ネコのミモロのJAPAN TRAVEL (Mimoro the cat:JAPAN TRAVEL)

「京都観光おもてなし大使」のライターとネコのミモロが、京都の情報や暮らし、グルメなどをご紹介。心和む雑誌のようなブログ

突然、思い出した東京の居酒屋さん。編集者が贔屓にする神保町の「嘉門」

2013-10-31 | 東京

最近、秋が深まる京都には、東京からお友達がよく訪れます。「そうだ…前に東京行ったときに、食べたお料理美味しかったなぁー」と、ミモロは、ふと思い出しました。それは、雑誌や書籍の出版社が多くある神保町の一角に、ひっそりとある知る人ぞ、知る居酒屋さん「嘉門」です。

お友達の編集者に連れて行ってもらったミモロ、「何が食べられるの?」とワクワク…。ビルの谷間の路地をはいったところにあるお店は、ここに構えて8年。以前は、仙台で、高級料理店を長らくなさっていたというご主人の永武雄吉さん。実は、かつてここ神保町の出版社の編集者だったという経歴の持ち主。
だからでしょうか、お店には、本が並び、また編集者も多く贔屓にしているお店なのです。

ここで頂けるのは、おまかせ料理。次々にお酒の進み具合を見計らい、ほどよい加減で料理が運ばれます。カウンターだけのお店で、いるのはご主人だけ…。
「えーと、まずはお酒なんにしますか?」と。お店の棚には、日本酒がずらり。ミモロは、「飲みやすいのをお願いします」と。
「じゃーこれ」と東北ものの冷おろしを。「たっぷりね」カップからこぼれるお酒をじっと見つめるミモロです。

お酒に合う料理は、どれもこだわりの食材でできたもの。
「これなあに?」とミモロは赤身のお肉を前に。「それは、イワシクジラの尾の身です」「へぇ、クジラのお肉…珍しい…」生姜をたっぷりつけて頂きます。次ぎに登場したのは…。大きな揚げ物、穴子の天婦羅。「でかい…」と目を真ん丸に…。パリパリとした衣の中に、ほっくりとした穴子が…お塩でシンプルにパクリ。
「わー卵が割れてるー」これはタマゴウニ。
トロリとした黄身の下にウニがたっぷり。「美味しいーお酒が進む…」とミモロは、お酒をもう一杯注文。「へぇー京都に住んでるのー」「はい、もう2年になります。お祭りがすごくたくさんあってねー楽しいし、ご近所のお散歩も飽きないのー」「京都のネコなんだー」「ううん、生まれたのは、東京…」「京都が気に入ってるんだー」「ウン、みんなに可愛がってもらってるのーだから、住みやすいよー」「いいね…」などなど、ご主人と会話を楽しみながら、過ごす時間…東京もいいなぁーと思うミモロです。

サンマの素揚げ。これも秋らしい一品。「美味しそう…」そこまで見つめなくても…。
「キャーこれ穴子の山椒煮だー」

「山椒大好き…それに穴子も…」口の中でとろけるような穴子にうっとり。次々にミモロの好物の魚が登場し、大満足の様子。

お店には、やはり編集者の御贔屓さんが。出版した本を見せてもらいました。すぐに初対面の人とも仲良しになれるミモロ。

食事の〆は、芋煮汁。東北らしい体が温まる料理です。


「すごく美味しかったー。また連れて来てねー」とお友達にリクエスト。
ご主人や御贔屓さんたちとの会話を楽しむミモロたち…東京の居酒屋さんの夜は、まだまだ続きます。


*「嘉門」東京都千代田区神田神保町3の1の19 電話03-3288-3960 17:00~気のまま 日曜・祝日休み ランチは、11:30~なくなり次第  東京メトロ 神保町駅と九段下駅の中間あたり、靖国通から、一筋ほど南の路地に。夜の予算は、ひとり5000円~くらい。 日により満席になるので、事前に電話で空き具合の確認をおすすめ


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気軽に着られる人気のデニムの着物のお店。DENIMDOSU西陣本店が、この秋オープン。

2013-10-30 | ファッション

以前も御紹介したことがある、デニム生地を使った斬新な着物が、今、注目を浴びています。
前は、上七軒にあったお店が、この秋、北野天満宮の前の今出川通沿いに新しくオープンしました。
「モダンなお店…」
着物のお店の従来のイメージとは異なるモダンな、まさにファッションブティックのような感じ。
着物離れが進む中、一番のネックは、着物のお手入れ。なんか大変そう…という声が多いんです。そこで、西陣で、お召しなど高級着物を扱う「泰流舎」の野中社長が、デニム生地を使って作ったのが、その名も「でにむどす」というブランド。野中社長と店長さん。

「ジーンズ感覚で、気軽に着れる着物で、洗濯機で洗え、お手入れも簡単。着方も、いろいろ楽しんで欲しいんです」と。だから、洋服の上に着たり、草履や下駄じゃなくて、靴に合わせたり…と個性的に。遊び心たっぷりで、個性的な着こなしを…。

デニム大好きのミモロ。「日本は、デニム生地の産地なんだよねー」そう、岡山の児島は、ジーンズ生地の生産地として世界的に知られる場所。国産デニム生地を使った、着物です。

新しいお店には、デニムの着物にぴったりの小物もいろいろ。
「オシャレな足袋や半襟もあるよ」

また、この時期、寒い京都に欠かせない、温かなコートも見逃せないアイテム。

いろいろな着物にも合わせられる、着やすくて、温かいコートです。
「うん、とってもあたたか…これなら、寒い京都の冬も大丈夫…」とミモロ。
店内には、ここだけでしか手に入らない品々も…。

最近、デニムだけでなく、ウール、麻、木綿などを使ったカジュアルで上質な着物も多数登場。オンラインでのお買い物も可能。一度、覗いてみては…きっと着物が着たくなるはず…。

すっきりと着こなすショップスタッフ。「よごれも気にならないし、とても楽ですよ」と。
一年を通じて、着られるのも魅力です。

*「DENIMDOSU」西陣本店 京都市上京区今出川通千本西入ル南上善寺町141 075-463-2625 平日11:00~19:00 土・日曜・祝日10:00~19:00 火曜休み





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秋の深まる比叡山。参拝時間終了ギリギリの「根本中堂」へ。静寂と色づいた紅葉にうっとり

2013-10-29 | 寺社仏閣

昨日、秋晴れの月曜日、ミモロは、東京からお友達を迎えました。「京都のどこを案内しようかな?」と、いろいろ思い描いていたところ…なんとお友達から「比叡山の延暦寺に行ってみたい…」と、突然。「えー間に合うかな?」とちょっと心配になるミモロ。というのは、行きたいと聞いたのは、なんと午後2時を回っています。

でも、せっかく東京から来てるから・・・ということで、急遽車で、比叡山を目指すことに…。

「わーもう紅葉が始まってるー」

「延暦寺」東塔の「根本中堂」の脇には、色づいたもみじが、枝を広げていました。

「やっぱり比叡山は、京都の町より寒いねーブルブル…」。そのため紅葉も町よりも進んでいます。ひんやりとした山の空気…身が引き締まるような冷たさは、山というだけでなく、やはりここが仏教の聖地であることを思い出させます。

「わーもうじき、門が締まっちゃう…ギリギリセーフ」。時は、すでに4時15分。「根本中堂」の門は、半分閉まりかけています。「あのーお詣りさせていただいていいですか?」と、門を閉めている僧侶に伺い、「はい、どうぞ…」とお許しをいただき、足早で中へと進みます。

次々に締められる本堂の扉…。内部は、いっそう薄暗く、法灯の光が、内側を照らしています。
「なんか、前来た時より、もっと幻想的…」とミモロ。他に参拝者がいない「根本中堂」。静寂だけがミモロたちを包みます。

ギーギーと、大きな木の扉が閉まる音が、響く根本中堂。
「この時間が、一番静かですよ」と、ミモロたちを見守る僧侶の方。「ここにセミがいるの知ってますか?」と、御本尊の薬師如来さまを拝む場所の扉についた金具を指さします。「あ!ホント・・・セミがいる」黒い鉄製の小さなセミが、扉の下の部分に止まっています。「このセミは、厄除けのもの。防犯の効果もあるんでセコムならぬ、セミコムですね」と、なかなかユーモアのあるご説明。

「こっちには、サルもいるんですよー」と。ミモロは、興味津々で、僧侶の後を付いてゆきます。
別の扉には、知らないと見落としてしまう小さなサルの姿。「三猿のひとつで、これは見ザル。あっちの扉には、聞かザルがいます」。猿と言われないとちょっとよくわからない形ですが、確かに、目と耳を押さえています。

「言わザルは、ここにはいません。自分の思いや信念をしっかりと人に伝えなさい…という教えに基づいたものです」と。

すでに御堂の扉は、すべて閉められ、ミモロたちだけがそこに…。

「もう参拝時間は終わりましたから、あっちから出てください…」と、もと来た廊下を、急いで歩き、外へ。
ミモロたちが出ると、門がギーっと閉まりました。

「さすが、お寺、時間厳守なんだねー」とお友達。外には、参拝者の姿も見られましたが、もう中には入れてもらえません。

「よかったねー。ギリギリで間に合って・・・それにすごく静かな特別な時間を10分間だけだったけど過ごせて・・」と、案内役のミモロは、ほっと肩をなでおろします。


「今年は、紅葉が早そう…」というミモロの予想通り、比叡山は、日を追うごとに、紅葉が進んでいるようです。

実は、根本中堂を訪れる前に、ミモロたちは、阿弥陀堂、戒壇院にも参拝をしました。


それぞれの場所にある急な階段…

「ちょっと寄り道しすぎちゃったー」。そのため、「根本中堂」に図らずも、ギリギリの到着に…。

午後4時半…すべての御堂の扉が閉じられ、延暦寺全体が、すっぽりと夕暮に包まれます。

「もっと早く来れば、ゆっくり参拝できたのに…」と、案内役のミモロ。「でも、こんな特別な時間を過ごせて感激!いつもは、たくさんの人がいるんでしょ?」「うん。根本中堂を独占できたなんて、感激だよねー」と。

車に戻ろうとすると、バス停のところに外国人観光客のカップルが、なにやら係りの人を前に話をしています。
ミモロは、耳をピクピクさせて、その話を…どうやら山を下りるバスがなくなってしまったよう…。
途方に暮れる外国人観光客…女性は、カタコトの日本語で、係の人の説明を聞いていますが、具体的にどうしたらいいかは、アドバイスがもらえていないよう…。

「困ってるみたい・・・」とミモロ。「車に乗せてあげようよー」と、じっと見つめます。
うーその目に弱い…そうね、困っているときはお互い様…ということで、「もしよければ、車で下まで送ります…」とミモロ。一瞬にして、カップルの顔が明るく…。

聞くと、最終バスの時刻をチェックしていたものの、それは週末の時刻表だったようで、平日は、4時すぎに終バスが。山に来るときは、八瀬からケーブルカーとロープウェイを乗り継ぎ山頂へ。ミモロが前に訪れた「ガーデンミュージアム比叡」の中を抜けて、そこから「根本中堂」まで歩いたそう。「思ったより時間が掛っちゃてー。日本の夕暮れって、急に暗くなるんですねー」と、秋の陽は、つるべ落とし…5時近くなると、もう闇が迫ります。

ドイツからやってきたというお二人、トレッキングが大好きで、前日は、貴船から鞍馬を歩いたそう。
山を下りるドライブの間も、おしゃべりを…。(共通語は英語です)

「どうしようかと思っちゃったー。きっと今頃も山をさまよっていたかも…」と。河原町御池の交差点まで送ったミモロに、「これどうぞ…」とスイスのチョコレートを1枚お礼に…。

家に戻る車の中で、チョコレートと食べるミモロ「美味しいチョコレートだねー」と、ちょっとリキュールのきいたチョコレートは、ミモロの口に甘さを広げます。「なんか楽しかったねー」と。

「これも日本のおもてなしだよねー」と、きっと日本の旅で、ミモロとの出会いは忘れられないものになるかも…。

ガイドブック片手に旅をする個人旅行者は、ヨーロッパ系の人たちの旅のスタイルのよう。アジア系の人は、グループや団体旅行が大半です。インターネットなどで旅の情報を集め、ひとりや2人で旅をする人にとって、英語の表示の少なさが、やはり問題に…。オリンピックを控え、これから英語表示の整備も急務です。

安全な国と言われる日本。さらなる「おもてなし」は、スムーズに旅が楽しめるようにするシステムの構築にあるのでは?
トレッキングなど自然を楽しみながら、観光名所をめぐれるコース作りも、ぜひ…。


「これから、本格的な紅葉シーズンだねー楽しみ…」窓から眺め毎日紅葉をチェックしているミモロです。


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明治創業のディスプレイ専門会社「美也古商会」。能舞台や歌舞練場を飾る華やかな造花

2013-10-28 | ものづくり

京都、岡崎の疏水沿いに、何かの作業場のような大きな建物があります。看板は、「美也古商会」と。

「なんの会社だろ?」と、その前を通るたびに思っていました。ときどき、建物の前には、色鮮やかないろいろの造花が置かれています。
今は、紅葉や栗が…

建物の中にはいると、壁面には、さくざまな種類の紙やパネルが積まれています。
「わーいっぱいあるー」

この「美也古商会」は、手づくりのディスプレイの会社です。季節を表現するディスプレイは、クリスマスやお正月のウィンドウをはじめ、祝賀会などに飾られるもの。
作業台のそばの箱には、紅白のリボンが。「これでなに作るのかな?」と、テーブルを見ていると…
クルクルとリボンを巻いて、丸い形に…「はい、できました!」「わーカワイイ…」お祝いの式典用の飾りです。

ここでも、さまざまな飾りが作られますが、京都という場所にあるため、ちょっとごく一般のディスプレイ会社とは、一味違うのです。

この会社は、なんと明治38年の創業という、日本屈指の老舗。初めは、京都の映画撮影用や踊りの舞台用に造花を手がけていました。その後、デパートなどのディスプレイを担当。戦時中は、一時休業したものの、昭和22年から再開し、さまざまなイベントなどに仕事の範囲を拡大し、今日に至ります。

京都は、日本舞踊や能など公演が多い場所。例えば、毎年、五花街で行われる「都おどり」「鴨川おどり」など舞妓さんや芸妓さんが、日頃の芸の修練を披露する踊りの会をはじめ、日本舞踊のおさらい会など多数。その舞台を盛り立てるのに使われるのが、さまざまな花…藤娘なら、藤の花、娘道成寺なら、桜など、舞台の上から下がる花…
そう、そういう造花をここでは、作っているのです。この会社は、宮川町歌舞練場の舞台に品を納めているそう。


再び、訪れたミモロ…今日は何を作ってるのかと興味津々。
「なんだろ?」と作業するそばで見つめます。
「これは、お花の葉っぱを作ってるのよ」「葉っぱー?」
まず、印刷され、切り抜かれた葉に針金の茎を付ける作業です。
印刷された葉の裏に、緑色の紙を貼りつけて、茎の針金を固定します。ミモロもちょこっと挑戦。
「えーと葉っぱに沿ってカッターで切るんでしょ…」「うーむずかしい…」。1枚仕上げるのに、かなり時間がかかりそう…。

作業は、これだけではありません。次は、先の細いコテで、熱を加えながら、葉っぱに微妙なカーブを付けてゆきます。葉に、立体感を出す作業です。
「わー一枚一枚、手を掛けるんだねー」と、作業を見ながら、ただただ感心。
こうすることで、葉のリアリティが倍増。表情豊かなものになります。

写真、左がコテを当てたもの。雰囲気に大きな違いが…。

「ところで、この葉っぱ、なんのお花の葉っぱなの?」と首を傾げるミモロです。

「お花は、来週くらいから作り始めます」ということで、またまた見学に訪れることに…。

お花づくりは、建物の奥にあるお部屋で…。
箱には、赤い花びらが並んでいます。「赤いお花ねぇー、何だろ?」
作業部屋では、この日、お二人の方が、大きな机の前でお仕事をされていました。「こちらの方は、葉っぱを組み立ててるー」
「そう、ここを持って…」と、ミモロもちょっとお手伝い。「3つの葉っぱを組わせるんだー」
「あのーこの花びらは…」それは、黄色の芯のまわりに一枚一枚添えて行きます。
「わーボタンのお花だー」大輪の艶やかな牡丹です。舞台のものは、遠くからでもわかるように、実際のものより、大きめに作られます。
「はい、出来上がり…」「わーすごく豪華…キレイだねー」リアルな雰囲気の牡丹の造花です。この花は、能舞台を飾るためのものだそう。白い花もありました。「能では見たことないけど、こういうお花、日本舞踊の連獅子で見たことあるー。チョウチョも飛ぶんだよねー」大きな牡丹の花は、舞台をいっそう華やかなものにすることでしょう。


造花づくりは、技術が必要…スタッフの皆さんは、何年も勤務されているベテランぞろい。技術が必要なので、ミモロは、見てるだけに…。

秋は、クリスマスや正月などを控え、仕事が忙しい時期だとか・・・。
「また、見に来ていいですか?」と、ミモロは、ものづくりを見るのが楽しくてたまらないよう。

会社の中には、クリスマスの飾りもありました。「今年、サンタさんになにお願いしようかな?」もう、クリスマスプレゼントを考える、気の早いミモロです。

*「美也古商会」の詳しい情報は、ホームページで

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比叡山「延暦寺」で、最も清浄な聖域、最澄様が眠る御廟所「浄土院」。不思議な「箕淵弁財天」

2013-10-27 | 寺社仏閣

秋の気配が、始まった10月初旬に、ミモロは、再び比叡山に登りました。東塔(とうとう)、西塔(さいとう)、横川(よかわ)の3つのエリアからなる延暦寺。前回は、その中心となる根本中堂のある東塔を訪れました。そして今回は、そこから約1キロほど離れた、いっそう山深い場所にある西塔を訪れることに…。

到着したとき、すでに陽は西に傾きかけた頃…団体バスが多い東塔と違い、ここ西塔は、ひっそりと静寂に包まれています。

メインの建物となる「釈迦堂」へ向かう道の傍らに、看板が…。
そう西塔は、修行の場…釈迦堂に向かう途中の「にない堂」(重文)から、お経を読む声が聞こえてきます。「にない堂」は、法華堂と常行堂という2つの同じ形をしたお堂が、渡り廊下でつながっています。なんでも法華と念仏が一体であるという延暦寺の教えを表現しているとか。
「シーィ…静かにそばを通らなくちゃ…」一心に読経する僧侶の姿を想像しながら、ミモロは、いつもより、もっと音を立てないように歩きます。

階段を下ると、西塔の中心的建物「釈迦堂」(重文)へと至ります。「なんか空気が違うねー」とミモロ。山を下ったところにある「釈迦堂」は、延暦寺の開祖、最澄=伝教大師が、ご自身で作られたという釈迦牟尼如来立像を御本尊にお祀りしているため、この呼び名が…。正式には、「転法輪堂」と言います。現在の建物は、信長の焼き討ち後、秀吉が、園城寺の弥勒堂を移築して手直ししたもので、比叡山で最も古い建造物です。御本尊は、直接拝むことはできませんが、御前立の像にお詣りを。

あまりに厳かな雰囲気で、つい建物の写真を撮影するのを忘れ、しばし釈迦堂の階段に座って、時を過ごしました。「静かだねー」ミモロは、耳をピクピクさせますが、届くのは、杉木立を揺らす風の音、そして時折、聞こえる鳥の声…。「まさに修行するのにピッタリな環境…」と。俗世を離れ、比叡山に籠り、一心に読経する…。ミモロ、できるー?「うん、憧れるけど…とても無理…でも、坐禅体験はしてみたいなー」と。

西塔には、一般の人でも修行体験ができる場所(居士林研修道場)もあります。(要予約)
坐禅、写経体験から、1泊、2泊の本格的修行体験コースまであり、一人でも申し込みが可能。
詳しくは、「比叡山 延暦寺」のホームページで。


さて、次ぎにミモロは、そこから徒歩10分ほどの場所にある「浄土院」をめざし、足早にトコトコ山道を進みます。

「ここだー」
美しく掃き清められたお庭の奥に、建物が…。「ここでも修行なさっているから、中に入れないんだって…」
この「浄土院」は、最澄さまの御廟所で、比叡山の中でも、特に清浄な場所と崇められている所。ここでは、12年間山に籠る誓を立てられた僧侶が、毎日、最澄さまが生きていらっしゃるようにご奉仕をなさっているそう。

「えーそんなに長い間、お仕えしている方がいらっしゃるんだー」と、ただただ驚くミモロです。

外から、参拝して、再び、もとの道を帰ります。駐車場に戻る途中、ふと気になって立ち寄ったのは、杉木立の中にひっそりと鎮まる小さな社です。
「ここなんだろ?」と言いながら、参拝しようと振り返ると、「わーなんかスゴーイ!」と思わず立ち尽くします。
見ると、社のから光の帯が伸びています。ここは、比叡山にある3つの弁財天のひとつ「箕淵弁財天」(みのぶちべんざいてん)です。詳しい説明は、一切なく、また延暦寺のマップにも記されていないところ。

「でも、なんかすごいパワーを感じる…」と、パワースポット好きのミモロは、何かを感じたよう…。
偶然のことながら、とても不思議な景色です。
「今年は、ヘビ年でしょ!だから弁財天さまにお詣りするといいんだってー」と、どこから仕入れて来たか不明の情報。でも、確かに、弁財天さまは、白蛇の化身だったり、ヘビがお使いだったりする話は聞きます。
「なんか、ぜったいいいことあるよー!」と、ミモロは、社に近づくと、熱心にお参りを…。

その社の近くには、親鸞聖人が修行をなさった場所も。
「空也さまも、栄西様も、親鸞さまも、日蓮さまも、法然さまも…みんな延暦寺で修行なさった同窓生でしょ…。やっぱり延暦寺ってすごいねー」と。

一度は訪れたい日本仏教の源の地、それが比叡山 延暦寺です。

「次は、横川にもお詣りに行こうね…」はい、そのうちに…。



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