のんびり・・・いそいそ~(*くうかんあそび*付き)

なんとか音楽の勉強を続けているちょっと変な主婦兼ピアノ指導者兼ボランティア演奏者の日常。取り留めのない駄文揃い。

秋山郷

2011-09-26 12:15:47 | がいしゅつ
野沢温泉では2泊した。
周囲にはこれといった観光地はないから
当然2泊目、3泊目はどうするかね~ということになる。


しかし今回は母の希望で秋山郷に行ってみようということになっていた。
昔ながらの里山が残る、秘境の地らしい。
私はそういう場所に行ったことがなかったし、当然興味をおぼえたので異論はなかった。
他の家族はあれこれ行き先を考えるのは面倒なので
なすがまま、という感じで早速出かけた。


さて、秋山郷についてだが
昨今のガイドブックを見てもほとんどその場所についての記述はない。
ネットで検索しても、いわゆる食事処とか道路事情とか公営の駐車場とか
あまり細かいことはわからなかった。
ただ母が以前秋山郷を訪れた友人にとてもいいところだと聞いただけだった。
あれこれ調べても何だかわからなかったし
行けばなんとかなるという気持ちでドライブを始めたのだが
現実は結構厳しかった。


まず距離。
宿泊地から50キロ以上もある。
長野県北部の野沢温泉から豪雪で知られる津南町を抜ける。ここは新潟だ。
それから東日本大震災とほぼ同時に起こった
長野県栄村の地震の影響で秋山郷に続く道路は
崩れたりしていて1車両通行するのがやっとという箇所も多く見受けられ
普通の道を走り慣れている私たちには結構な酷路だった。
結局途中で父に運転を交代してもらった。
そりゃそうだ。車ごと崖に転落なんてしたら子供に申し訳ないじゃんか(泣)。


そういう訳で進む道は難路、後退も道が狭くて不可能
しかもしんどい思いをしてここまできたのだから
何とか目的地らしきところまでたどり着きたいという一心で
楽養館という休憩所(?)みたいなところにたどりついたのがお昼前だった。


どんなところかわからないまま、館内をのぞき見るとさすがに人はほとんどいない。
しかしそばなどの食事は出来るようだ。
人気のない山間の道をひた走ってきた一行には
館内から聴こえるデジタルテレビの喧騒もなんだか懐かしい。
とりあえずここで昼食と休憩を取らせてもらうことにした。


入館すると目の前にはただ農地と山々だけ。
たくさんのオニヤンマが館内もお構いなしに飛び回っている。
確かに静かなのだが、それだけではない雰囲気・・・現実離れした空気だった。
注文したそばも美味しい。
子供たちは縁側の様なテラスに出てその風景を見ながら
周囲に溶け込むように静かに食事をしていた。


食事を済ませ一息つくと、どうも温泉が併設されていることに気がついた。
入浴料500円。赤い湯、とある。珍しいな。
せっかく来たから入ってみようかな。
思い切って入浴券を購入してみた。


おおおお~~!!
隣に立ってい温泉の建物は木造でちょっと古めかしく、湯治場の様な雰囲気だ。
まるで「いい旅夢気分」状態~。
それに本当に赤い湯だよ~!
いや、ポンジュースの色にも似て、ちょっとオレンジかかっているよ。
お湯を手にすくってよくよく見てみると
赤味を帯びたオレンジ色の粒子が見えた。
強烈な色とは対照的に湯に臭いはそんなになく
上がったあとの肌ざわりもさらっとしている。
こんな温泉、そう入れるもんじゃない。


ヘトヘトだった行きと比べ、帰途はやはり気が楽だ。
それでも難路を抜け、普通の道路に入った時は心底ほっとした。
いいところだったけれど、車で行くのは慣れるまでしんどいかも。
そう思った。


しかし帰宅後、不思議と秋山郷の風景が頭に焼き付いてしまい、忘れられない。
異様なまでの静けさと人間の存在感のなさとオニヤンマの群れ。
なるほどこれが秘境というものなのか。
秘境というと何だが海外のアマゾンとか想像してしまうけれど
日本にも多く存在することを初めて知った。

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