徒然なか話

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「春の小川」 と高野辰之のはなし。

2017-01-17 20:49:30 | 音楽芸能

成道寺川

 「春の小川」は大正元年(1912)尋常小学唱歌として発表された。作詞者の高野辰之は「おぼろ月夜」や「ふるさと」といった作品でも知られているが、当時、豊かな田園が広がっていた今の渋谷区代々木に住んでおり、よく散歩していた河骨川をモチーフにして「春の小川」を作詞したといわれる(諸説あり)。河骨川は渋谷川の支流で、6年ほど前放送された「ブラタモリ渋谷編」では、現在はそのほとんどが暗渠化された渋谷川の痕跡を辿っていたが、河骨川も同様、今は暗渠化され、歌が作られた当時の面影はない。

「春の小川」 作詞:高野辰之 作曲:岡野貞一

【現代版】
1.春の小川は、さらさら行くよ。
  岸のすみれや、れんげの花に、
  すがたやさしく、色うつくしく
  咲けよ咲けよと、ささやきながら。

2.春の小川は、さらさら行くよ。
  えびやめだかや、小鮒の群れに、
  今日も一日ひなたでおよぎ、
  遊べ遊べと、ささやきながら。

【オリジナル版】
1.春の小川はさらさら流る。
  岸のすみれやれんげの花に、
  匂いめでたく、色うつくしく
  咲けよ咲けよと、ささやく如く。

2.春の小川はさらさら流る。
  蝦やめだかや小鮒の群に、
  今日も一日ひなたに出でて
  遊べ遊べと、ささやく如く。

3.春の小川はさらさら流る。
  歌の上手よ、いとしき子ども、
  声をそろえて小川の歌を
  歌え歌えと、ささやく如く。






▼水量豊かな川だった江戸時代の渋谷川の風景を描いた葛飾北斎の「富嶽三十六景・穏田の水車」


 また、高野辰之は日本の古典芸能や伝統芸能の研究者として、数多くの著書を残しているが、明治時代末期、福岡県瀬高町に伝わる「大江幸若舞」を訪ね、幸若舞が芸能史上特筆すべき古典芸能であることを広くPRしたことが、幸若舞を存続の危機から救い、今日も国内唯一この地に幸若舞が残った大きな要因といわれている。


※今年の幸若舞は・・・
2017年1月20日(金)
開会式:午前11時30分から
上 演:正午から
場 所:大江天満神社幸若舞堂(みやま市瀬高町大江)
    JR瀬高駅より徒歩20分
問い合わせ:みやま市教育委員会社会教育課
平日連絡先:0942(32)9183


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