演じるほか、外川燎、柴崎楓雅、阿久津慶人らが出演。『64-ロクヨン-』シリーズなどの瀬々敬久がメガホンを取り、瀬々監督作『最低。』などの小川智子が脚本を担当する。

同じ「石崎ユウ」という小学5年生の男の子を育てる3人の母親たちの物語。それぞれ別の場所で暮らしている3人の日常が、ささいな事から徐々に崩れ始めるのです。菅野美穂,高畑充希,尾野真千子という女優3人の演技は見応え十分!そして石橋あすみの息子を演じた柴崎楓雅くん。どこかで見た顔だなと思って検索したら「テセウスの船」のみきおか!!本作でもサイコパス役を見事に演じていて、将来が楽しみな役者の1人です♪
ストーリーは、どれも怖くもあり悲しくもあり切なくもありでした。母親から見た家族。そして息子から見た家族。小さなボタンの掛け違えから、歯車は狂い始めて、取り返しのつかない悲劇を生んでしまう。「自分は家族のために一生懸命頑張っている」「うちの家族は幸せなんだ」「うちの子供は良い子なんだ」と無意識に思っていることでも、実はそう自分に言い聞かせているだけなのかもしれない。そして自分以外の家族は全く違う感情を持っているかもしれない。この映画の母親たちの愛している気持ちでさえ、子供には届いていなかった。お金のある無しや、シングルマザーとか、そういうことは関係なく、ちょっとした出来事で起きること。リアルな子育てを見せられた気分で、ちょっと苦しかった。フィクションだけど、どの家庭でも起こりえる問題だと、観ていて思いました。個人的には好きなテーマだし、展開もこの先の結末がどうなっていくのか非常にドキドキしていましたが、後半になってから盛り上がりそうなのに盛り上がらない。まとまりそうでまとまらない流れになってしまったのが惜しかったです。
しかし重いテーマでありながら“家族のカタチ”について考えさせられる瀬々敬久監督らしさ満載の映画でした。

この作品の評価・・・・★★★★★★☆☆☆☆(満点は★10)
コメント
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