ネコのミモロのJAPAN TRAVEL (Mimoro the cat:JAPAN TRAVEL)

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「時代祭」のリハーサル。前日行われた「織田公上洛列」の衣装合わせに完全密着

2013-10-22 | 祭事・神事・風習

本日10月22日に行われる京都三大祭のひとつ「時代祭」。平安遷都1100年を祝う行事として、明治26年(1895)に始まった市民によるお祭りです。

「今年は、ミモロの住むご近所の方たちが参加するんだってー」と、いっそう楽しみにするミモロです。

現在20列、約2000人の人が参加する行列。正午に京都御所を出発し、烏丸、御池、河原町、三条の通りをへて、神宮道から平安神宮へ向います。

明治維新から平安時代へと、時代を逆戻りしながら、繰り広げられる時代絵巻。それぞれの時代を代表する人物が、時代考証にそった装束で次々に登場します。

それぞれの列は、毎年、決まった団体や地域が担当。例えば、「維新志士列」は京都青年会議所のメンバーが、毎年、坂本竜馬や桂小五郎などに扮します。
戦国武将が登場する安土桃山時代の「織田公上洛列」は、平安神宮周辺の地域が担当。今年、ミモロが住むエリアが、17年ぶりにその任を務めることになりました。

「こんにちはー」時代祭の前日、衣装合わせが行われると聞き、ミモロは、会場の粟田神社へと向かいます。神社の集会場には、すでに衣装が平安神宮から運び込まれ、衣装合わせの準備が整っています。

「この兜、秀吉さんのだってーこんなに近くで見られて感激…」とミモロ。

列に参加する人は、事前に、平安神宮と織田信長ゆかりの建勲神社への参拝を済ませ、身を浄め、行列の無事を祈願してます。この日の衣装合わせするのは、馬に騎乗する織田信長、立入宗継、羽柴秀吉、丹羽長秀、柴田勝家、滝川一益の6人です。

まず初めに衣装合わせにやってきたのは、織田信長役の前田嘉右衛門さん。江戸時代から創業の紙の老舗「紙嘉」の11代店主です。実は、9代店主は、第1回「時代祭」で、やはり信長役をなさったそう。「ご縁があって、今回務めさせていただきます」と、感慨深げに…。

次々に着付け士さんが、手際よく衣装を着けて行きます。「はい、お腹膨らませて…」鎧を装着する場合、腹部に余裕が必要だとか。「なかなか鎧は、重いもんですねー。腰回りにずっしり来ます」と前田さん。
「これなあに?」とミモロが見ているのは、熊の毛皮でできた貫(つらぬき)という履物。
最後に兜をかぶって、はい、完成!りっぱな武将になりました。穏やかなお顔の前田さん、信長というより、家康っぽいとの評判も。でも「時代祭」には、徳川家の人物は、一切登場しません。

「結構、兜が重くて、首が凝りそう…。うーあまり首が回らない…」と前田さん。「武将は堂々とあまり動かないように…」と。

着付けをご担当された皆様などと…。装着するものが多く、小道具、衣装の管理などもなさる重要なお仕事です。

次に、公家の立入宗継役の中村博司さんが、狩衣を装着。
袖の長さなどを調整します。


そして、羽柴秀吉役の藤井登さんも、初の甲冑に挑みます。


次々に到着する武将役の方の衣装合わせが進みます。

着付けは、ひとり30分ほど掛ります。仕上げに、鞭や采配などを手に…。
「どこかきつい所や、当たる所は、ありませんか?馬に乗る時、つかまるのは、鞍の前の部分だけ。決して、刀や鞭が馬に触れないようにしてください…触ると馬が暴走する危険があります」との注意も。
「トイレは、袴に穴があいた部分がありますから、全部脱がなくても大丈夫ですよ。ただし、行列中は、馬から降りられませんから、水分は控えめに…」と。

朝から、夕方まで、この衣装で過ごす一日。行列は、約3時間ですが、待機時間の多さが、参加者にはなかなかキツイよう。

では、ここで改めて「織田公上洛列」の主な登場人物をご紹介します。
この列は、織田信長が、永禄11年(1568)に正親天皇のお召しに応じ、兵を率いて上洛し、京の町の復興に尽力したことを示すもの。

列の先頭は、天皇の命を受け、粟田口に信長一行を迎えに行った公家の立入宗継(たちいりむねつぐ)です。

公家らしい狩衣すがた。太刀は、サメ革で、飾りも細かく。足元は、ブーツのような履物を。

次は、羽柴秀吉(はしばひでよし)。まだ羽柴の姓を名乗っている時代。
勝色日の丸縅胴丸、五七の桐紋の陣羽織、三鍬形前立兜という姿です。

3番目は、丹羽長秀(にわながひで)。信長の重臣のひとり。
演じるは、梶村純夫さん。溜塗革包胴丸に、拍子木紋の陣羽織、唐冠兜など。「バツのマークかと思ってたー。あれ、拍子木だったんだー」とミモロ。

4番目は、織田信長。
正親天皇より拝領した、三枚シコロ鍬形打兜、紺糸縅胴丸という、奇抜なイメージの信長には、珍しい姿です。手には采配を。

5番目は、滝川一益(たきがわかずます)。
演じるは、小川善一さん。黒糸縅具足、赤地陣羽織、銀水牛脇立兜など、かなり目立つ装束です。なかなか豪壮な感じ。「なんか『ひこにゃん』の兜に似てるー」ミモロ失礼でしょ!

最後は、柴田勝家(しばたかついえ)。
演じるは、山名勲さん。信長の妹で絶世の美女といわれるお市の方を妻に迎えた武将です。革包紫糸縅具足、結び雁金紋の陣羽織、銀瓦形脇立兜などの勇ましい姿。「一番イメージに合ってるー」との声多数。

最後に勢ぞろい。


「刀ぬけないんだー残念…」チャンバラでもしたいよう…。武将装束で、子供に戻ったように楽しそうなおじ様達。
「みなさん、見物に来てくださいねー」と。次ぎのこの地区が担当するのは、17年後になります。

たまたまこの日に粟田神社に来られた英国からの観光客の方、「こんなに近くで、サムライ見られて感激!」と。

「時代祭」は、正午に京都御所をスタートします。「織田公上洛列」が見えたら、声援を…。



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1 コメント

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お当番 (がちゃぴー)
2013-10-22 18:28:38
時代祭ってお当番制なんですね。知らなかったー どんな方がどのように参加されているのかと思ってました。
皆さん すごく似合っていて 本当の武将のようですね。カッコイイ。

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