小倉清子『ネパール王制解体』(NHKブックス)を通読。
ネパール共産党毛沢東主義派(マオイスト)という政党があります。
「いまどき毛沢東主義?」と思いますが、ネパールの事情を考えれば、
マオイストが勢力を伸ばしたのも理解できます。
強権的な支配をめざす国王、政争に明け暮れる議会政治家により、
ネパールでは、都市と農村の格差などの問題が拡大しました。
1996年、マオイストは「農村から都市を包囲する」戦略により、
「人民戦争」と呼ばれる武装闘争を開始します。
2001年に起きた、国王一家殺害事件による混乱が続く中、
2005年、国王がクーデターにより、直接統治を開始。
主要政党7党とマオイストが協力して抵抗することになりました。
2006年11月、ついに政府とマオイストが和平協定に調印。
国連の監視下でマオイストが武装解除し、和平プロセスを進める予定です。
日本も監視団の一員として、自衛官を派遣することが決定しています。
国土の7割を実効支配しているとされるマオイストの動向が、
ネパールの民主化を左右することは言うまでもありません。
武装解除がスムースに進むことを願わずにはいられません。
| Trackback ( 0 )
|