僕のほそ道   ~ のん日記 ~

  
これと言ったテーマはなく、話はバラバラです。 つい昔の思い出話が多くなるのは年のせい? 

大阪G20サミットをめぐる冒険?

2019年06月28日 | 日常のいろいろなこと

大阪は今や「G20サミット」一色に塗りつぶされています。

僕が住んでいるところは、それほどでもないけれど、大阪市内では大変なようです。TVニュースを見ても、市内の道路沿いの画面は警察官だらけ。大阪市内に勤めている長男の話では、数日前から主要道路には約50メートルごとに複数の警察官が立っていて、その横のパトカーには「北海道警」とか「宮崎県警」とか、日本中の警察が集まっていたということでした。

う~ん。こんな調子じゃ、大阪以外の都道府県は警察が手薄になっているんじゃないの? 大阪以外で悪い奴らが暗躍するのではないの?な~んて、むしろそちらが心配になるほどですよね。

高速道路は通行止め。一般道路も厳しい規制。バスやタクシーも、いちおう運行はしているものの、ほぼ役に立たないのでは、とも言われています。また、今日の首脳陣の夕食会が行われる「大阪迎賓館」がある大阪城公園は、周囲がものすごい警備ぶり。う~ん。僕が知る限り、大阪でこれほどの厳戒体制がとられるのを見たのは初めてです。たぶん、大阪の皆さん全員がそうだと思います。

かつて、1995年(平成7年)10月、パリへ旅行した時、ちょうどその直前にイスラム集団によるパリ地下鉄爆弾テロ事件が起きたことで、パリの街中が厳戒態勢にありました。地下鉄の乗降場所には、銃を担いだ警察官たちが直立不動の態勢で整列している。小さな店に入る時にも、手荷物を隅々まで検査される。ゴミ箱はどこにも置かれておらず、たとえば街頭で売られていた焼き栗を買って食べても、皮は道端に捨てる。だから街の中は汚れまくっていた。

あの時の厳重な体制もすごかったですけどね~

でも、今回の大阪の厳戒態勢は、それどころではない。ホントに見たことのないほどのものです。

そこで

「どんなんか、ちょっと見てみたいなぁ」

と、僕は好奇心を抑えきれず妻に言った。その様子をテレビではなく、この目で確かめてみたい。今日と明日にG20の会議が開かれるので警戒体制はピークに達しているはずだ。どんなんか、見てみた~い。

そこで、今朝、僕は妻に、

「今日、これから梅田まで電車で行って、そこから天王寺まで、御堂筋やナンバや通天閣なんかの人通りの多いところをウオーキングしたらどうやろか? 警察官がいっぱいいるやろうなぁ。厳戒態勢がどんなんか、見たいわ」

と言ったのです。

妻は笑って「怪しまれたらどうすんの? いつもみたいにリュックを背負っていたら、おまわりさんから変な目で見られるわよ」と妻。

でも僕は、 「もし職務質問されたら、『どんなんかな~と思って見に来ましてん』と言ったらいいじゃん」と言う。すると妻は 「そんなアホかいな、と思われるよ」と言う。

「そうかなぁ。見たいなぁと思っている人、多いんちがう?」と僕。

「でもね。もしも、だよ。ホントにそんなところを歩いていて、テロに巻き込まれて、死んでしまったらどうするの?」 と、妻が冗談半分で言う。

そのとき、朝ご飯を食べていたモミィが横から口を出した。
「ほんまや。わざわざそんなとこに行って死んだら、笑われるで」

そんなことで「厳戒体制見学ウオーク」は実現しませんでした(笑)。

そこで今日は午前中から妻と地元のコースをウオーキングしました。

わが家から歩いて1時間ぐらいにある「リック羽曳野」の図書館へ行って本を借りたり、ホームセンターでちょっとした買い物をしたりした後、その帰り道に「くら寿司」に入って昼食をとりました。暑い中での1時間半余りのウオーキングはかなり疲れたので、お店で飲んだビールは「うま~い!」と、ホント、格別でした!

で、その「くら寿司」のテーブルに、こんなメニューが置いてありました。

 

 

「G20大阪サミット」にちなみ、
昨日と今日で限定20食として、
G20・海鮮丼20種の食材とか、
G20・甘えび20尾メガ盛りとか、
G20・スパイシーカレーうどん20種のスパイスとかね~

まあ、そういうことでした。

 

 

 

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あかんたれ

2019年06月26日 | 日常のいろいろなこと

こんばんは~。 お久しぶりでございます。

というか、ほんの10日間ほどのご無沙汰で「お久しぶり」という言葉を使っていいのかな~と、いま、これを打ちながら思っているところです。

症状につきましては、いただいたコメントのお返事の中で書きました。要するに体に変調を来たしたうえに、いろんなことが重なって、気が滅入ったというわけですが。

「しばらく休みます」と書きましたが、これくらいの期間で「復帰」できるのなら、わざわざ「しばらく」なんてことを書かなくても、黙って休んでりゃよかったですよね~。ちょっと大げさでした。

でも、あの時は、何だかストレスにまみれ、落胆とか悲観とかが重なって、少し思いつめ、ついそんなことを書いてしまいました。ご心配をしていただいた皆様には、申し訳なかったと思います。

ブログに書きたいことはたくさんあったんですけどね~

6月17日は20歳の時の北海道への自転車旅行へ出発した日でした。これまでも、何度かこの日に「出発の日」というタイトルの記事を書いたのですが、今回はあれからちょうど50年に当たる最も記念すべき日で、ぜひ書きたいと思っていたのですが、あ~あ、ままならず。

それから、大阪で起きた「交番襲撃男」が拳銃を持ったまま逃走した事件も、地元大阪で起きた事件だけに、何か書きたかった。

それと、間もなく始まる大阪市での「G20大阪サミット」を控え、警察官だらけの大阪の厳戒態勢ぶりにも触れたかったです。

で、それから、先日、田辺聖子さんが亡くなったという報に接し、この人のファンだった僕として、書きたいことは山ほどあったのですが、それもまた、ままならず。やれやれ。

何となく不完全燃焼状態が続きました。やはり、ブログで書きたいことを書かなければという思いが募る一方でした。でも、体調が整わないのでその気力が湧いて来ない。こうなると、もはや体より心の問題ですね。

う~ん。もういい年をしているのに、なかなか自分をコントロールできないんですから、ホント、駄目ですよね~

ふだんは気楽な生活を送っているはずなんですが、少しリズムが狂うとそれを乗り越えられない自分が情けないです。

このブログの自己紹介の欄に「耳鳴りと心房細動に悩まされていますが、無傷の人生って誰にもないんですから、まぁ仕方ないかと」と、えらそうに、わかったようなことを書いているくせに、実際にはこんなんですわ。

あきまへんなぁ。

田辺聖子さんに言わせてみれば、こういう人間を、

あかんたれ

と、言うんですわ。

ほんまにねぇ。

 

 

 

 

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しばらく…

2019年06月16日 | 日常のいろいろなこと

体調が悪いので、ブログ、しばらく休みます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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美智子さまの心臓の症状と僕の心臓弁膜症

2019年06月13日 | 心と体と健康と

今は上皇后となられた美智子さまが、先週の血液検査で、BNPという心不全の指標となる数値が高いことが分かり、その後心臓の検査を受けられたという。

BNPと言えば、僕も異常に数値が高かった時期があり、今もそこそこ高いので、そのニュースが流れた時は、テレビにくぎ付けになりました。

BNPとは心臓に負荷が加わった時に心臓から分泌されるホルモンの数値だそうで、基準範囲は約18mg以下。しかし僕の場合、2年前に200mg以上の異常に高い数値となり、その後の検査も100mgを超えていたので、去年の7月、それまでの近所のクリニックをやめて以前に通っていた徳洲会病院へ再び通い始めたという経過があります。

それで美智子さまの心臓の検査の結果は、心臓の左右それぞれの心房と心室の間にある弁が完全に閉じず、血液の一部が逆流する症状が見つかったという発表だった。また僕と同様、不整脈の症状もあったという。

僕も去年7月、病院で心臓のレントゲンやエコー、心電図などの検査を行った結果、心臓弁膜症と告げられました。これも、弁が閉じにくくなって血液が逆流する症状だということです。

やれやれ。これでまたひとつ病気が増えた。心房細動(不整脈)と関係があるのかどうか?

医師は「また別のものですが」ということだったけれど、「ある」とも「ない」とも明言はしなかった。

その時、医師は僕の10年前の心臓検査のデータ(フィルムなど)があったというので、それを見て、「10年前から逆流の症状はありましたね。今はそれよりは進んでいますが、ここからさらに悪化していけば手術ということになります」と言いました。それで、今後年に1回程度は心臓検査をして様子を見ていこう、ということになったのです。

美智子さまの症状も、さほど悪いようではありませんが、BNPの数値が高く(具体的にどれくらいの数値だったんだろう?)、心臓の弁の閉じ方が不完全なために血流が逆流してしまう状態というのは僕も同じです。ただ、今のところ僕は生活にはほとんど支障はないし、美智子さまも今日まで京都にご滞在されているとのことなので、まあ、緊急事態という状況ではありませんよね。

ところで、 僕が心臓の検査を受けたのは去年の7月で、年に一度は同様の検査をすることになっています。で、あれからほぼ1年経ったので、来月(7月)の中旬にまた検査を受けます。

この夏休みには家族で海外旅行へ行く予定で、申し込みも完了し、妻もモミィも大いに楽しみにしているのに、その前に受けた検査で症状が進んでいて、入院とか手術とかになったらどうしようかと、正直なところ、少し気になっています。というか、ビビッています。

何ごともありませんように! 

 

 

 

 

 

 

 

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最後のウダウダ会 浪速の橋めぐり

2019年06月09日 | ウォーク・自転車

このブログを以前から読んでくださっている方は「ウダウダ会」というのをご存知だと思います。15人前後の仲間が集まって、近郊のいろんな場所をウオーキングする会で、つまり「歩こう会」なんですが、歩いた後の打ち上げで飲んで騒ぐのが楽しみの会なので、別名「あるこーる会」とも言います(言わへんわ!)。

思えば2010年(平成22年)の3月。それまでも一緒にウオーキングとお酒を楽しんでいたグループの幹事さんから、1通のウオーキングの案内封筒が届きました。その差出人のところに「日本ウダウダ会」と書かれていました。「なに、それ?」と思いながら封筒を開けました。それがウダウダ会の始まりでした。


   
初めて「ウダウダ会」の案内状をもらったのがこれ。
(2010年3月30日のブログに掲載した写真です)


以後、それまで5、6人だったメンバーが、10人ぐらいから20人近くにまで増え、今年で10年目を迎えました。

そして今回、先週の日曜日(2日)に約半年ぶりにウダウダ会があって、僕も出席しました。

ところが

今回の会長さんからのその案内文には、

「ウダウダ会も回を重ね幾星霜でありますが、今回の例会を機に休会といたしたく思います。(中略)。楽しい時間を共に過ごさせていただきありがとうございました」

とありました。
つまり、ウダウダ会は事実上、今回が最後、ということのようでした。ちょっとビックリしましたけど、お世話をしていただいていた幹事さんや、その周辺の人たちも高齢化してきたので、それもやむを得ないことなのかとも思ったり。むろん僕も他人事ではありませんが。

………………………………………………………………………………

さて、6月2日に行われた「最後のウダウダ会」ですが、今回は「浪速の橋づくし」というテーマ。大正区から港区にかけて、大きな橋の多い、大阪湾のすぐ近くを歩きました。まぁ、「橋づくし」と言っても、渡った主な橋といえば「新木津川大橋」と「なみはや大橋」の2つでしたけどね~

 

これは大阪市の西側の地図ですが、「33」のワクの中を見ていただくと、下の方に小さな字ですが「船町」というところがあります。そのすぐ下に赤い印をつけたのが「新木津川大橋」で、その上に「鶴町」というところがあって、その上に同様の赤い印をつけたのが「なみはや大橋」です。大阪以外にお住まいの方にはわかりにくいと思いますが、地図の左側はもう大阪港なので、まあ大体そんな場所だと思っていただければ幸いです。

地下鉄四つ橋線の「北加賀谷駅」で降りてここからウオーク。出席人数は16人(だったような気がする)。賑やかな通りの歩道を歩きながら、やがて最初の「新木津川大橋」にかかります。地図をどうぞ。

 

地図の一番下の東西の道路(南港通り)を右から来て上に曲がり、新木津川大橋に入ります。川幅だけの橋ではなく、その前後の工場街もまたいでいるので、橋の距離はとても長いです。

 

 
これはネットの新木津川大橋の写真です。
幹事さんの説明によると、この橋の頂部は海面から50mの高さとか

 

 
車道の横に歩道があるのでゆったりと歩けます。

 

 
橋の上から東(大阪湾とは反対方向)を眺めると、
ほぼ真ん中に、あべのハルカスが見えています

 
この日はずっと曇り空だったので暑さに参ることはなく、ラッキーでした。
ただ、その分景色は少しぼやけて見えましたけど。ま、贅沢は言えません。

そして新木津川大橋を渡って船町というところまで歩き、そこから出ている渡船に乗ることになりました。本来なら橋歩きなので別のルーが予定されていたのですが、4年前の夏の「渡船めぐり」に参加していなかったメンバーが「ぜひ船に乗りたい!」と希望したので、ここだけ橋ではなく船で川(運河)を渡りました。

 
大阪市が運営する渡船は橋に代わるものなので、船賃は無料です。


 
乗り込んだのは僕たち一行だけでした。
渡船時間は1分足らず。すぐに向こう岸に着きました。

4年前の「渡船めぐり」でもこの渡船に乗ったのを懐かしく思い出しますが、あれからもう4年も経つとは、早いな~

さて、船で向こう岸に行き、またテクテク。途中、公園で、幹事さんたちが用意してくれたパンや飲み物などで軽い昼食をとりました。

次は「なみはや大橋」です。

 
「なみはや大橋」は地図では左上のほうですが、実際の橋は、
それよりずっと下から始まっています。だから長いわけですね。

大阪市のHPによると、このなみはや大橋について、

尻無川の最河口部にS字を描きながら軽快に渡っているのがなみはや大橋です。このあたりは港湾施設が立地しており、大型船の往来も激しいことから、高くかつ長い橋が必要で、かつ両側の道路の方向が食い違っているため、曲線が可能な形式である箱型断面をもつ桁橋が採用されました。
S字のカーブが入った複雑な形を有し、中央のスパン250m、アプローチの高架橋の長さを加えると、全長で1.6kmにもなる長い橋となっています。

という解説が載っていました。

全長1.6km! ホント、長い橋です。ネットでの写真をご覧ください。

 
こう見るとまっすぐの橋のようですが


 
途中からこういう曲線を描いています。なにせ長いですから。


ここからは、また僕が撮った当日の写真です。


 
いやまぁ、長い橋ですよね。
向こうの方が曲がっているのがチラッと見えます。 


 
同行の人に撮ってもらいました。
天候もパッとせず、人物もパッとしませんが。


 
途中まで長い長い上りが続いて、少し疲れました。
これはやっと下りについたところ。本当に長い橋です。

ということで長い長い「なみはや大橋」を渡り切り、港区に入って天保山のほうへ歩いて行くと

急に外国人女性、それもスタイルのいい若い女性の姿があちこちに見えてきました。この近くにあるUSJ(ユニバーサル・スタジオ・ジャパン)で、いろんなイベントに出演している外国人女性たちです。金髪で碧い目のお姉さんが歩いていたり、自転車に乗って猛烈なスピードで僕らを追い抜いて行ったりしていました(ちょっと危ないで)。

そしてウダウダの一行は地下鉄の大阪港駅に着き、ウオーキングも無事終了したのでした。

そこから地下鉄とバスを乗り継いで、松原市内にある幹事さんの行きつけのお店を借り切って、3時半過ぎから宴会が始まりました。

キンキンに冷えた生ビール。
いつものことながら、美味しい!

メンバーからは、ウダウダ会もこれで終了ではなく、また機会があれば集まりたいね、という声も出て、ワイワイと盛り上がり、僕も気持ちよく酔い、さらに最後のほうは記憶も曖昧なほどになりました(相変わらずですわ)。で、親切な後輩のT君に家まで送ってもらいました。彼には何度か送ってもらっています。うちの長男より一歳だけ上という若い人ですが、ホント、ありがとうね。

それにしても

この日ワイワイ・ウダウダと盛り上がった宴会が、ウダウダ会にとっての「最後の晩餐」になるのであれば、ちょっと寂しいですね~

 

 

 

 

 

 

 

 

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「引きこもり」 が誘発した殺人事件

2019年06月05日 | ニュース・時事

もう1週間以上前になりますが、川崎市多摩区の路上で、私立カリタス小学校の児童ら20人が殺傷された事件は酷いものでした。18年前の6月、大阪教育大学附属池田小学校内で発生した小学生無差別殺傷事件を、否が応でも思い出してしまいます。

今回は、犯人が自殺したものだから、怒りのやり場もなく、なぜそういう凶行に及んだかの解明も困難を極めています。ただ、この犯人は両親が離婚して伯父夫婦に引き取られたものの、自分に対する愛情を感じなかったことから性格が歪み、伯父夫婦の子供(つまり犯人とはいとこ同士)が私立カリタス小学校へ行き、自分は公立へやらされたというような恨みが今回の凶行につながったのでは、という見方もあります。もしそうなら、40年もの間、恨み続けていたというのも、驚くべきことです。今回被害に遭われた園児と保護者とは全然関係ないのに、なぜこの人たちが標的にされなければならないのか、全く狂気の沙汰という他はありません。

そして今度はまた、別の事件で、元農林水産事務次官だったという76歳の男性が、暴力的な言動を繰り返していた44歳の長男を殺害したという、またも衝撃的な事件が起きました。殺害理由は、日ごろから両親に暴力を振るっていた長男が、隣の小学校の運動会がうるさいと怒り「ぶっ殺してやる」と口走ったので、父親が注意をすると、さらに長男が荒れた。父親は川崎市の殺傷事件を連想して「息子も子どもたちを襲うかもしれない」と思いつめ、長男を殺害したということでした。

世間の声は元次官の男性に同情的な意見が多く寄せられ、一方ではそれを巡ってマスコミでは「感情と意見とは分けなければならない。殺人を容認するような空気を漂わせてはいけない」という自戒を込めた論調も出て、波紋はどんどん広がっていくばかりです。

僕は、この元次官が本当に気の毒だと思いますが、長男をこういう人間に育ててしまった責任感、というのも親として、痛切に感じておられたのかも知れません。いずれにしても、子どもたちに危害を加える危険性があると感じたら、それを未然に防ぐための殺人というのは、一体どういう量刑になるのか、今後の裁判の行方が注目されるところです。もしかしたら、多方面から嘆願書などが集まるかもしれませんが。

さて、これらのことは連日新聞・テレビ等で大きく報じられているので、皆さんもよくご存じだと思いますが、2件とも「引きこもり」が事件の大きな要因になっていますね。

川崎市で児童らを殺傷した51歳の男も、そして元事務次官に殺害された44歳の長男も共に「引きこもり」だったということで、それで今は俄然、この中高年の「引きこもり」が注目を浴びることになってきました。

40歳から64歳までの、いわゆる「中高年の引きこもり」は、内閣府の発表では61万3000人で、その約80パーセントが男性とのことです。でも、ある識者によると、実際には200万人ぐらいいるとのこと。

僕はこれらの一連のニュースで、 「8050(ハチマルゴーマル)問題」とか、あるいは、 「7040(ナナマルヨンマル)問題」というような言葉があるということを、今回初めて知りました。

新聞によると、80代の高齢の親と、引きこもる50代の未婚の子が同居する家族の諸問題を「8050問題」と呼んだり、また、親が70代で子が40代の「7040問題」もあるそうで、長期引きこもりに加え、介護離職、高齢者虐待、経済的困窮など、複数の困難が折り重なっている事例も少なくないとされている、ということだそうです。

「7040問題」なんて言われると、僕は70歳になったし、2人の息子は共に40代なので、まともにそれに当てはまりますよね。ま、わが家はいま同居のモミィが13歳なのでそのうち「7010(ナナマルイチマル)問題」というのが出てくるかもしれません。「世代が離れすぎて話がかみ合わない」なんてね。

それにしても、 僕自身、どちらかと言えば一人でいるのが好きな人間なので、自分の以前の印象としては「引きこもり」というのは、社会に適応できない人が家に引きこもってしまう可哀想な現象で、毎日何をして過ごしているんだろうか? 寂しくないんだろうか? いや、もしかして人との煩わしい接触がないので案外心静かに過ごしているのだろうか? などと、あれこれ勝手な推測をしていましたが、それほど深刻な事態だとは思っていなかった。

しかし、その考えが変わった出来事が起きたのです。

僕が唯一知っている身近な引きこもりの男性は、昔の次男の幼なじみで、同じ幼稚園、小中学校に通い、うちの家にもよく遊びに来ていたK君でした。家もわが家の斜め向かいで、ごく近所でした。

子どもの頃は、うちの次男や長男たちとよく遊び、ホントに可愛くて、無邪気で、屈託のない男の子だったのですが、中学を卒業してから急に姿を見なくなりました。

近所の人の話から、K君は家に引きこもっていると聞いたのはいつ頃だったのか? 学校にも行かず、仕事にも就かず、ずっと家に引きこもっているという。どういう理由だったのか知る由もありませんが、そのK君が30歳になる少し前の頃だったか、ある日、近くの大和川で入水自殺をしたのです。

わが家の近くに流れる大和川は、普段はそれほど水量はなく、溺れるほどではないのですが、近くに架かる橋の橋桁(はしげた)の周りが深くなっていて、そこでK君の遺体が見つかったとのことでした。

それを聞いた時、K君の小さい頃を思い出し、「引きこもり」がどれほど辛い毎日だったんだろうか、と涙が止まらなかったのを覚えています。

 
わが家の近所には次男と同じ年齢の男の子が5人いました。
一番左側がうちの次男。右から2人目がK君でした


今回の2つの事件の「引きこもり」男性は、一方は殺人者で一方は被害者ということになりますが、2人とも日ごろから凶暴性を秘めていたようです。そういう「引きこもり」が一部にいる(あるいは大勢いる?)という話を聞いて、実はかなりのショックを受けているところです。

最近、子が親を殺したり、親が子を殺したり、夫が妻を、妻が夫を殺したり、孫が祖父母を殺したり、など、家族や親族同士の殺人事件がしょっちゅう報道されていますが、今回の元次官の長男殺害事件は、その動機において、これまで聞いたことのない異例中の異例の事件だと言ってもいいでしょうか。

 

 

 

 

 

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