徒然なか話

誰も聞いてくれないおやじのしょうもない話

伝説の起り

2024-05-14 22:12:20 | 歴史
 先月、NHK「歴史探偵」で平安時代の名僧・空海を取り上げていた。日本各地およそ3,000ヶ所に空海伝説が伝わるという。それは、「高野聖(こうやひじり)」と呼ばれた下級僧たちが全国各地に赴き、勧進をし空海の教えを説いたからだという。それはいつの頃からか空海本人が訪れたという話に変わっていった。
 見ながら僕は「小野小町」のことを連想した。小野小町も全国いたるところに生誕地や墓などゆかりの地が存在する。柳田國男は著書「妹の力」の中で、「小野小町の遺跡が全国に(西は九州の熊本付近から、一方は奥州羽州にかけて)充満している事実に対しては、(中略)わたしはこれを小町の物語をもってあるく女性が、もとはおおよそ一つの中心から、発足したからではないかと想像している。(中略)小野小町の物語をしてあるく者を、直接にその小町が来たという風に伝えることは、今日ならばもちろんおかしいことであるが、これはその語り手が自身も上臈であり、しかも神憑きなどと同じ形式に、一人称を以って昔のことを述べたとしたならば、誤解でなくともそういう風に呼ぶことはあり得る。」と述べている。(※上臈:高級女官)
 しばらく行っていないが、熊本市の北部、植木町には小野小町が産湯を使ったという「小野泉水」があり、植木方面に行った時には憩いの場としてよく利用していた。
※上の写真は2014年京都葵祭において小野小町に扮した祇園舞妓(当時)のまめ藤さん


小野泉水