徒然なか話

誰も聞いてくれないおやじのしょうもない話

三番叟 ~G20大阪サミットにて~ 

2019-06-29 11:23:35 | 音楽芸能
 昨日大阪市で開幕したG20大阪サミット。1日目のセッションが終了した後、大阪城公園の大阪迎賓館で各国首脳らを歓迎する文化行事と夕食会が開かれた。文化行事では、野村萬斎さんによる狂言、辻井伸行さんのピアノ、中丸三千繪さんのオペラが披露された。
 日本の伝統芸能を代表する形で披露された野村萬斎さんの「三番叟 揉ノ段および鈴ノ段」はさすがに見応えあり。53歳となった今も舞のキレとカラス跳びの高さは健在だ。ただ、鏡板に映写される曽我蕭白などの絵が気になって集中を欠きがちな点がちょっと残念。あくまでも海外の人向けの特別舞台と割り切るべきか。歓迎行事全体で2時間を超える映像なので開始時間を三番叟に設定して掲載した。 

▼写真をクリックすると動画を再生します。


盛り上がる日本選手権の陰で…

2019-06-29 06:36:53 | スポーツ一般
 昨夜は日本陸上選手権の男子100㍍が大いに盛り上がる中、女子100㍍では御家瀬緑(恵庭北高)が、高校女子としては29年ぶりの優勝という快挙を成し遂げた。心情的には復活の土井杏南の優勝を期待していたのだが、しばらく続いた故障や不振の影響がやっぱり残っていたように感じられた。
 そして、土井さんと言えばどうしても小・中・高でライバルだった野林祐実さんのことを思い出す。昨夜、このブログの野林さん関連の記事に多くの方からアクセスいただいた。僕と同じように野林さんのことを忘れていない方が大勢いらっしゃることにちょっと感動。先日、偶然見つけた日本陸連科学委員会の、2012年新潟インターハイにおける分析結果が非常に興味深かったので掲載してみた。 












夏越の祓するひとは

2019-06-27 18:37:51 | 日本文化
 今日は例年どおり、藤崎八旛宮・段山御旅所で夏越大祓を済ませた。今年も半年が過ぎ、残る半年の家族の息災を祈る。

「水無月の夏越の祓するひとは、千歳の命延ぶというなり」


神職・巫女に続き、一般参拝者も茅の輪をくぐる


能舞台に仮の拝殿が設えられる

雨の匂い

2019-06-26 20:50:02 | 
 熊本は今日やっと梅雨入り。しかも、ちょうど「6.26」という熊本市民にとって忘れることのできない日。夕方、雨がやんだので、今のうちにとばかり散歩に出かけた。久しぶりに雨の匂いを感じる。この匂いは科学的に解明されていて「ペトリコール」と呼ぶらしい。僕は雨の匂いを感じるときまって思い出す風景がある。それは60数年も前の加藤神社の境内だ。当時の加藤神社は京町台の新堀にあって、僕は幼稚園の帰り道は必ず、加藤神社の境内を通り抜けていた。特に楽しみだったのが雨の日。雨の匂いを感じながら境内を歩いて行くと、玉垣の根元あたりから小さなカエルが飛び出してくる。このカエルを捕まえて家へもって帰るのが何よりの楽しみだった。茶色っぽい小さなカエルだったのでアカガエルだったかもしれない。持って帰った後、家ではどこでどう保管していたのか、母がよく、布団の上をカエルが飛び跳ねていたよ、と言っていたのを憶えている。もしその時、自分が親だったら「すぐに捨ててこい!」と怒鳴ったに違いない。そんなことを思い出させる雨の匂いである。


新堀時代の加藤神社境内


昭和36年ごろの磐根橋と加藤神社

サウンド・オブ・いだてん

2019-06-25 17:38:22 | 音楽芸能
 23日(日)の放送で「いだてん」の金栗四三編が終了した。これから、昭和39年の東京オリンピック実現へ向けて力を尽くした人々の物語が、田畑政治を中心に語られていくことになる。
 ふりかえってみると、あっという間の24回だった。視聴率の低さが話題になったが、そもそもテレビ番組の視聴は個人レベルでは「見るか見ないか」つまり「100㌫ か 0㌫」しかなく、視聴率は何の意味も持たない。脚本や演出がどうだ、出演者がどうだと、様々なご意見もあろうが、要するに大河ドラマで、日本スポーツ界発展の歴史を見たいと思う人が少なかったというだけの話だ。宮藤勘九郎の作品はこれまで個人的にはあまり好きではなかったが、今回の「いだてん」に関しては、より多くの人に興味を持ってもらえるようにという工夫がうかがえる。最終回では義母の池部幾江(大竹しのぶ)の口から「いだてん(韋駄天)」という神のそもそも論が飛び出し、見事なオチとなった。金栗四三編の中で使われた音楽を聴きながら、24回にわたる物語の余韻にひたるのもまた一興だ。


自転車で爆走する春野スヤ(綾瀬はるか)

▼自転車節
 女学生となったスヤ(綾瀬はるか)が初登場するシーンで歌い、その後、スヤから教えられた四三が歌ったり、時にはスヤのライトモチーフとして、また時にはアンダースコアとして度々流れた曲。



▼かっぽれ
 明治・大正期に大流行した俗曲。寄席芸としてもその滑稽な踊りが人気を博した。金栗四三編・最終回に、関東大震災で焼け野原となった浅草の焼け落ちた寄席の跡で、芸人が被災者たちを元気づけるため歌い踊るシーンがあった。
 


▼復興節
 関東大震災後、明治・大正期に活躍した演歌師・添田唖蝉坊の息子さつきが作ったといわれる。東京市民の間で歌われ始め、やがて全国に広まった。被災者の心の復興に大いに役立ったという。金栗四三編・最終回では、人々がこの歌を歌いながら力強く復興へ立ち向かう姿が描かれていた。なお、この歌は朝ドラ「ごちそうさん」などでも使われた。


今週末は陸上三昧?

2019-06-24 16:46:46 | スポーツ一般
 今週27日(木)から「第103 回日本陸上競技選手権大会」が福岡で行われる。来年の東京オリンピックを控え、日本代表の座をつかむためには重要な大会。熾烈な戦いが展開されそうだ。特に男子短距離陣はかつてない充実ぶり。山縣選手が欠場するのは残念だが、他のサニブラウン、桐生、小池、ケンブリッジ、多田らがどんな走りを見せてくれるのか目が離せない。





第100回日本選手権 男子100m決勝



第102回日本選手権 女子100mH決勝

牛深ハイヤ節 と “GO GO”

2019-06-23 21:23:53 | 音楽芸能
 YouTubeにアップしている「牛深ハイヤ節」の映像に興味深いコメントが寄せられた。2015年10月、西光寺(熊本市中央区細工町)で行われた、はつ喜月若さんの名取披露の時の映像なのだが、「東京YS」さんという方からの次のようなコメントだった。

「太鼓が効いた重心の低いサウンドは、1978からワシントンD.C.を中心に広まったGO GOにそっくり! このノリのいい演奏と指先まで気の張った見事な踊りはワールドクラスのエンターテイメントだと思います。もっと長尺で延々と拝見したいですね。」という内容。

「GO GOサウンド」は70年代に聴いたことはあるが、特に興味を持ったジャンルではなかったので、コメントを読みながら、「へぇ~!そうなんだ」と思った。「牛深ハイヤ節」は江戸時代、廻船が奄美大島から運んできた「六調」という南国的なノリのいいリズムがベースになっているそうなので、「GO GOサウンド」と通底するものがあるのかもしれない。そこでふと気づいたのだが、今、僕が興味を持って調べている「三番叟のリズムはどこから来たのか」というテーマのヒントになるかもしれない。



   ▼「GO GO」のゴッドファーザーと呼ばれるチャック・ブラウンの「Beautiful Life」

伝説のバレエダンサーと東京オリンピック

2019-06-21 20:56:01 | 映画
 夕方の情報番組「クマロク!」(NHK熊本)で映画評論家の園村昌弘さんがおススメ映画を紹介していた。今日紹介された作品の一つが「ホワイト・クロウ 伝説のダンサー」だった。ソ連生まれの伝説的バレエダンサー、ルドルフ・ヌレエフの半生を描いた作品のようだ。ヌレエフが海外公演に出かけると、その行動は常にKGBの監視下にあった。徐々に政府の圧力が強まっていた1961年、ヌレエフは次の公演地へ向かう矢先、突然帰国を命じられ、ついに亡命を決意する。というようなサスペンスフルな物語のようだ。画面を見ながら、僕は1964年の東京オリンピックの時のことを思い出していた。

 かつての冷戦時代、大きな国際スポーツ大会は数々の亡命事件があり、東側は自分たちのチームの選手の行動に神経をとがらしていた。1964年の東京オリンピックの時、大学1年だった僕は、水球競技会場の補助役員としてのアルバイトの合間に、世界トップレベルの選手たちの練習風景を見るため、何人かの仲間とともにずっとプールサイドにへばりついていた。ある日、練習会場となっていた神宮プールに優勝候補の一つ、ソ連チームがやってきた。練習が一段落した時、一人の選手がプールサイドにたたずんでいるのを見て、今がチャンスとばかり、僕らはその選手に駆け寄り、片言の英語と身振り手振りを交えながら、ボールテクニックについてたずねた。その選手はほとんど英語を理解できなかったが、実際にボールを手に取りながら教えてくれた。ふと気が付くと、5、6㍍離れたところから僕らのやり取りをじっと見ているソ連チームの関係者がいた。CCCP(エス・エス・エス・アール)の文字が入ったジャージを着てはいたが、選手でもコーチでもないことはひと目でわかった。通訳か何かのスタッフだろうと思ったが、鋭い視線が気になった。オリンピックが終わった後、先輩があるところから情報を仕入れて来た。「あれはKGBだったらしいよ。選手たちの亡命をおそれて監視していたらしい」オリンピックにはそういう一面もあるのだということをその時初めて知った。(昨年2月にアップした記事を再編集したものです)


1964東京オリンピック・水球決勝リーグ(ハンガリーvsソ連)ソ連のゴールキーパー・グラボウスキー

ブラタモリ阿蘇編

2019-06-20 18:04:19 | テレビ
 ついに「ブラタモリ阿蘇編」が放送されます。3年前「熊本城編」と「水の国・熊本編」が放送されましたが、その直後に熊本地震が襲い、もう随分前のことのような気がします。熊本という土地の成り立ちを考えますと、阿蘇編が「エピソード1」だと思います。ともかく放送は喜ばしいことです。
 内容はよくわかりませんが、NHKの番組紹介には次のように記載されています。

 観光地としても有名な阿蘇カルデラを「お役立ちポイント」を探しながら歩く
 ▽阿蘇は火山の見本市?世界の火山研究に役立つ中岳・草千里の魅力とは?
 ▽古墳を発見!赤く染まった石室の謎を探る!
 ▽クレヨンの「おうどいろ」も阿蘇でうまれた!
 ▽東京の下水処理も阿蘇のおかげ?
 ▽大草原に「日本の万里の長城」がつくられた理由とは?
 ▽縄文人も見た雄大な風景にタモリさんも感動

 ◆放送日時 6月29日(土)午後7:30~8:15(NHK総合)

キロクマ!」さんより


   ▼阿蘇の恋歌

山形県沖地震の支援活動

2019-06-19 19:51:31 | ニュース
 昨夜の山形県沖地震から一夜明けた今日、熊本市はさっそく支援に動き出した。特に被害の大きかった新潟県村上市と山形県鶴岡市には支援物資として両市にブルーシートを150枚ずつ送ったそうだ。3年前の熊本地震の際は全国から様々な支援をいただいているので、その恩返しという意味でも今後も継続して支援すべきだと思う。
 鶴岡市からは職員派遣の要請があり、2名を派遣することが決まったという。鶴岡市は加藤清正公・忠広公の終焉の地という熊本市とゆかりの深い町。平成23年(2011)の清正公生誕450年・没後400年行事の際には、鶴岡市黒川地区に伝わる黒川能(国指定重要無形民俗文化財)が招かれるなど、これまでも人の往来や文化の交流があった。熊本からの応援はきっとセイショコサンも喜んでおられるに違いない。

清正公が眠る天澤寺(鶴岡市丸岡)の参道

南阿蘇栃木(とちのき)温泉の再生は?

2019-06-18 18:12:43 | 熊本
 3年前の熊本地震による大規模な崩落で地形が変ってしまった南阿蘇村の旧栃木温泉一帯。観光名所だった「鮎返りの滝」もすっかり形状が変り、滝の後退が進んでいるという。しかし斜面の泉源は健在で、今もこんこんと湧き出し白川渓谷へ流れ込んでいるという。対岸に国の天然記念物「北向山原始林」を望む大自然に囲まれたこの温泉の源泉が発見されたのは江戸時代前期の1664年のことというから相当古い。その豊富な湯量により古くから湯治場として栄えた。この由緒ある温泉場が退避を余儀なくされたのは昭和50年代に立野ダム建設計画が持ち上がった時だった。当初から賛否両論のあったこの計画は40年以上もほったらかしとなった。近年になって一部の工事が始まったようだが、いまだに流域住民などの根強い反対運動がある。
 この栃木温泉・小山旅館のプールは、かつてわが濟々黌水球部の冬季訓練場だった。ここで培った基礎体力が夏場の厳しい練習に耐えるベースとなった。熊本地震関連のニュースで栃木温泉の話題が出る度、あの懐かしいプールで泳ぎ込んだ青春の日々を思い出す。


高校3年の時の春合宿


鮎帰りの滝を背景に(下村君と僕)

今日のチョット気になるニュース

2019-06-17 22:46:55 | ニュース
 今日耳にしたニュースの中でチョット気になるものが二つあった。

▼菊鹿ワイン カード情報流出か
 「菊鹿ワイン」で知られる熊本市の熊本ワイン株式会社の通販サイトで、去年12月からことし1月にかけて、購入の手続きをした利用客のクレジットカードの情報、最大444件が、流出したおそれがあるという。ネットでの個人情報流出が後を絶たないが、いよいよ地元の会社にも魔の手が伸びて来たか。しかも既に実害が出ているようだ。シニカルな言い方だが、こんなに頻繁に個人情報が流出するということは、ネット上に個人情報を登録する時は、流出することは覚悟の上でということのようだ。


2019.6.17「ニュース845くまもと」畠山衣美アナ


▼タピオカがヤクザの資金源に!
 先日、漱石内坪井旧居のあたりを歩いて通りかかったら、女子高生が群れをなしているのが目に入った。何ごとだろうと思いながらその場所の前にさしかかると、いつのまにできたのかタピオカ飲料を販売する店舗があり、ちょうど下校時間の中央高の女生徒が列をつくっているところだった。その時はちょっと微笑ましい風景だなと思いながら通り過ぎたものだが、今日のニュースではなんと、タピオカがヤクザの資金源になっているというではないか。大丈夫か、オイ!

カバー写真 ~大将陣の棚田~

2019-06-16 20:23:22 | 熊本
 例年、今日あたりが玉名の妹の家や妻の実家では田植をやるはずなので手土産をぶら下げて陣中見舞いに。ところが今年は雨が少なかったため苗の生育が遅れており、いずれも来週日曜日に田植を予定しているという。妻の実家では今年84歳になる義兄がトラクターを運転して一人で代掻き作業中。50過ぎの息子がいるのにいまだに任せられないらしい。困ったもんだ。
 帰りは河内回りで山越えをする。途中、峠の茶屋のところで右折し、大将陣の棚田の様子を見る。田圃に水が張ってあり、田植も近いことを思わせる。


妻の実家では義兄がせっせと代掻きの真っ最中


大将陣の棚田(金峰山東麓)は水が張られ代掻きも終わって田植を待つばかりのようだ。

喜多流能楽師 友枝喜久夫

2019-06-15 23:05:28 | 音楽芸能
 昨夜の「にっぽんの芸能」(Eテレ)は「蔵出し!名舞台~白洲正子が愛した名人たち」と題して、没後20年、随筆家で女性能楽師の先駆けでもあった白洲正子が愛した古典芸能の名人たちの至芸が、生前の白洲さんと親交があった演劇評論家の渡辺保さんによって紹介された。
 ▽観世流 二世梅若実「鞍馬天狗」
 ▽喜多流 友枝喜久夫「弱法師」「松風」
 ▽歌舞伎 十五世市村羽左衛門「勧進帳」
 ▽京舞 四世井上八千代「桶取」

 なかでも晩年になって惚れ込んだという友枝喜久夫については能「弱法師」と仕舞「松風」が紹介され、特に熱が入っていたように見えた。友枝さんの芸の優れた点について、渡辺さんは「無心」であることと説明していた。
 白洲さんの著書では僕は「近江山河抄」が大好きで、その他にも「かくれ里」や「老木の花」などを読んだが、「老木の花」を読むと白洲さんが友枝さんの芸を愛した理由がわかると思う。
 友枝さんは僕の高校の大先輩でもあるので、お名前だけは随分前から存じ上げていたが、ナマの舞台を観たわけでもなく、茫洋としていたそのイメージがやっとハッキリしてきたような気がする。