土日(6/08、09)で長野県阿智村昼神温泉に行ってきた。ここ数年恒例になってる長女と3人で行く温泉旅行の今年分。忙しい日々を送ってる娘があわてて取ったバス旅行。旅行日になってみたら「梅雨入り」宣言の直後。しかもこのツアーの売りが「星空鑑賞」、「こりゃあかんは」でも行くしかない。でも戻ってみるといろいろいいことが、新しい発見があった旅でした。
11時前新宿発 - 奈良井宿 - 天竜峡 - 宿チェックイン、夕飯 - 星空観賞 - 風呂、泊
10時宿発 - 元善光寺 - 飯田で昼食 - 山梨笛吹市でさくらんぼ狩り - 新宿解散
〇 晴れ女か雨男か
僕は雨男を自認してる。娘は晴れ女を主張してる。梅雨入りしたばかり、しかも数日前から「金曜梅雨入り、土日は雨」の予報。梅雨入りは宣言通りだったのに、雨予報が曇りに、薄日模様に変ってきた。土曜の朝出掛ける前には「傘持っては行くけど、使わないで帰って来るんじゃ」の冗談が言える程に。結局傘使ったのは帰りの最寄り駅から家までの徒歩の時だけ。サクランボ狩りの時降り出して、そこからの帰路のバスは雨の中。
こんなことにもなるんですね。娘の「晴れ力」には感服です。僕の雨力なんて小さい小さい。
〇 奈良井宿の漆器
漆器祭をやってました。家で使ってる汁物用のお椀が古ぼけてることもあり、ここで記念に2つ調達しようとなった。それはそれで気に入ったものを買えました。 ところで、1個600円くらいでドサッと並べてるんですよ。木地氏さんがいて漆職人さんがいる。しかもこんなにたくさん商品化してる。量にしても単価にしてもどうも経済理論に合わないと感じたのでお店の主人に聞いてみた。安く売ってるのは中国産なんだそうです。そうか、100%とは言わないが納得できる線だな。中国人の人件費ってほんとに低いんだな。一方地場の本物を手にしたいんであれば、食事で普通に使うお椀でも2000円から上を選んでくださいと言われました。すごく納得。
〇 星空鑑賞
チェックイン後慌ただしく食事して、19:45にまたバスで移動。宿から10kmほど南の治部坂高原スキー場へ。ここで星空観賞会。
知らなかったことなんですが、阿智村は「日本で一番星が見える所」として認定されてるらしいです。だれが、どういう基準で決めたのかは不明です。「いやっ白州だって綺麗に見えるぞ」と言いたいが。
1日ずっと曇りがちだったからバスの中もちょっと暗かったかな。「期待はすれど現実は・・・」ってやつですね。着くとそこに林さんという、たぶんその世界では有名人だと思われるおじさんが説明係として待っててくれた。「一番見える所なんですよ」と星のない空を見上げながら説明開始。結局見えそうにないので車内で「星空のロマン」を写真、クイズ入りで解説してくれた。だいたい話が済んだころ、月が出てるのを発見、外に出て先生が解説を始める。だんだん雲がはれて来る。「春の大三角」も確認できた。「今見えてるこの星の光は秀吉君が戦争してた頃の光なんですね」なんてユーモアを交えて説明してくれる。解りやすかったです。この人自身がどれだけ星空が好きかが解ります。
空の1/3が晴れるほどにまでなったでしょうか。みんな大満足だったでしょう。解説がグゥでした。
〇 宿は 湯多利の里「尹那華」
りっぱな旅館でした。平成28年に今の上皇夫妻が近くにある「満蒙開拓団の資料館」を訪ねてこられた時に泊まられたらしいです。こういう話を聞くと俄然興味が湧いてくる僕でして、お泊りになった部屋は今どうなってるのかを聞いてみました。まだ高校生だった頃と記憶してますが、遠い親戚に福井市内で旅館をやってた方がいて、ここに昭和天皇夫妻が泊まられたんです。その後その部屋は「開かずの間」になって、デッドスペースになったのを知ってます。そこで最近のこの辺の事情はどうなってるかが興味あったんです。答えは同じでした。今も使用できず、改装できずの「開かずの間」なんだそうです。「泊まられた」という箔はつくけど・・・ なんでしょうね。
もう一つ、平成24年で途切れてましたが、中日ドラゴンズが毎年11月に納会をやってたようですね。年毎の集合写真が廊下に貼られてました。外には落合選手がトレーニングに使ってたという道もあって、「落合ロード」と名付けられてました。
プロ野球選手が納会やるくらいだからと天皇も泊まられたのか、天皇が泊まられたのでもう納会をやれなくなったのか 世の中勘ぐったら面白いことが想像できますね。
〇
元善光寺
長野の善光寺さんのほんとの「元」なんですね。こっちが「元」だと言ったって、あっちがこれほど有名になっちゃうと、もう名前に「元」を付けないと存在感無くなっちゃうで改名したんでしょうね。それと「善光」は「本多善光」という人の名前なんですね。勉強しちゃいました。
「戒壇巡り」を初めて体験しました。こういうのがあるのは知ってましたが、経験は初めて。お寺の御本尊の真下に光の全くない通路が通っていて、ちょうど本尊の真下に何かの物体がある(このお寺の場合は「金属製の錠前」でした。見えてませんよ、触ってそうだなと思っただけ)。これに触れると極楽浄土に行けるという行いなんです。これもいいことをした感。
〇 最大の汚点は飯田のドライブイン
結果的には全て満足できたツアーだったんですが、これが唯一の汚点でした。それだけにツアー業界の裏の裏を考え、こういう商売は淘汰されていかないと「不要悪」というものです。
東京、名古屋方面からのバスツアーを企画する会社にしっかり営業してて、「こちら方面に来るのであれば是非うちでお昼をとってください。駐車場も広いですし、大人数の食事も可能です。」なんでしょう。確かに飯田あたりだとこれだけ収容できるドライブインはないのでしょう。それをいいことに、営業して契約を取ることまでが商売だと考えてる。来た客への思いやりなんて何も無い。金落とす道具ぐらいに考えてるのかな?
店内に一歩入っただけで「ここはいいは」気分になった。朝食を旅館でしっかり食べてたので、食欲がなかったのが良かった。それでいて周りを散策しても、コンビニもない。3人雑談して出発の時間を待ってた。ツアーの最後に「アンケートを」というのでしっかり「不要悪」を書かせてもらった。「ここで飯をというのなら、高速のサービスエリアの方がいいのでは」と書いておいたが。
〇 山梨でサクランボ狩り
飯田からの帰路にさくらんぼ狩りという。泊まった旅館に「伊那のサクランボ」という宣伝がべたべた貼ってあったので、伊那なんだと思ったら、山梨だという。じゃ南アルプス市だなと連想したら、笛吹市だという。えっ笛吹市にサクランボ農園があるんだとびっくりした。テニスコートくらいの農地に10数本の木を植えてる。それをそっくりビニールハウスで覆っている。個人個人がこういう園を管理してて、農協経由でツアーを引き受け、迎えに来て、連れて行って、園内で「どうぞ」とやるスタイルのようです。サクランボのなる桜の木は初めてなので実の話より木の管理の話をおじさんから聞いてたような。古木でも30年ほどだそうです。だから30年以上前からサクランボ商売してたんですね。笛吹市はブドウと桃だとばかり考えてました。サクランボは南アルプス市が僕の常識でした。30個ほど食べたかな。お土産で売ってたのは30個ほどで1000円もしましたよ。高い物です。木の管理の大変さを聞くと当然なのかも。
〇 ここから帰路まっしぐら。でも渋滞が
勝沼から中央高速に入って、一路新宿の予定だったんです。 が当然です、中央高速の渋滞情報が入って来ました。ここからの判断がさすがプロだなと思わせるもの。ちょっと横道。こういうツアーの場合、トイレタイムをどこで作るかは重要ポイント。渋滞にはまって、「ちょっと待ってください」はまずいわけです。予定通りならこのSAで休憩と決めてあるのは当然。でも渋滞、ルート変更となった場合、その時どこで休憩できるかを知ってるのと知らないのでは天国と地獄の差でしょう。今回のガイドさんは若い女性で1泊のガイドは初めてだったんですと後で聞かせてくれたお嬢さん。そんな子がとっさのルート変更までは対応できないですよね。運転手さんの判断だったとみました。
結局、勝沼から都留(本選からはずれたルート選択に注意)まで高速。都留のリニア見学施設の近くに最近できた道の駅で休憩。ここにツアーバスが次々入って来るのにも感心。そこから20号をひた走る。上野原まで一般道を走って、また高速に。ここからは選択肢は無い。混んでても高速、首都高を行くしかないんですが。それでも、いやおかげさまでだと思うが、20時(予定より1時間遅れ)には新宿西口に帰り着きました。 ツアーバスの運転手さんという職業 とてつもなくプロですよね。不安を感じさせることなんて全くない素晴らしいドライバーさんでした。
〇 バスツアーは安上がりで便利かも
バスツアー初めてではないけど、そんなに利用してきたわけでもない。今回利用してみて便利じゃんと思いました。これだけ観光させてもらって、これだけの金額。うんリーズナブルです。女性6人、恩師が1人入ったクラス会のグループがいました。こんなのもいいですね。乗り換えはいらない、移動に神経使わなくていい、移動中の飲み食い自由、宿もそれなりのを用意してくれる。老人向きとも言えるが。「こんなのもいいね」という気の合う仲間と温泉で一泊なんてツアーを計画してみっか という思いです。