徒然なか話

誰も聞いてくれないおやじのしょうもない話

陽光きらめく中

2023-02-28 20:42:34 | 
 今日の散歩は昨日より少し距離を伸ばした。暖かい日差しを浴びながら歩いていると自然と背筋が伸びる思いがする。普段見慣れたコースではあるが季節が変わるとまた見え方も違ってくるのが面白い。帰り着く頃にはうっすら汗がにじむほどで心地よかった。


護国神社前の梅園は今がまさに満開といった状況


メジロが群をなして次から次へと木渡りしていた。


宇土櫓の解体工事はいまだ素屋根組立の基礎工事段階。


中坂を下りながら遠く阿蘇の山並みが見え、往時の参勤交代御行列の人々の思いはいかばかりか。

令和 やがてまる4年

2023-02-27 20:09:53 | 世相
 三日間、風邪で寝たり起きたりを繰り返したが、やっと今日床を上げた。かかりつけ医での検査ではコロナでもインフルエンザでもなかったが、考えてみればコロナは5回ワクチンを打っているし、インフルエンザワクチンも打っているのでそんなに簡単にかかってもらっても困る。すっかり体力が落ちているので今日は近所をゆっくり散歩した。徐々に距離を伸ばしながら体力を回復して行こう。

 ところで、もうやがて令和になってまる4年となる。この4年間、コロナが蔓延したり、ウクライナ戦争があったりとあまりいいことはなかった。「令和」の意味もすっかり忘れつつあるが

「初春(しよしゆん)の月(れいげつ)にして、気淑(よ)く風(やはら)ぎ、梅は鏡前(きやうぜん)の粉(こ)を披(ひら)き、蘭(らん)は珮後(はいご)の香(かう)を薫(かをら)す」

という万葉集・梅の花三十二首の序文を典拠としている。

「初春のよき月にして、空気はよく風は爽やかに、梅は鏡の前の美女が装う白粉のように開き、蘭は身を飾った香のように薫っている」

というような意味らしいが、今までのところ「令和」にふさわしい4年ではなかったような気がする。もちろん元号はそうあってほしいという願いが込められたものだから、これからの令和時代が「令」であり「和」である時代になるよう願うばかりである。 


日本文化のあり方

2023-02-26 20:04:01 | 日本文化
 新型コロナが発生する前、日本には3千万人を超える外国人が訪れていた。近い将来、コロナが終息すればそれを上回るような訪日ラッシュが始まるとの予測もある。昨日も高野山の仏教文化を訪ねる外国人が増えているというドキュメンタリーが放送されていたが、最近は単なる観光から日本文化に興味を持って来日する外国人が増えていると聞く。単なる物見遊山の「サイトシーイング」から、文化交流へと進化して行くのかもしれない。
 2016年に他界された喜多流能楽師の狩野琇鵬さんの著書「生死の境を歩む」の中に、とても心に残る一節がある。それは琇鵬さん一行が伝統芸能のフェスティバルに参加するため渡欧された時のこと。琇鵬さんたちの他にもう一つ別の団体が参加していた。琇鵬さんたちは古典をそのまま演能されたそうだが、もう一つの団体は、現代的な新しい解釈を加えた演目を披露した。結果、琇鵬さんたちが大受けだったのに対し、もう一つの団体は全く受けなかったという。
 外国人が日本文化に期待するものが何なのか、読み違えると大失敗をしてしまうという示唆に富んだお話だ。


欧州公演時の狩野琇鵬さんとハイデルベルク市長(アテンドした森浩さんの提供)

山中節(石川県民謡)

2023-02-25 19:22:21 | 音楽芸能
 今日、名曲アルバム(NHK-G)で石川県民謡の「山中節」が取り上げられていた。全国に数多ある民謡の中でも「磯節」(茨城県)とともに僕が最も好きな民謡である。
 その由来について番組では

山中節をもたらしたのは江戸時代、北前船の船乗りたちだと伝えられる。大阪から北海道への航海を終えた船乗りが、この温泉で疲れをいやし口ずさんだ節を地元の娘たちがまねたのが始まりとされる。

と紹介していた。山中温泉といえば石川県でもかなり内陸部の今の加賀市にある。北前船の寄港地である塩屋港から大聖寺川を遡って来たのだろうか。そのことについての説明はなかった。




 今日の名曲アルバムは3/4(土) 午後2:55 まで次のURLで見逃し配信が見られます。
  名曲アルバム「山中節」

 「山中節」をモチーフとして三味線音楽の大御所本條秀太郎さんが創作されたのが次の
 「雪の山中」。合わせてぜひご覧ください。

篠笛の教室

2023-02-24 19:27:26 | 音楽芸能
 今年度は熊本県邦楽協会演奏会が行われないようだ。毎年楽しみにしている演奏会なので残念だ。
 ところで、民謡三味線の本條秀美さんの教室では、昨年9月から篠笛(しのぶえ)教室を開設しておられるそうだ。毎年、熊本県邦楽協会演奏会で篠笛を演奏され、毎回共演している「藤舎仁鳳」さんにご指導をお願いされているという。仁鳳さんは熊本県邦楽協会演奏会のほか舞踊団花童の公演でも度々笛方として参加されており、10年以上前からお顔は存じ上げているお馴染みの先生。なかなかのイケメンで女性ファンも多いらしい。
 邦楽器のなかで僕が唯一習ってみたいなぁと思ったのが篠笛だったので、これからチャンスがあれば本條秀美さんの教室で篠笛の指導を受けてみたい。
 ▼本條秀美さんのサイト
前列囃子方の右端が藤舎仁鳳さん。

昭和35年(1960)の思い出

2023-02-23 16:11:52 | 歴史

熊本市西松尾町・小田部さん宅のしだれ梅(2023.2.22の様子)


 天皇陛下は、今日、63歳の誕生日を迎えられました。
 陛下がお生まれになった昭和35年(1960)は僕個人にとっても思い出深い年です。この年の出来事を思い出しながら、天皇陛下の誕生日をお祝いし益々のご健勝をお祈りしたいと思います。


昭和35年9月、1億8千万円の工事費と1年半の工期を経て復元された熊本城天守閣


昭和35年熊本国体が開催され、水前寺陸上競技場がメーン会場となりました。


開会式のマスゲームでは細川九曜紋をかたどった形で、婦人会による「五十四万石」が踊られました。


熊本城内プール(現城彩苑)で行われた熊本国体水球決勝、濟々黌(熊本)対鴨沂高(京都)の熱戦



おだまきのはなし。

2023-02-21 20:49:53 | 音楽芸能
 今夜の夕食で久しぶりに「おだまき」を食べた。簡単に言うと、うどんが入った茶わん蒸しとでも言ったらいいだろうか。「おだまき」という名前の由来は、紡いだ麻糸を巻いて玉にした「苧環(おだまき)」に形が似ているからだという。「小田巻」とも表記されることがある。この「おだまき」は子どもの頃の大好物だった。当時としてはご馳走だったと思う。「苧環(おだまき)」という名の花もあるらしいが見たことはない。
 子どもの頃の思い出があったからか、長唄「賤の苧環(しずのおだまき)」を初めて聞いた時はその題名が気になって食いついた。義経の愛妾・静御前が舞った当時の流行歌「今様」がもとになった長唄だそうだ。下の映像は鎌倉の鶴岡八幡宮舞殿で行われた「鎌倉祭り」での奉納舞のようだが、江戸後期の三味線音楽である長唄で鎌倉時代の白拍子舞を舞うというとても興味深い舞台だ。

   ▼長唄「賤の苧環(しずのおだまき)」
これは静と申す白拍子にて候

春の調べ

2023-02-20 20:08:38 | 音楽芸能
 熊本は昨日、春一番が2年ぶりに吹いたそうだ。しかし、今日は打って変わって冬に逆戻りしたかのような冷たい風が吹いている。昨日のマラソン見物は春用のジャンパーを着て行ったが今日はまた防寒着を着込んで出かけた。こうして三寒四温を繰り返しながら春本番を迎えていくのだろう。


しだれ梅と放牛石仏(往生院)


梅の小枝のメジロのさえずりは…


迦陵頻伽の妙なる歌声か(往生院の梵鐘)



熊本城マラソン2023

2023-02-19 17:31:41 | スポーツ一般
 今日は3年ぶりの熊本城マラソン。3年前の第9回大会は風雨が強い悪コンディションの中での大会だったが、今日は時折小雨がパラつくもののあまり寒さは感じない。選手たちにとってそれほど悪コンディションではないように思われた。テレビ中継で見る通町筋スタート地点の盛り上がりはいつも通りの一方、沿道の応援の盛り上がりがコロナ中断前に比べると今一つと感じられたのは2年間のブランクのせいなのだろうか。ともかく無事に大会が終わり、選手や運営スタッフ(多くのボランティア含む)そして応援の皆様、本当にお疲れさまでした。


ゴール地点の二の丸広場に設置されたモニターでフルマラソン残り2㌔のトップ争いを見守る観客


護国神社梅園の梅の花が見守る最後の難所を登るランナーたち


ゴールは目の前。埋門前の坂で最後の力を振り絞るランナーたち

ドイツのストリートで「春の海」!

2023-02-18 18:20:19 | 音楽芸能
 男性筝奏者の大川義秋さんがドイツのストリートで「春の海」を演奏したという映像がYouTubeにアップされていた。和楽器の筝でも、演奏曲が洋楽だったり海外でもよく知られている日本の楽曲なら特別に注目することはないと思うが、いわゆる邦楽を代表する楽曲である「春の海」にドイツの一般市民はどういう反応をするのか興味があった。結果的には大いに受けていたようでちょっと安心した。
 彼が2017年の第23回くまもと全国邦楽コンクールで最優秀賞を受けた時、キャラ濃いめの彼のステージを見ていたので、その後の活動も注目している。これからもどんどん海外に出て活躍してほしいと願っている。


くまもと全国邦楽コンクールにおける大川義秋さん


梅あれこれ

2023-02-17 22:34:45 | 文芸
 紅梅にあはれ琴ひく妹もがな(漱石 明治29年)

 この年の4月に熊本へ赴任する直前、松山の愚陀仏庵での漱石の作品。
 漱石の梅の句の中で僕が最も好きな句。早春にしみじみとした趣の琴の音が聞こえてきて、それを奏でているのが愛しい人であればなぁという意か。また、琴も漱石の得意な題材で、実際に琴の音が聞こえてきたのかどうかわからないが、琴の音にまつわる原体験があったのかもしれない。

 わが家の白梅は例年よりだいぶ遅れたが今年も咲いた。今日は暖かかったので梅の名所の開花状況を見てみようと出かけた。西松尾町の小田部さん宅のしだれ梅はまだ開花が始まったばかりのようだ。例年よりもかなり遅れている。見ごろまでにはまだだいぶ日数がかかりそうだ。谷尾崎梅林公園も全体的には五分までも行っていない印象だった。


谷尾崎梅林公園の紅梅

阿国歌舞伎のお江戸デビュー

2023-02-16 21:43:14 | 歴史
 2月20日は慶長12年(1607)のこの日、歌舞伎の祖といわれる出雲阿国が江戸城に招かれ、かぶき踊りを演じたと江戸初期の史書「当代記」に書かれている。しかし、その時の演目など具体的な内容はわかっていない。阿国歌舞伎は様々な文献によれば、大別すると「ややこ踊り」「茶屋遊び」「念仏踊り」の三つが主要な演目だといわれているが、一部の題名や詞章が伝えられているだけで、音楽や舞踊についてはほとんどわかっていない。「ややこ踊り」は初期の演目で若い女性による舞踊。狂言小舞などの中世芸能をもとにしたとみられ、「小原木踊」や「因幡踊」などを演じていたと推測される。「念仏踊り」も初期の頃からやっていた演目で、首から提げた鉦を叩きながら念仏を唱え踊る。もともとは仏教の行を芸能化したもの。「かぶき踊り」はまさに阿国が今日の歌舞伎の祖たる所以となった芸能。阿国が男装した「傾奇者」が茶屋に遊びに行くという寸劇。それを迎える「茶屋のおかか」は男性が演じ、性が倒錯した不思議な世界が展開するというもの。
 新潟県柏崎市に伝わる「綾子舞」は阿国歌舞伎の面影を最も色濃く残しているといわれている。それは江戸・慶長期に描かれた歌舞伎図鑑(徳川美術館蔵)の初期の歌舞伎絵図が今日の「綾子舞」と酷似していることや「小原木踊」「因幡踊」「常陸踊」など、「綾子舞」と「阿国歌舞伎」に共通する演目があることなどがその根拠となっている。「綾子舞」の演目の一つでもある「因幡踊」は出雲出身の阿国が因幡国(鳥取県)で採集したと、大正11年に出版された「近代舞踊史論」(小寺融吉 著)に書かれている。
 江戸城での公演から3年後の慶長15年(1610)春、阿国歌舞伎は加藤清正に招かれて熊本へやってきた。塩屋町三丁目(現中央区新町2丁目)の武者溜りに小屋掛けした阿国歌舞伎は熊本は勿論、九州初お目見えで、侍たちは銀子1枚を出して桟敷で見物し、町人たちは八木(米)を見物料として出し、鼠戸口より入って芝居(舞台と貴賓席との間の芝生席)でこれを見た。歌舞伎の祖、阿国を見んものと集まった貴賎上下の老若男女、鼠戸の前に市をなし、押し合いながら見物したという。
参考資料:續撰清正記ほか


阿国歌舞伎絵図


博栄堂印房さん(熊本市中央区新町2丁目)のシャッターに描かれた阿国歌舞伎図
阿国歌舞伎が行われた塩屋町三丁目の武者溜りがあった地点

綾子舞の「因幡踊」

エリーゼのために ~ キッスは目にして!

2023-02-14 20:45:17 | 音楽芸能
 草彅剛主演のドラマ「罠の戦争」(フジ系)の出演者たちによる「罠ダンス」がTikTokで話題になっている。使われている曲が1981年にザ・ヴィーナスが歌って大ヒットした「キッスは目にして!」のカバー曲。
 この曲は1810年にベートーヴェンが作曲した「エリーゼのために」を、1957年、アメリカのバニー・ボトキンらがアレンジして「Passion Flower(情熱の花)」としてリリースしたもののアメリカではヒットせず、イタリアに渡って人気が出た。1959年にイタリアのカテリーナ・ヴァレンテが「Tout l'amour 」という題名で歌い、これが日本でもヒットした。欧米ポップスの日本語バージョンが流行っていたこの時代、さっそくザ・ピーナッツが「情熱の花」としてリリースして大ヒット。その後1981年にザ・ヴィーナスが「キッスは目にして!」としてこれまた大ヒットした。
 今夜は昔、ザ・ピーナッツの公演で聴いた「情熱の花」を思い出しながら、この曲の歴史を遡ってみた。

ザ・ヴィーナス「キッスは目にして!」(1981年)


ザ・ピーナッツ「情熱の花」(1959年)


カテリーナ・ヴァレンテ「Tout l'amour 」(1959年)


ヴァレンティーナ・リシッツァ「エリーゼのために」(1810年ベートーヴェン作曲)

漱石の句「すみれほどな・・・」のナゾ

2023-02-13 22:42:34 | 文芸
 三日前、再開した「夏目漱石内坪井旧居」を7年ぶりに訪れた時、座敷の掛軸の句「菫ほど小さき人に生まれたし」を眺めながら、京陵中学校の前の漱石記念緑道に立つ句碑は「すみれ程小さき人に生まれたし」であることを思い出した。この「な」と「の」の違いが気になってだいぶ前に調べたことがある。今回はせっかくの機会なので内坪井旧居の館長さんにお尋ねしてみたがよくわからないとのこと。
 この句は、下の句碑の側面に書いてあるように、明治30年2月、俳句の師でもあった正岡子規へ送った40句の中の1句だそうだが、子規が「すみれほど」を嫌ったのだと書いてある文献を読んだこともある。なぜ子規が嫌ったのかがわからない。上句の字余りがよくないのか、「な」という断定の助動詞を嫌ったのか、あるいは散文的と評価したのか。いずれにしろ、子規の評価を受けて「すみれ程の」という比喩の格助詞を使ったバージョンが出来た可能性がある。熊本に残る二つのバージョンは永遠の謎なのかもしれない。


京陵中学校前の漱石記念緑道の句碑。こちらは「すみれ程の小さき人に生まれたし」
 

句碑の側面に書かれた説明


2016年4月13日に行われた漱石来熊120年を記念するイベントで漱石記念緑道の句碑の前を行く漱石

バート・バカラックさん

2023-02-12 19:16:24 | 音楽芸能
 先日、94歳で他界されたバート・バカラックさん。学生時代から20代にかけて映画音楽やポップスで随分楽しませていただいた。特にディオンヌ・ワーウィックとのコンビによるアルバムはわが人生で最も聴いたアルバムだったかもしれない。
 追悼記事をと思いつつ、バカラック・メドレーのいい動画がないか探したのだがこれがなかなか見つからない。やっと見つけたのがこれ。70年代のTVショーの映像のようだが、バカラックのピアノにディオンヌ・ワーウィックと当時人気絶頂のグレン・キャンベル(2017年没)の共演という夢のような番組。
 65年にトム・ジョーンズが歌った映画「何かいいことないか子猫チャン」の主題歌のイントロから始まるという洒落たラインアップ。以下、次のような曲目が並ぶが、「Gentle on My Mind」などグレン・キャンベルのヒット曲もはさみながら進む。短いフレーズの挿入曲は曲目がよくわからなかったのもあるのはご容赦を。
 バカラックさんに心からの感謝の意を込めて合掌。

What's New Pussycat?
Wives and Lovers
Dreams Of The Everyday Housewife
This Guy's In Love With You
The Look Of Love
Do You Know the Way to San Jose
Walk On By
Magic Moments
Alfie
I'll Never Fall in Love Again
Gentle on My Mind
 etc.