【ただいま読書中】

おかだ 外郎という乱読家です。mixiに書いている読書日記を、こちらにも出しています。

台風の上陸

2018-09-05 06:57:01 | Weblog

 テレビのニュース速報で「台風が○○県に上陸」と出ることがあります。だけど、上陸をしようが台風の中心が海岸線をかすっただけで上陸をしていまいが、暴風圏に巻き込まれていることに変わりはないのですから、そこまで「上陸したかしないか」にこだわる必要はないんじゃないかな。この前の瀬戸内海を東から西に移動した台風も、ふらふらと上手く動いて瀬戸内の各県のどこにも「上陸」しなかったとしても、結局被害は変わらないでしょう。「上陸した台風が年間いくつ」という気象庁の統計的な意味はあるのかもしれませんが、速報で知らせるべき価値があるニュースとは私には思えないのです。

【ただいま読書中】『階段空間の解体新書』田中智之 著、 彰国社、2018年、2700円(税別)

 人が「三次元」を強く意識するのは「階段」を見たときかもしれません。「上下移動」ですが、斜路はまだ地面に足がついているし自然界にいくらでもそんなものはあります。しかし階段は、人為的に空間を上下に移動するための特殊な手段です。本書はその「階段空間」を都市のあちこちから切り取ってその魅力をまとめています。
 私邸、学校、劇場、役所などから実にさまざまな「階段」が登場します。一口に「階段」と言っても、それぞれが実に個性豊かです。
 本書の特徴は「写真」ではなくて「図」を多用していることです。写真だと、階段の裏とか手すりばかりが見えて、肝腎の「階段そのもの」がはっきりわかりません。しかし「図(特に俯瞰の図や、側面からの透視図)」だと、「階段の構造や傾斜」がきれいにわかります。なるほど、だから「解体新書」なんですね。
 普段は注目することが少ない構造物ですが、こうやって上や横や斜めから眺めると、いろいろと面白いものが見えることがあるようです。


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