ネコのミモロのJAPAN TRAVEL (Mimoro the cat:JAPAN TRAVEL)

「京都観光おもてなし大使」のライターとネコのミモロが、京都の情報や暮らし、グルメなどをご紹介。心和む雑誌のようなブログ

歴史ある呉服商に伝わる「武者人形」を5月30日まで公開。醒ケ井通の「京空間mayuko」

2016-05-10 | イベント


すがすがしい5月は、京都がいっそう華やかさをもつ季節です。町の各所には、端午の節句の鯉のぼりや花菖蒲が飾られます。

さて、今回、ミモロが訪れたのは、市バスで「四条堀川」のバス停から、堀川通の東側にある醒ケ井通を、四条通から少し南に下がった古い町家です。
 
「繭」の文字が白抜きされた黒い暖簾がかかる町家に入ります。昨年から町家は、[ショップ&ギャラリー京空間mayuko]となり、さまざまな文化イベントや講座が行われています。

そもそも、この町家は、明治3年創業の呉服商「黒田庄商店」のもの。創業当時、醒ケ井の高辻にお店と住まいを構えていらしたそうですが、明治の近代教育推進のための「学制」により小学校を建設することとなり、その敷地の提供で、堀川丸太町へと移転さします。戦時中、堀川通の拡張計画により、また移転を余儀なくされ、かつて縁の深い醒ケ井の仏光寺という現在の場所に…。

昭和初期の古い町家で商いを続けます。

度重なる引っ越しを行いながらも、古くから伝わる品々を守り続け、その一部である「武者人形」が、今回公開されています。

「黒田庄商店」七代目となる、京友禅作家の黒田庄七郎さんと、昨年から公開された町家をプロデュースなさっている氣谷麻由子さんが、ミモロを迎えてくださいました。



お店の中に入ると、真っ先に目に入るのは、大きなのれん。その脇に、武者人形が並びます。
   
「わ~りっぱなお人形…」とミモロ。でも、ここで驚いていてはいけません。
そこからお座敷へと進みます。
   
「うわ~たくさんの武者人形が並んでる~」

段飾りの上にさまざまな甲冑をまとった武者人形が並びます。「お雛様のお飾りなら何度も見たことあるけど、武者人形のお飾りって、見たことなかった…」とミモロ。そう、京都でも、これだけたくさんの武者人形を飾るお家は見たことがありません。

さて、これらの武者人形は、「黒田庄商店」に代々伝わるもの。それぞれの当主の成長を願い、揃えられたものです。
そもそも黒田家は、宇和島伊達家につかえ、京都屋敷の長を長年務めたお家柄。明治維新になり、武士を捨て、呉服商へと転身します。「武士の商法」といわれ、失敗も多い商いですが、黒田家は見事に成功し、商いを広げます。

お雛様は、15人がワンセットで、何組が飾られますが、武者人形の場合、中心となる武者とのぼり旗など、戦場や陣屋での姿が、何人も飾られます。

今回の展示は、お蔵の中に大切に保管されていたものを公開。
「神武天皇から金太郎まで」というバラエティー豊かな武者たちの登場です。

やや強面の形相で鎮座なさっているのは、「神武天皇」。

「うわ~立派…」凛々しいお顔と堂々としたお姿です。

「あの方はだれ?」と同じく一番上の段の人形を…。「あれは、神功皇后ですよ。そばに赤ちゃんを抱いた人がいるでしょ」と黒田さん。
 
この段飾りで唯一女性の神功皇后。「あ、臨月でも戦場にいって戦った方でしょ。安産の神様だよね~」とミモロ。

トラが近くにいるのは、ご存じ、加藤清正公。


凛々しいお顔の武将は、源頼朝と源義経。
 
「このお顔どこかでみたことある~」とミモロ。そう、これらはひな人形で有名な「丸平大木人形店」の作です。

こちらは太閤秀吉です。


「平清盛や徳川家康、織田信長はいないんだ~」とミモロ。だれを選ぶかは、その時代背景や製作者の好みなのかもしれません。

  
「桃太郎」「金太郎」「牛若丸」お伽草紙の主人公たちや京都縁の武将の姿も…。

それぞれの装束や持ち物から、だれであるかが推測できます。武者人形は、武者というイメージで創作されたもの。そのため主人公の時代と甲冑の様式の時代が違います。でも、そんなことは気にしない…強い男の子に成長してほしいという親の願いの形です。


「ミモロちゃん、乗ってみていいですよ~」と黒田さん。「え~」とうれしそうなミモロ。
どこにいるかわかりますか?
「なんかぴったりの大きさですね~」「ミモロ、乗馬得意なの…」


「これも得意だよ~」と、飾られている粽や柏餅も、確かにミモロの得意分野…


さて、武者飾りは、お蔵の中にも…
  
掛け軸は、京都の歴史画の大家、猪飼嘯谷(いかいしょうこく)の手によるもの。「義家公甲冑図」と「義貞祈梅神図」です。
「義家公の甲冑図は、父の初節句のために曾祖父が、依頼したものです」と黒田さん。

黒田家では、代々男の子が生まれると初節句に甲冑飾りなどを揃えたそうです。

「武者人形の持ち物は、紛失してしまったものも多いんですよ」と、人形を飾られた氣谷さん。

「そう、雛飾りでもいろいろお道具なくなちゃうものね~」とミモロ。

「こんなにたくさんの武者人形、見たの初めて~すご~い」と大感激のミモロです。

*「ショップ&ギャラリー京空間 mayuko」京都市下京区醒ケ井通仏光寺上ル要法寺町445 電話075-351-0326
「武者人形展 ~神武天皇から金太郎まで~」5月30日(月)まで開催。10:00~18:00 火・水曜休み 入場無料
市バス「四条堀川」から徒歩3分。





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