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『空の青さを知る人よ』

2019年10月17日 | 映画(さ行)
『空の青さを知る人よ』
監督:長井龍雪
声の出演:吉沢亮,吉岡里帆,若山詩音,松平健,落合福嗣,大地葉,種崎敦美他
 
TOHOシネマズデーにTOHOシネマズ梅田で2本ハシゴ、その1本目。
 
長井龍雪監督の名前を見ると、永井龍雲を思い出して、
頭の中を“道標(しるべ)ない旅”がぐるぐる回るのは私ぐらいだろうなぁ(笑)。
けどまだ永井龍雲ってちゃんと活動しているのですよね。
 
という関係のない話は置いといて。
 
『心が叫びたがってるんだ。』(2015)を手がけたクリエイターチーム“超平和バスターズ”。
そこに所属する面々による劇場オリジナルアニメーション。
吉沢亮が声を担当するアニメって観たことありましたっけね。初めてじゃないかな。
彼も吉岡里帆もその声優ぶりがなかなか良いです。
 
始まって早々に主人公がベースでつまびく曲はゴダイゴの“ガンダーラ”。
私ら世代の掴みバッチリ。
 
埼玉県秩父市
13年前に事故で両親を失ってから二人暮らしの相生姉妹。
当時高校3年生だった姉のあかねは、まだ幼い妹のあおいの面倒をみるために、
恋人だった「しんの」こと金室慎之介と上京することをあきらめて地元で就職。
 
幼かったあおいは高校2年生になり、ひたすらベースを弾く日々。
自分のために恋も夢も手放したあかねに負い目を感じ、どこでも無愛想。
まともに口を利くのはいつもあおいの練習につきあう小学生の中村正嗣ぐらい。
 
ある日、練習場所であるお堂に行くと、そこには13年前の姿のままのしんのが。
しんの曰く、眠ってしまって起きたら今だったと。
驚くあおいだが、ひそかに想いを寄せていたしんのが現れてくれて嬉しい。
自分にだけ見える幽霊というわけでもなく、正嗣にもしんのが見えている。
しかししんのがお堂から出ようとすると壁にぶち当たって出られない。
やはりしんのはこの世の者ではないのか。
 
一方、町ではまもなく開催される音楽祭に大物演歌歌手の新渡戸団吉を招聘。
そのバックバンドとして同行してきた中に慎之介がいて……。

仲良し姉妹の人が観たらきっと泣く。

めちゃめちゃ多いですよね、タイムループとかタイムリープとかタイムスリップもの。
何がどうちがうのか、観るたびに調べるけれど、いまだにちゃんと説明できない。(^^;
で、またそのうちのどれかなのかよと思って本作を観ましたが、
しんのが時代を行ったり来たりするわけではなく、お堂にずっと居るだけ。
地縛霊のようにそこに居ることになってしまった理由を彼自身わからない。
 
音楽で食べていくことを夢見ていたしんのが、
そのとおりになった慎之介を見て喜んだのもつかの間、
30を過ぎた慎之介はやさぐれたオッサン。
バックバンドに甘んじている自分を恥じ、投げやりになっている。
過去の彼が現在の彼を叱咤する姿には胸を打たれます。
 
子どもの頃の自分がなりたかった大人になれていなかったとしても、
こういう大人もありかなと思える自分になりたいなぁ。
って、もう大人すぎるっちゅうの。
自分が憧れるおばあちゃんを目標にしよう。
 
井の中の蛙、大海を知らず。
されど、空の青さを知る。

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