水前寺成趣園能楽殿で行われた「翁プロジェクト熊本公演」を観てからやがて3年経つ。能楽の頂点といわれる「翁」をナマの舞台で観たのは初めてだったのでいまだに感動冷めやらない。熊本ゆかりの友枝昭世師(人間国宝)による「翁」もさることながら、主役とも言える「三番叟」の「揉みの段」「鈴の段」は農耕儀礼に始まる日本の芸能の原点を感じさせて印象深かった。
「翁プロジェクト熊本公演」における三番叟(山本則重さん)
その三番叟の舞を見ていると、鼓が刻むリズムの中にどうしても思い出すリズムがある。下の映像の1分40秒あたりから注目して聞いていただきたい。
5年前に世を去ったアメリカの名ドラマー、ハル・ブレインがザ・ロネッツの「Be My Baby」のイントロで刻むビート「thump-thump-thump-crack」は「伝説のビート」といわれ、ブレインが音楽史に残した足跡の一つとされている。僕はそのビートを聴きながら「三番叟」のリズムを連想する。ブレインの死を報じたニューヨークタイムズがこのビートをいみじくも「心臓の鼓動」と表現しているがそれはまさに800年も昔に始まった「三番叟」にも言えるのではないかと思うのである。
「翁プロジェクト熊本公演」における三番叟(山本則重さん)
その三番叟の舞を見ていると、鼓が刻むリズムの中にどうしても思い出すリズムがある。下の映像の1分40秒あたりから注目して聞いていただきたい。
野村萬斎さんの三番叟
5年前に世を去ったアメリカの名ドラマー、ハル・ブレインがザ・ロネッツの「Be My Baby」のイントロで刻むビート「thump-thump-thump-crack」は「伝説のビート」といわれ、ブレインが音楽史に残した足跡の一つとされている。僕はそのビートを聴きながら「三番叟」のリズムを連想する。ブレインの死を報じたニューヨークタイムズがこのビートをいみじくも「心臓の鼓動」と表現しているがそれはまさに800年も昔に始まった「三番叟」にも言えるのではないかと思うのである。
三番叟は、能の中でも独特です
ね。
おっしゃるように、原初のリズムを伝えているのかも知れません。時代や地域をこえて、人間の奥深い所に響いてきます。
ビデオで笛を吹いているのは、私の能管の師匠です。全国の舞台を飛び回っています。萬斎や梅若六郎からは、よく声がかかるようです。
鼓のリズムはどこか異国の匂いを感じます。
能管をやっておられたんですか!私も習いたいなぁと思っている唯一の楽器が笛なんですよ。