長唄の中で最もなじみ深いのが「越後獅子」。先月の熊本県邦楽協会演奏会でも演奏されたが、これを聞くと何となく安心する。江戸時代後期には歌舞伎舞踊の曲として大変な人気があったという。そこで、この曲の一番の聴かせどころ
〽何たら愚痴だへ、牡丹は持たねど越後の獅子は、おのが姿を花と見て、庭に咲いたり咲かせたり、そこのおけさにいなこと言はれ、寐まり寐まらず待明かす、御座れ話しませうぞ、こん小松の蔭で、松の葉のよにこん細やかに、弾いて唄ふや獅子の曲
という一節に替え歌が作られた。上方では毎年11月恒例の「顔見世狂言」の大序から五段目の幕までの一日がかりの舞台の様子を描いた「五段返し」となり、江戸では浅草寺参詣の賑わいを描いた「浅草詣り」となった。
下の「長唄 越後獅子」と「浅草詣り」を聴き比べると実に味わい深い。
※右は山川秀峰筆「越後獅子」
▼第54回 熊本県邦楽協会演奏会における「長唄 越後獅子」
▼「越後獅子」の替え歌「浅草詣り」
〽何たら愚痴だへ、牡丹は持たねど越後の獅子は、おのが姿を花と見て、庭に咲いたり咲かせたり、そこのおけさにいなこと言はれ、寐まり寐まらず待明かす、御座れ話しませうぞ、こん小松の蔭で、松の葉のよにこん細やかに、弾いて唄ふや獅子の曲
という一節に替え歌が作られた。上方では毎年11月恒例の「顔見世狂言」の大序から五段目の幕までの一日がかりの舞台の様子を描いた「五段返し」となり、江戸では浅草寺参詣の賑わいを描いた「浅草詣り」となった。
下の「長唄 越後獅子」と「浅草詣り」を聴き比べると実に味わい深い。
※右は山川秀峰筆「越後獅子」
▼第54回 熊本県邦楽協会演奏会における「長唄 越後獅子」
▼「越後獅子」の替え歌「浅草詣り」