夜な夜なシネマ

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『ソーシャル・ネットワーク』

2011年02月01日 | 映画(さ行)
『ソーシャル・ネットワーク』(原題:The Social Network)
監督:デヴィッド・フィンチャー
出演:ジェシー・アイゼンバーグ,アンドリュー・ガーフィールド,
   ジャスティン・ティンバーレイク,アーミー・ハマー他

オービス続編の前に。
ご存じの方も多いと思いますが、一応あらすじを。

2003年の秋。
ハーバード大学の学生で、天才プログラマーのマークは、
恋人のエリカに心ない言葉を吐いて振られてしまう。

帰寮したマークは、自分のブログにエリカへの罵詈雑言をアップ。
と同時に、むしゃくしゃした気分を解消しようと、
学内のデータベースをハッキング。
女子学生の顔写真を集めて人気投票サイトを即座に完成させる。
たちまちアクセスが集中して午前4時にシステムダウン。
マークは一躍有名人になると共に女子学生の反感を買う。

そんな彼の技術に目を付けたのが、エリート上級生3人。
彼らは学内交流を図ることを目的としたサイトへの協力をマークに持ちかける。

承諾したかに見えたマークだったが、以降、3人を避けている様子。
その頃、マークは親友のエドゥアルドを誘い、ソーシャル・ネットワークのサイト、
“ザ・フェイスブック”を立ち上げる準備を着々と進めていて……。

デヴィッド・フィンチャー監督といえば、
オープニングの凝ったタイトル・シークエンスが有名。
本作はその点では普通かなと思ったのですが、
学舎を映すアングルが上から下へと次第に移って行くだけでワクワク。

そして、冒頭のマークとエリカの会話。
マークの変人ぶり、かなりのオタク、だけどめちゃ賢いということも
この短時間の会話の応酬で示されて、これ以上にない掴み。

実話を基にはしていますが、創作ドラマとの注意書きがありました。
モデルとなった人物その他への取材は断られたそうです。
『ゾディアック』(2006)は実在の未解決事件を基にした作品でしたが、
実話を基に淡々と話を進めるこの監督の技、脱帽です。

完全なフィクションの『セブン』(1995)などにしても、
上品さと下品さの紙一重のところでとどまっていたり、
冷たいんだけど熱いみたいなこの監督の感覚が大好きです。
もし「主人公には本当は虚無感がある」と言いたげな説教臭さが出ると、
とってもゲンナリしたと思うのですが、その点でも本作は実にクール。
なのにちょっぴり感傷的なエンディング。バランスが絶妙で憎い。

簡易裁判所交通分室での罰金支払いに時間がかかって、
ほかに観たかったものをあきらめての鑑賞でしたが、大満足。

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