ネコのミモロのJAPAN TRAVEL (Mimoro the cat:JAPAN TRAVEL)

「京都観光おもてなし大使」のライターとネコのミモロが、京都の情報や暮らし、グルメなどをご紹介。心和む雑誌のようなブログ

江戸時代創業の数珠の老舗「中野伊助」。大切な数珠の選び方を伺いました。

2013-11-09 | 老舗

京都の四条通にある「藤井大丸」の東側を通る寺町通を進み、高辻通を少し過ぎたところに、古い構えのお店があります。
  
大きな木の看板には「中野伊助」と。「なんのお店だろ?」とミモロは、中を覗きこみます。
ここは、数珠の専門店。ミモロは、さっそく中へ。
  
お店の壁一面に、いろいろな種類の数珠が下がり、また、長年使い込んだ戸棚の中にも、さまざまな美しい数珠が並んでいます。
 

「こんにちはーちょっと数珠のこと教えてください…」お店の方に声を…

「いらっしゃいませー」笑顔で迎えてくださったのは、10代目のご店主の中野恵介さん。

ここ「中野伊助」は、明和元年(1764)の創業。10代将軍徳川家治の時代です。「東京オリンピックの200年前だー」とミモロ。寺町通は、その名の通り、お寺が多く、そのため仏壇や仏具を扱う店も集まっています。

「数珠は、もともと寺院で作られていたもの。数珠屋として成立したのは、江戸中期。この店が創業したころです。また、一般の人が、数珠を持つようになったのは、実は、江戸末期。それまで数珠は、僧侶だけがもっていたんです」と、中野さん。

ここで、数珠について、基本的な質問を…。
「あのー御数珠って、どうやって選んだらいいんですか?」とミモロ。

・数珠は、その人の家の宗派によって選ぶのが基本です
宗派によって、数珠のスタイルに違いがあります。天台宗は、そろばんの玉のような形の玉を繋げます。浄土宗は、2つの輪からできたもの。日蓮宗は、房が5つ付いています。
真言宗の数珠浄土宗の数珠
「ホント…違うんだー数珠ってみんな同じだと思ってたー」とミモロ。

数珠の玉の数は、108つが基本。煩悩の数と一緒です。数珠玉をくりながら、お念仏を唱えるのだそう。ほかに、27というものも、あくまで108に係わる数が基本だとか。

「えーミモロのお家の宗派って、よくわからないー」と、頭を抱えます。最近は、宗派にこだわらずお墓をもつ人も増えています。

その場合は、宗派を問わず使える略式のもので。
 

 
「ところで素材は、どういうものを選べばいいんですか?」
・数珠の素材の種類は、お好みで…。
お店には、さまざま素材が揃い、お客様の要望に対応しています。
 「昔から、菩提樹、黒檀などの木の素材や、鉱物なら、水晶、瑪瑙、翡翠、また、珊瑚や真珠も女性に人気です。最近は、パワーストーンの影響もあって、ローズクオーツやカルセドニーなど、種類も増えています」と。宗派によって使わないほうがいいものもあるので、数珠のお店で詳しく聞くことをおすすめ。

「京都のお土産に買って、他の人にプレゼントしてもいいんですか?」
・人生の節目に、贈り物や購入にするのは、おすすめです。
昔は、嫁入り道具のひとつとして、嫁ぎ先の宗派の数珠を必ず娘に持たせたそう。また成人式などにプレゼントするのもいいそう。

「1本の数珠を家族で使ってもいいですか?」
・数珠には、男女の別があります。また数珠は、他人との共有はできません。
男性の数珠は、大振り。女性のものは、小降りの玉で作るのが一般的。「ユニセックスのお数珠ってないんだー」
ひとりひとりの念が入るので、家族といえども共有はできないそう。一家に1本ではなく、ひとりに1本です。

「オーダーで自分が気に入った素材で作って頂くのがいいねー。憧れちゃう…」とミモロ。

京都のものづくりは、分業制。ここでは、専門の数珠玉職人さんから届いた玉をひとつひとつ繋ぎ、房を付ける仕上げの部分が行われます。
    

「こうやって、最後は組紐みたいに止めるんですよ」
 
ミモロは、興味津々でじっと作業を見つめます。

ここで、ご店主の中野さんは、ご用事があるのでお出かけに…。ミモロは、まだ見たりないのか、お店の中を歩き回っています。
「なにか探しているの?」と声をかけてくださったのは、中野さんのお母様。先代の奥様です。
「あのねーミモロに合うお数珠ないかなぁー」と。「それなら、これはいかがですか?」 ミモロに渡してくださったのは、小さな赤いお数珠。プラスチック製で、仏教関係の幼稚園の子供たちがもつ「稚児数珠」という子供用のもの。「わーカワイイ…」ミモロにピッタリ。女の子は、赤で、男の子のは青だそう。
「じゃ、これは今日、来てくれたお礼にプレゼントします」「えーホント!嬉しい、ありがとうございます」と、遠慮なく頂きます。ミモロは、自分の数珠を持って大喜び!「今度、お寺に行くとき、持って行こう…」と。京都では、仏事に数珠は、参列者の必須アイテム。きちんとした数珠を持つのは、大人のたしなみです。ミモロも自分の数珠もらい、京都のネコ度はがぜんアップ。

お店には、数珠のほかに、御守のように使うブレスレットタイプのものも種類豊富。
 
さらに、オリジナルの「百八念珠飴」や「元気になるバッグ」なども。
 

このお店では、数珠の糸の付け替えや房の新調など、リフォームもしてもらえます。

一生使える自分だけの数珠を選びに、ぜひ、京都に来たら、ここへ。値段も数千円のものから、うん十万円などさまざま。ミモロのように自分に合った数珠を選ぶことがポイントです。

*「中野伊助」京都市下京区寺町高辻下ル京極町505 075-351-0155 9:00~18:00 日曜・祝日、第2土曜休み 四条河原町から徒歩8分

人気ブログランキングへ
ブログを見たら、金魚をクリックしてね。ミモロからのお願いでーす。

コメント (3)    この記事についてブログを書く
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 泉涌寺の近く「即成院」。極... | トップ | ステキな革のトートバッグの... »
最新の画像もっと見る

3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (竹口のおばちゃん)
2013-11-09 13:58:08
京都のこういう古いお店、有って当たり前のように思っていたけど、考えたら、創業250年だなんて...スゴイ!

そうねぇ、お数珠も、お店の方に教えてもらいながら買い物すると、勉強になるわね。  そうかぁ、お数珠を贈り物にしても良いのねぇ。    気持ちが伝わりそう。
お数珠 (がちゃぴー)
2013-11-09 20:31:02
自分用のお数珠は必要です。私の場合 慌てて買ったので 何が何だか分からず用意しましたが、今思うと 自分が納得できる一品を ゆっくり選びたかったです。

ミモロちゃんのお数珠はとても可愛いですね。よかったね。
赤いお数珠 (mimoro)
2013-11-09 23:40:39
お数珠の色って、赤でもいいんだってー。
赤は、ミモロのお大好きな色だからハッピーに。
必要な時に慌てないために、
時間があるときに、ゆっくり自分のお気に入りを
見つけるのがいいかも・・・だって、そんなに
買い替えるものじゃないしー。

そう、贈り物にもいいんだってー。

コメントを投稿

老舗」カテゴリの最新記事